右足のしびれの10個の原因!【この病気に注意して!】
<監修医師 田中 恵文>
なんか最近右足がしびれている、すぐにしびれやすいなんて気がつく事ってありませんか。
じっとしていても、歩いていてもなにかしびれて違和感がある事があります。
このしびれは右足(片側)にあらわれ、ふくらはぎやふともものうらがわ、足の先、足首、足の付け根などであったり、足全体がしびれたりだるい、むくみもあり腰痛も同時にあったりします。そんなしびれについて解説します。
気になる所から確認してみよう
右足のしびれや痛みの原因! 危険な病気に注意!
右足(片側)のしびれや痛み、だるい感じがする等の自覚症状があり、普通の生活に困るほどではないが気になる、そのしびれは何らかの病気のサインかもしれません。
その原因として考えられる病気についての説明をしていきます。
腰痛
腰痛は日常の生活の中で最も多い疾患で、原因として脊椎(腰椎)が原因のものが最も多いです。
腰痛や下半身の痛み、しびれ、筋力低下、歩行障害などが現れます。
脊椎に由来するものも多いですが、神経性の腰痛も最近多いです。運動後の筋肉痛などでも痛みます。
腰椎椎間板ヘルニア
20代~40代の男性に多く発症し、最近では中高年にも広がっています。
下部腰椎の第4~5腰椎(L4~L5)椎間板に多く発症している症例が多いです。
ヘルニアは椎間板の変形が原因ですが、労働、スポーツ、喫煙などの生活環境や遺伝的要因が関連しています。
症状としては、下肢のしびれ、感覚鈍麻(かんかくどんま にぶいかんじがします)、筋力低下などがあります。
発生部位はふくらはぎから臀部(でんぶ おしり)にかけて多いです。
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
加齢によっておきる疾患で、高齢化に伴い患者が増えています。
脊髄の靭帯(黄色靭帯 おうしょくじんたい)や椎間板の変形で脊柱管(せきちゅうかん 神経の通り道)の狭窄(きょうさく せまくなること)で神経が圧迫され発症します。
具体的な症状は、おしりからふとももにかけてしびれや冷え、熱いなどのほてりなどを訴えます。
特徴的な症状として、間欠性跛行(かんけつせいはこう)と言って、連続して歩くことが困難で一定時間休憩しないと歩けない症状が見られます。
坐骨神経痛
加齢により背中やお尻、足の筋肉が衰え、お尻から足にかけて、すねや足先などにもしびれや痛みを生じる疾患です。
椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症を原因として発症します。
外側大腿皮神経障害(がいそくだいたいひしんけいしょうがい)
きついズボンをはいたり、ベルトによって締め付けられたりしてストレスを受けた骨盤の靭帯が外側大腿皮神経を圧迫するとこによって太ももの外側にしびれや感覚がないなどの知覚異常がでます。
足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)
足首のくるぶしの後ろにある神経の通り道、足根管が何らかの原因で圧迫され足、足首、つま先に痛みやしびれを引き起こす病気です。
脊椎分離症(せきついぶんりしょう)
おしりに近い第5腰椎にひびが入ることで、足にしびれが来たり腰痛がしたりします。
スポーツを熱心にしている子供や成長期にスポーツをしていた人に発症しやすい疾患です。
長く立ったり座ったり、また腰をそらしたりしますと痛みがでますし、足にしびれや痛みが生じます。
糖尿病性神経障害
糖尿病で慢性的な高血糖によって末梢神経が障害を受け神経線維がダメージを受け神経障害を発症します。
足などにしびれや、知覚低下、異常な疼痛を感じます。過食やアルコールなどの食生活によって増悪します。
閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
高血圧や、糖尿病、脂質異常症などで主に下肢の大動脈が硬くなり血液の流れが障害されておきる疾患です。
症状としては足の冷えとしびれ、痛みがでて歩行困難になり間欠性跛行もみられ、重症化すると下肢の壊死(足が細胞が死ぬ病気)を起します。
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脳関係の疾患
脳内の血管が血栓によって詰まったり急激な血圧低下で脳内への血流が減少した場合で一時的ですと、片側の手足のしびれ、言葉が言えない、ろれつが回らない、頭痛、感覚がないなどの症状が出る事があります。
脳関連の疾患で足にしびれや痛みが出る疾患を列記します。
1. 一過性脳虚血発作
2. 脳出血 3. 脳腫瘍 4. 脳梗塞 |
などがあります。これらは、一過性のものもありますが重篤でしかも急変する病態もありますので十分注意が必要です。
症状としては似ていますが、足の親指がしびれて痛みがある場合は痛風と考えられます。
右足のしびれは何科を受診すれば良いか
足のしびれの原因疾患としては色々考えられますので、何科を受診すればいいか迷う時があります。
おおむね整形外科、循環器科、内科ですが、疾患別に紹介します。
整形外科など
腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、外側大腿皮神経障害、足根管症候群脊椎分離症など脊椎など骨関係の異常でしびれが出ているようでしたら整形外科を受診します。
外科的な処置や神経ブロックなどの治療を受けられますので当面のしびれや痛みの軽減を図ることができます。しかし、対処療法が主ですので根治するまで改善しません。
循環器科、内科など
閉塞性動脈硬化症、糖尿病性神経障害などは循環器科や血管外科、内科を受診することになります。
そのような疾患のもとには高血圧症や脂質異常症、糖尿病がありますのでその疾患とともに治療する必要があります。
脳神経外科、神経内科など
足のしびれが脳関連の疾患の場合、受診する科は脳神経外科、神経内科と言うことになります。
しかも一刻も早くという時間を争う事がありますので、本人の自覚及び周囲、ご家族の注意も必要です。
たかが足のしびれといって放置するととんでもない病気が隠れていたりして、時によっては生命の危険がある場合もありますので注意して下さい。
病院に行く目安は?
では、どの程度の足のしびれや違和感、痛みで病院にかかれば良いのでしょうか。
危険な状態を示すしびれとはどのようなしびれでしょうか。危険なしびれの徴候を示します。
神経障害のしびれでは、安静時にもおき、血流障害のしびれでは、運動時に起きやすい傾向があります。
ただ、脊柱管狭窄症などの場合、神経障害と言えますが朝の起床時や歩行時にしびれがありますので注意が必要です。また、右足だけとかの片側だけとかも要注意です。
脳関連の疾患ですと、足のしびれなどにともなって手と口が同時にしびれたりする症状がありますので緊急を要する場合です。
病院における処置内容について
病院などではどのような治療をするのか簡単に紹介します。
整形外科などを受診の場合
整形外科などを受診する必要のある足のしびれなどの処置については、
1. X線・CTなどによる画像撮影などでの部位の確認
2. 必要によってけん引、温熱治療、レーザー治療の施行 3. 局所注射による神経ブロック処置 4. シップ剤などによる鎮痛措置 5. 薬剤治療 |
などがあります。
脳外科などを受診する場合
1. MRI・CTなどの画像診断による病変部の確認
2. 血栓溶解剤などによる抗血栓措置 3. 抗浮腫措置 4. 各種手術 |
などがあります。いずれにしても、たかがしびれ、されどしびれです。安易な判断をせず早めの受診をしましょう。
【参考記事】
左手や右手がしびれる10の原因!この病気かもしません
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