くるぶしの腫れの原因!腫れが引かない時はこうして!
<監修医師 ゆまこ>
くるぶしがいつもと全然違う!となったことありませんか?
突然痛みが走ったり、なんだかよくわからない腫れが出ていたり。
今回は前回ご紹介した捻挫や剥離骨折以外の面でお話していこうと思います。
【前回の記事】
くるぶしの剥離骨折の治療について!手術は必要なの?
くるぶしが腫れる原因
外側が腫れる
外側が腫れる原因としては、滑液包炎(かつえきほうえん)と呼ばれる外科的疾患が当てはまります。
体の組織と組織の間には、滑液包(かつえきほう)と呼ばれるうすい袋があります。
この袋の中には液体(滑液)が入っており、クッションのような役割をもっています。
この滑液包が炎症を起こしたとき、中の液体が大量に分泌され、大きく膨らみます。このとき痛みが出現し、滑液包炎となります。
内側が腫れる
くるぶしの内側が腫れて、突然激痛が走る。
これは内科的な疾患の高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)といい、いわゆる痛風が原因です。
痛風というと、一般的には足の親指から痛みが起きます。疾患としては血中にある尿酸が尿酸ナトリウム結晶となってしまい、手足の関節で強く痛むものです。
外観は患部が赤く腫れて激しい痛みが走ります。
これを痛風発作(つうふうほっさ)といいますが、1~2週間で痛みは治まります。
それからおよそ半年から1年ののちに同じような発作が起こり、普通に歩くことも困難になるほどの激痛を伴います。
滑液包炎(かつえきほうえん)の原因
前文でも記述したとおり、滑液包炎は炎症によって起こります。
そのため、普段しない動作をし続けたり、関節リウマチの方などが起こりやすい疾患となります。
またこの滑液包炎は高尿酸血症を患っている方も発症するため、医師の診断のあるかたは注意しましょう。
高尿酸血症の原因
高尿酸血症は生活習慣病に指定され、主な原因としては腎機能の低下や暴飲暴食、肥満、激しい運動などが挙げられます。
これはビールなどに含まれるプリン体が原因だというのが有名ですよね。
ひと昔前では帝王病ともいわれ、裕福な食生活をしていた人々に多く発症した病気で、ぜいたく病としてとらえられていました。
しかし現代では食生活の差はほぼなくなり、全体的に豊かな生活となってきているため発症する人が増えています。
特徴としては40~50代の男性に多く、肥満や飲酒をよくする人などに現れます。
また、投薬中の方では高圧利尿剤(こうあつりにょうざい)を服用している方で出現します。
高圧利尿剤とは、名前でなんとなく察しがつくかと思いますが
体の余分な水分と塩分を尿として排出するお薬です。主として高血圧の方に処方されていることが多いですね。
高尿酸血症の発症メカニズム
この高尿酸血症は、血中の尿酸値が異常に高くなることからはじまります。
この尿酸とは、体の中にずっとあるもので、体内で生産される量と排出される量のバランスが一定量で保たれています。
大まかには新陳代謝で発生した分(80%)と食べ物から取り込まれたプリン体から生成された分(20%)となります。
プリン体とは遺伝子を構成している物質で、新陳代謝によりプリン体を消費したとき尿酸が生成されます。
蓄積された尿酸は、尿によって余分な水分とともに排出されますが、
アルコールや激しい運動などにより水分の排出が悪くなると、血中の尿酸が高濃度で残ります。
こうなったとき、血液中の尿酸の結晶化が進み、関節にて結晶がたまって痛風を起こすというメカニズムとなっています。
くるぶしが腫れた時の対処法
症状と発症条件の違い
高尿酸血症と滑液包炎では痛みの感じ方が全く違います。
ある程度炎症を抑えればなんとか歩ける滑液包炎に比べ、くるぶしに発症した高尿酸血症はほぼ痛みにより歩くことができません。
また、発症条件としても、運動要因のある滑液包炎に比べ、高尿酸血症を患っている方は運動不足や肥満であることが挙げられます。
なので、まず痛みの度合いと自身の生活習慣はどちら寄りなのかを考えてみるのもいいでしょう。
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くるぶしの腫れがどうしてもひかない時はどうすれば良い?
まずはアイシング
突然の痛みが出た場合、どうすればいいか。
まずは患部を冷やす(アイシングする)ようにしてください。
どちらの疾患でも患部は炎症を起こしており、そのまま放っておくと痛みが増すだけです。
冷やしてまもなく痛みが引いたら、患部を観察してみましょう。
関節のはれや痛み、発赤、熱感などが出現してきます。
その段階で歩けそうであれば滑液包炎を疑いますので、外科の病院へ行きましょう。
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痛風っぽいなと思ったらすぐに病院へ
また、痛風の場合は、風が当たるだけでも傷むと言われているように激痛を伴います。
そのため患部を冷やしても歩くことが困難となります。
その場合は痛みを我慢して、すぐ内科の病院へ行きましょう。
内科では血液検査が実施され、血中の尿酸値を調べられます。このとき痛風であったのかどうかが判明します。
この高尿酸血症は発症までの自覚症状がないため、未然に発症を防ぐことはできません。
定期的な健診や偶然の採血などで発見されることもありますが、そのほとんどが見落とされがちです。
今一度、健康診断の結果に目を通してみてはいかがでしょうか。その少しの発見が、自身のこれからの健康につながるかもしれません。
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