食べ過ぎ注意!キムチを徹底分析【食べ過ぎは下痢や胃痛の恐れあり】
<監修薬剤師・食生活アドバイザー 藤沢 淳司>
焼肉を食べに行った時、サイドメニューのキムチが気になりますね。
王道は白菜ですがキュウリや大根、魚の内臓などをつけたものなど美味しいものがたくさん。自家製キムチをストックしているご家庭もあるようです。
しかしながら、胃痛がしたり下痢をしたり・・・そんな症状がキムチの仕業だったりすることもあるのです。気を付けたい食べ過ぎや症状について解説します。
気になる所から確認してみよう
キムチは多種多様の伝統食です
韓国好きの友人から「空港に降り立つとすでにキムチの良い匂いが漂っている」という話を聞いたことがありますが、キムチは朝鮮漬物の王様であり家庭料理の代表なのです。
香辛料やにんにく・唐辛子を使って白菜・大根・胡瓜など多種の素材を漬け込んだ発酵食品であるキムチは作り置きもできる保存食です。
熟成が進むとその味は乳酸発酵により酸っぱいものとなり、さらに美味しさと栄養価が増します。
なぜ保存食としてキムチが発展したか、それは朝鮮半島特有の「寒さ」があったからでしょう。
辛くて旨い!4つのキムチの栄養価
辛いけど旨い、次々と口に入れたくなる爽快な辛さのキムチ。どんな栄養価があるのかを見ていきましょう。
腸内環境を守る乳酸菌
キムチの乳酸菌は「ラクトバチルス乳酸菌」です。この乳酸菌は胃酸にとても強い性質があるため、腸まで届いてビフィズス菌を増殖させます。
便秘気味だったりするとこの腸まで届くという乳酸菌はとてもありがたい存在です。
便秘の改善に食物繊維
様々な野菜を漬け込むキムチは食物繊維も摂取できます。不足しがちな食物繊維が摂れる魅力的な漬物です。
発酵で増える!疲労に効く栄養価
生野菜では摂取しづらい「アリシン」はニラやにんにくにも含まれる疲労回復に効果的な栄養素です。
またエネルギー代謝を促進させるビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB12も豊富に含まれ、さらに神経系の働きを良くするナイアシンも含まれています。
痺れる辛さのカプサイシン
脂肪燃焼に代謝促進、女性が特に欲しい効果はあの赤さと辛さのカプサイシンです。
辛さでアドレナリンが出そう!と思ったことがあるかもしれませんが、実は本当に出るのです。
興奮するわけではありませんが、基礎代謝自体が上がりますし脂肪燃焼酵素リパーゼの働きも促進されて良いことずくめです。
美容に効く栄養も
肌に効く!といえばコラーゲンを想像しますが、そのコラーゲンを生成するにはビタミンCが必要ですね。キムチにはこのビタミンCと一緒に皮膚を守るβ−カロテンが豊富に含まれています。
キムチを食べて健康に!4つの効能に期待
辛くて旨くて嬉しい栄養価もあるそんなご飯のお供にもってこいなキムチ。とはいうものの、キムチの健康に対する効能とはどのようなものがあるのでしょうか。
整腸作用
発酵食品としても知られるキムチは植物性乳酸菌の宝庫です。ぬか漬けや白菜漬けといった日本のお漬物は「水洗いして食べる」とか「拭き取って」「絞って」というものが多いのです。
出したらそのまま食べられるキムチは、発酵により増えた乳酸菌を余すことなく摂りこむことができますね。
乳酸菌の整腸作用で腸をキレイにして、たくさん摂れる食物繊維との相乗効果で便通改善効果も期待できます。
代謝促進
デトックスを口実にスムージーを飲んでいるとちょっとオシャレには見えます。
確かに効果はありますが、毎日スムージーを飲み続けるのは作るのも買いに行くのも面倒だしコストが結構かかります。
その点キムチなら作り置きが出来て代謝に効果的なビタミンB群が増えるのも有利ですね。
それに加えて原料である唐辛子のカプサイシン効果で「褐色脂肪細胞」が活性化し代謝促進・脂肪燃焼に最適です。
カプサイシンのサプリメントを飲むよりも「旨さ」という点でも勝りますね。
ちなみにこの代謝促進のカプサイシン、血糖値を降下させる作用も期待できるようです。生活習慣病を持っていてダイエットしなくては、という人にはもってこいです。
疲労回復
キムチ作りに使われるにんにくはスタミナ食材としても有名ですね。アリシン・ビタミンB1は糖をエネルギーに変えたり吸収率を上げるためには必要な栄養素です。
唐辛子は血行促進や安眠効果を持っているため、疲れた体を元気にするために汗をかいたり眠ったりすることからも必要でしょう。
キムチのもう一つの大事な素材「塩辛」についてです。主に使われるのは「アミ」と呼ばれる小さなエビです。
動物性のタンパク質で分解することでさらなる旨味と栄養価の底上げをしています。塩辛のアミノ酸は体の疲れにダイレクトに効きます。
冷え性や風邪の撃退にもキムチは効果的な食品です。
美肌と美白
キムチの本場韓国の女性って、お肌のキメが整って色白で「むきたまご」みたいだと思ったことはありませんか?
国民食とも言えるキムチは、家庭ごとに様々なレシピで作られて子供の頃からずっと食されています。キレイの秘密はどこにあるのでしょうか。
白菜のキムチが美肌や美白に一番効果があるようです。食物繊維で体の中から余分なものを排泄し、β−カロテンで美白の大敵である活性酸素を取り除きます。
ビタミンCでコラーゲン生成を促してビタミンB群でお肌自体の新陳代謝を活発にします。
活性酸素を除去するために必要な栄養素がたくさん含まれている「お守り食品」とも言えるでしょう。
食べ過ぎると下痢や胃痛など引き起こします
効果がわかるとつい「たくさん食べたい」と思ってしまうもの。でもキムチは食べすぎるとお腹にくるのです・・・
唐辛子のカプサイシンの作用で下痢をします。水分を吸収されないままなら水下痢になることもあります。乳酸菌の過剰摂取も実は下痢の元になることがあるのです。
また刺激が強いので一気にたくさん食べるとおならが臭くなりますし、胃痛や胃腸炎の元になったり消化器の潰瘍・ポリープを引き起こす元になることもあります。
漬物であるキムチが浮腫みや高血圧の原因になることもありますし、カプサイシンの大量摂取は発がん性の可能性があることもわかっています。
味付けが濃いキムチを「カプサイシン効果でダイエット!」なんて言いながらたくさん食べていると思いのほか糖質が高めなので、逆に肥満の元になることもあるのでご注意ください。
アルコールで蕁麻疹が出るという人は、カプサイシンでも蕁麻疹が出る可能性もあるようです。
食べ過ぎによる不調の原因はコレ!
キムチは他の漬物よりも塩分が少ないとは言いますが、それでも食べすぎれば塩分過多になります。
ナトリウム排出の助けになるカリウムが含まれているとはいえ、ナトリウムが過剰になれば血圧が上がるのは当然です。
カプサイシンは交感神経を刺激します。腸の蠕動運動が促進されすぎて下痢をするということになりますし、刺激が強すぎると胃粘膜に直接ダメージを与えることにもなります。
カプサイシンは食べ過ぎると脳細胞にダメージを与えるとも言われています。
健康効果の高い乳酸菌も、過剰になれば酢酸を生成するため腸が動きすぎるという結果を生み出すのです。乳酸菌はピロリ菌も殺すほどの強さがあるという点では納得の結果ですね。
キムチを食べた後は4つの口臭消しで対策しよう
焼肉屋を出るとき、口臭が気になりますよね。焼肉が原因というよりも、一緒に食べたキムチが原因だということをご存知ですか?
口臭消しにリンゴ?
リンゴのポリフェノールは消臭効果がダントツなんです。キムチの後はデザートにリンゴを食べるようにしましょう。
口臭消しの王道は牛乳
キムチを食べると消化されるまでは胃に止まります。これは結構な時間、匂いの元になりますね。
牛乳は胃に膜を作るという話を聞いたことがありませんか?食事中やなるべく食べてすぐに牛乳を飲むと、胃自体に匂いがついてしまうのを防げます。
お茶のフラボノイドで消臭
ウーロン茶も緑茶も「フラボノイド」が含まれます。濃いお茶ほど消臭効果のあるフラボノイドがたっぷりです。
口内洗浄で取り除く
とにかく口の中だけでも爽やかに!というのが手っ取り早い方法ですね。歯磨きで口の中を清潔にしないと、残った食べかすは直接のニオイの原因です。
歯を磨く場所がなければガムを噛むだけでも効果はあります。
口臭だけ?匂いは体内に残っている!
実はこれが大きな問題です。翌日になって自分は気づかなくても他人が気づく匂いがあります。汗やおなら・吐息が臭うのは大問題ですね。
キムチをたくさん食べた日は、半身浴や運動をして代謝アップとデトックスに特化しましょう。
たくさんの汗をかくことでニオイの元を体から出してしまう、デトックスの応用ですね。意外と盲点になっている翌日の口臭、口臭スプレーも必須アイテムですね。
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