くるぶしの痛みが内側や外側に!原因と対処法はこちら!
<監修医師 まっちゃん>
くるぶしとは足首の内側と外側の両側に突起している骨の部分で体を支えてくれている大事な部分。
ですが、ある日突然痛みが現れる事があります。
実はくるぶしの痛みの原因には色々な病気が隠れている場合もあるのです。
そして内側に痛みがある場合、外側に痛みがある場合でも原因は違ってきます。
今回はくるぶしの内側と外側の痛みのそれぞれの原因とともに、それに対する対処法もお伝えさせて頂きたいと思います。
気になる所から確認してみよう
くるぶしの痛みが内側に出る原因
まずはくるぶしの内側の痛みの原因について解説していきます。
よくある捻挫・骨折・偏平足・アキレス腱炎については今回は割愛させて頂きます。
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その他のくるぶしの内側の痛みにはどんな原因があるのでしょうか?
腱鞘炎(けんしょうえん)
腱鞘炎というと腕の腱鞘炎をイメージされる方も多いと思いますが、実は足も腱鞘炎になります。
足の腱鞘炎は内側にだけ痛みがあるのが特徴的です。
足首の内側のくるぶしには骨脛骨筋腱(こつけいこつきんけん)という摩擦を起こしやすい腱があり、
そこに過度な負担が掛かる事で腱鞘炎になってしまいます。
原因としてはご自身の足に合わない靴を履いている事です。
小さい靴を履いていたり、靴紐の締め過ぎ、また高いヒールの靴を履く等、
腱に過度な負担を掛ける事により摩擦部分に痛みが生じてしまうのです。
負担を掛けない事が一番大事な事なので、自分の足に合った靴を履きましょう。
後脛骨筋腱機能不全症(こうけいこつきんけんきのうふぜんしょう)
ふくらはぎにある後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん)の炎症や部分断裂につながる病気です。
転倒やスポーツ等による外的衝撃から損傷する可能性や、腱の過度な使用により損傷する可能性もあります。
女性・40歳以上・肥満・糖尿病・高血圧症の方が掛かりやすい病気ですので注意しましょう。
症状としては、痛みや腫れ、患部の熱や発赤、そして動くとさらに痛みが増してきます。
そして進行するにつれ足が平坦化し、外反偏平足(がいはんへんぺいそく)や外反母趾(がいはんぼし)を引き起こし、
かかとの骨の位置まで変わり足首の骨も変形してきます。
そうすると内側の痛みから内側の後方から下部にかけての痛み、やがて足首や外側に痛みが現れ、ひどくなると腱の修復の手術も必要になります。
体重のかけ方にも問題があると思いますので、日頃から歩く時の姿勢を意識するように心掛けましょう。
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足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)
かかとと足の裏に通っている後脛骨神経(こうけいこつしんけい)が圧迫されるか損傷する事によって、足首、足、つま先に痛みやしびれが生じます。
この後脛骨神経はふくらはぎの後ろに沿い、かかとの近くの足根管(そくこんかん)という繊維の管を通り、足の裏まで繋がっています。
この神経の周囲の組織が炎症を起こす事により、神経が圧迫されて痛みが現れてきます。
この足根管症候群の原因や一因として、心不全や腎不全によるくるぶしの腫れや、
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)、痛風、関節リウマチなどがあげられます。
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症状としては最も多くみられるのが痛みであり、焼けるような、あるいはチクチクとした痛みで、立ったり歩いたりすると痛みが生じます。
くるぶしの内側の痛みがつま先まで広がり、歩くと悪化し、安静にすると軽減しますが、ひどくなると安静時にも痛みが生じてきます。
日常生活に大きな影響を与える場合には手術を行う場合もあります。
高齢者や動脈硬化の進行、静脈の怒張(どちょう)、偏平足の方に起こりやすいと言われていますので、
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普段から生活習慣の見直し等で改善できるものは改善していきましょう。
くるぶしの痛みが内側に出た時の対処法
もちろん上記に上げた病気や痛みがひどくなってしまった場合には、
自分で何とかしようとせずに病院に行き、医師の診断・指示に従ってください。
ここでは普段行える対処法をご紹介します。
RICE療法(ライスりょうほう)
スポーツを行う方は必ず覚えておいた方がいいこの痛みや腫れが起こってから24時間以内に効果的なRICE療法。
R(Rest)は安静、I(Ice)はアイシング、C(Compression)は圧迫・固定、E(Elevation)は挙上。
様々なスポーツの応急処置の基本とも言える治療法です。
まず患部を動かさずに安静にします。次は炎症を抑えたり痛みを取る為に患部を冷やします。
次に内出血や腫れを抑える為にテーピング等で固定します。
あまり締め付けすぎないように注意して隙間なく巻いていきましょう。
最後に内出血や腫れを抑える為に患部をより高い部分に持ってきます。
その後はきちんと安静を保ち、必要に応じて病院に行きましょう。
日頃から気を付けてみましょう
病気を発症する前に日頃から気を付ける事で病気を防ぐ事が可能です。
足も立ち仕事等で過度な負担が掛かる事によってだんだんと疲労が蓄積してきます。
なかなか座る事が難しいお仕事でも、
家に帰ってからストレッチやマッサージをしたり、半身浴をして温めたり、疲れを溜めないように気を付けましょう。
そして毎日履く靴。ご自身に合ったものを履いていますでしょうか?
足に合ったサイズのものを選び、ヒールの高い靴等、足に負担の掛からない靴を選びましょう。
女性の方は外反母趾の方も多いと思いますが、これも靴に原因があったり、歩き方に問題があります。
正しい歩き方を常日頃から意識して歩くようにしましょう。
くるぶしのツボの押し方も参考にしてみて下さいね。
くるぶしの痛みが外側に出た時の原因
続いてくるぶしの外側に痛みが出た時の原因をお伝えしたいと思います。
くるぶしの外側の痛みは靭帯損傷や捻挫といった原因がとても多いです。
靱帯損傷(じんたいそんしょう)
特に足首の外側には太くて短い靭帯が存在し、その靭帯を痛めてしまう事で痛みが生じる事が多いです。
外側が痛む原因となる靭帯についてお話させて頂きたいと思います。
✅足首外側の一番前にある靭帯が前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)
✅外くるぶしの下側やや後ろにある靭帯が踵腓靭帯(しょうひじんたい)
✅足首外側の後方にある靭帯が後距腓靭帯(ごきょひじんたい)
この三つの靭帯を痛めてしまう事で外側が痛む事がとても多いです。
靱帯損傷の程度も三段階に分けられ、
一番重度の場合は歩行困難となり手術も必要になる場合がありますので、必ず医師の診断・指示を受けましょう。
短腓骨筋腱縦断裂(たんひこつきんけんじゅうだんれつ)
足の捻挫は治ったはずなのに、ずっとくるぶしの外側の後ろ辺りに痛みが残っている場合はこの疾患かもしれません。
膝から下に短腓骨筋腱(たんひこつきんけん)と長腓骨筋腱(ちょうひこつきんけん)とがあり、足首を外へ返す働きをしています。
くるぶしの外側の後ろ側にはこの二つの筋が並んでいます。
足首を内側に捻挫した場合、
短腓骨筋腱が長腓骨筋腱と外くるぶしの先端に挟まれて断裂する病気で、それぞれ脱臼を合併してしまう可能性もあります。
どちらも手術が必要となり、その後数週間はギプス固定を行う必要があります。
くるぶしの痛みが外側に出た時の対処法
内側の痛みと同じく応急処置としてはRICE処置を行ってください。
安静にする事と冷やす事が重要となりますので、適切に行ってください。
テーピング
テーピングはケガをした後の再発を予防したり、応急処置、痛みの予防等にとても効果的です。
くるぶしの外側の痛みの原因で多い内反捻挫を予防する為のテーピングの巻き方をご紹介します。
必要な物はテーピングテープと、皮膚を保護する為のアンダーラップです。
テーピングをする前にアンダーラップを巻きましょう。
それではテーピングの方法です。
まず足首を直角に曲げた状態で足首をしっかりと固定していきます。
しわやねじれを作らずに隙間なく巻いていきましょう。
巻き方はソフトとハードで違いますので、ご自身に合ったテープを選んでください。
テーピング、そしてアイシングを行った後には病院に行きましょう。
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たかが捻挫と軽く考える方がとても多いのですが、
実は骨折よりも治るまで時間が掛かったり、時には後遺症が残る事もあるのです。
必ず病院に行き、医師の診断・指示に従ってください。
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