風邪へのコーヒーの効果に感動【薬との飲み合わせは危険です!】
<監修薬剤師 藤沢 淳司>
コーヒーと言えば眠気を覚ますカフェインが入っていることから、あまり良いイメージを持たれない飲み物でした。しかし適量であれば生活習慣病の抑制など健康増進に関与する可能性が近年指摘されています。
それでもやはり風邪をひいた時には「刺激物」にあたるコーヒーは避けられる傾向にあります。胃腸の調子が悪い時にもやめたほうがいいと言いますね。
集中力や覚醒作用が必要な時のコーヒーではなく「風邪の時にコーヒーを飲むと効果的」という不思議な話題について解説します。
気になる所から確認してみよう
コーヒーの効能
黒く苦いコーヒーですが、飲み過ぎるとやはり胃に刺激があるため調子が悪くなることはあります。でも体に良くないというのは昔の話です。
コーヒーのあの焦がした見た目のイメージが悪かったのかもしれませんね。徹夜のお供にコーヒーという方は今でも多いのかもしれません。
コーヒーは99%が水分で栄養を摂取することはできませんがカロリーを気にしなくても良いということぐらいしか利点を思いつきませんよね。
活性酸素の除去と認知症
「活性酸素除去」と聞いただけで今すぐ飲みたくなりますね。
コーヒーの苦みや渋みは含まれるクロロゲン酸が元になっています。クロロゲン酸は植物にしかないポリフェノールの中でもコーヒーに含まれているものです。
ポリフェノールは大豆のイソフラボンや茶カテキンなどが有名ですね。クロロゲン酸は「身体のサビ」と言われる活性酸素の働きを抑制するとともに抗酸化作用もあります。
アルツハイマー型認知症発症のリスクを下げるというデータがあります。コーヒーを1日5杯程度、毎日飲んでいると発症リスクが低いという結果もあります。クロロゲン酸の抗酸化作用で脳細胞の老化が防げるからです。
覚醒作用
いうまでもありませんが、カフェインはコーヒーを1リットル飲むともれなく0.6グラム摂取できます。
なかなかぴんと来ない数字ですが、脳神経に作用してスムーズな精神活動を促進したり眠気や疲労感の解消のために医療機関で処方されたりします。
その場合成人1回の服用量が0.3グラム程度なので、0.6グラムはかなりの量だということがお分かりいただけるでしょう。カフェインはアルカロイドの一部で、覚醒作用の他に解熱鎮痛作用も兼ね備えています。
がん・脳血管障害リスクの低減
女性の子宮体がんはエストロゲンなどのホルモンが関連します。乳がんも同様です。詳しい因果関係はまだ解明されていませんが、1日3杯以上コーヒーを飲んでいる女性は子宮体がんや乳がんリスクが低下するデータが出ています。
ガンは老若男女問わずに起こりますが、毎日5杯以上のコーヒーを引用していると肝臓がんなどをはじめ様々な発がん抑制が確認されています。
脳血管障害には微小脳出血や脳卒中などの出血性障害が多くあります。脳の出血性障害は高齢者や高血圧傾向にある人に多発する傾向がありますが、これらの障害をコーヒーが予防してくれるというデータもあります。
糖尿病に由来する脳卒中などもありますが、その糖尿病をもコーヒーが予防することができるのです。
これらの効果に関するクロロゲン酸の働きははっきり解明されてはいませんが、有効性があることだけは実証されています。
ダイエットに効果あり
コーヒーに含まれるカフェインには脂肪燃焼を効率的に促進する効果があります。カフェインを引用すると血中脂肪酸濃度が上昇するためです。
肝臓内の脂肪燃焼機関にミトコンドリアというものがありますが、この中のCPT-1という酵素が活性化されることで脂肪燃焼が加速されます。
運動の30分前にコーヒーを飲むことで、ダイエットに必要なエネルギー増加を促して脂肪燃焼が容易になるということなのです。
まだまだある!コーヒーの効能
抗酸化作用はアンチエイジングに直結しています。ポリフェノールは肌の色素沈着抑制の効能も有しています。またコーヒーの香りは脳内にα波を出すことから高いリラックス作用と脳の働きの活性化などが挙げられます。
風邪へのコーヒーの効果
利尿作用と解熱の関係
コーヒーのカフェインには利尿作用があることが有名ですが、利尿作用は体内の不要物質を排出するということですね。風邪をひいた時の不要な物質と言えばウイルスです。
速やかに体外にウイルスを排出することで風邪の治りが良くなり、この利尿作用が有効だと言われています。ウイルスと体の戦いで高熱が出ますが、利尿作用でウイルスが外へ出てくれれば熱も下がるわけです。
頭痛を緩和
二日酔いの頭痛にはコーヒーが効くという人もいるように、頭痛にコーヒーが効くというのは事実です。風邪による頭痛もメカニズムが同じなら効果はあるのです。
コーヒーが効く頭痛とは血管拡張性の頭痛です。血管が拡張して筋肉を圧迫することで起こるのは頭痛に限らず、風邪の場合には関節や筋肉の痛みにも言えることです。
拡張した血管を収縮させる働きを持つコーヒーを飲むことで、風邪の頭痛や筋肉痛・関節痛を解消する鎮痛効果があります。
消化促進と解毒作用
風邪をひくと胃腸の状態も不安定になり、食べ物の消化が悪くなることがあります。コーヒーは胃液分泌を促進する作用があるので、風邪の時には食後のコーヒーで消化を助けることができます。
また、解毒作用があるため肝臓の働きも助けます。食欲増進にもコーヒーの効果を利用しましょう。
交感神経を活発にする
カフェインの覚醒作用や倦怠感の改善効果は交感神経を活発にするという作用からです。風邪をひいて体が弱ると副交感神経が優位になり血圧は下がり代謝も下がるという悪循環に陥ります。
ここにコーヒーを飲むことで逆に交感神経を活発にして血圧を上げて代謝を促進することで風邪を早く治す作用が発生します。
薬との飲み合わせは危険
風邪へのコーヒーの効果について解説してきましたが、やはり風邪の時には薬を飲む方が治りも早いものです。あくまでも補助的に引用したいコーヒーですが薬との飲み合わせには注意も必要です。
カフェインの過剰摂取
コーヒーで風邪薬を飲むのは厳禁です。風邪薬には解熱鎮痛作用を得るためにカフェインが含まれています。
カフェインをコーヒーで飲むと摂り過ぎになり、頭痛を増強したりめまい・気分の落ち込みや不眠などの悪影響が出ることがあります。
副作用として添付文書に記載されている症状が増幅されることもあるので絶対に避けるようにしましょう。
胃腸症状の悪化
適量を超えるカフェインが胃腸症状を悪化させます。風邪薬に含まれるカフェインは微量ですが、もともと風邪で胃腸が弱っているところに濃いコーヒーで薬を飲んだりするとどうでしょう。
風邪で免疫力が落ちているのに胃腸を荒らすと、症状が悪化することがあります。
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