つらい痔はヘモナーゼ配合錠で緩和!【副作用や飲み合わせも解説】
<監修薬剤師 サリー>
痔は一旦なると治りにくいことが多く、病院での診察もためらう方が多い事と思います。
そんなつらい痔に昔から使われているヘモナーゼ配合錠というお薬があります。
ヘモナーゼ配合錠は市販薬ではなく、医師に処方してもらう内服薬です。
今回はつらい痔に効果のあるヘモナーゼ配合錠の効能、作用機序、副作用、飲み合わせについて、さらに痔を改善する為の生活習慣の改善方法まで解説いたします。
気になる所から確認してみよう
ヘモナーゼ配合錠は痔のお薬です
ヘモナーゼ配合錠は、痔疾患治療薬という分類のお薬です。痔核による痛みやカユミ、出血を改善します。
また肛門部周辺の血流を改善する働きを持ち、痔による腫れも緩和します。
痔疾患を改善させ、炎症を抑える効果や血流を良くする効果等により、痔の症状を緩和します。
個人差はありますが、副作用の発症率は少ない安全性の高いお薬です。
ヘモナーゼ配合錠はこう作用する
ヘモナーゼ配合錠は、2種類の有効成分が配合されている内服薬です。
1つめは、痔による腫れを和らげる消炎酵素薬のブロメラインという成分です。
ブロメラインは炎症を抑える効果があり、痔の炎症を抑え、症状の緩和をはかります。
また痔の状態によって血栓ができている場合がありますが、その際にもブロメラインは血栓の中のフィブリンという蛋白質も溶かす作用があります。
2つめは、トコフェロール酢酸エステルというビタミンEの成分です。血流を良くする事でうっ血状態の改善をする作用があります。
この2種類の有効成分が作用する事により、相乗効果が発揮されます。
またヘモナーゼ配合錠は、ステロイドを含有しておらず、安全性の高いお薬です。
ヘモナーゼ配合錠が効果を発揮する病状はコレ
ヘモナーゼ配合錠は、痔核や裂肛の症状である、出血・疼痛・腫脹・痒感の緩解に効果があります。
また肛門部手術創にも使用されており、肛門部周辺の炎症性疾患に用いられます。
痔になった時には、肛門部周辺に炎症が起きています。そして痔の炎症により、痛み、発赤、熱感、腫れ等の症状が現れます。
ブロメラインは消炎作用をもっている為、炎症やこれらの症状を和らげる効果があります。
またブロメラインには血栓を溶かす、血栓溶解作用があります。
痔の状態によっては、肛門部に血栓ができてしまう場合があります。
ブロメラインは蛋白質溶解作用をもつ為、血栓に含まれる蛋白質を溶かす作用があります。
また褥瘡等により、皮膚が壊死状態となってしまった組織を除去し、傷が治るのを早める効果もあります。
そしてトコフェロール酢酸エステル、ビタミンEは血流促進の働きをもちます。
血液中には傷を自然治癒する為の成分が多く含まれており、トコフェロール酢酸エステルの血流促進作用により自然治癒力を高め、傷の治りや痔疾患の改善をはかります。
ヘモナーゼ配合錠はワルファリンとの飲み合わせに注意
ヘモナーゼ配合錠は、副作用の発症率も低く、安全性の高いお薬です。
ただ血栓症等で、ワルファリンという血液の凝固を阻止する為の治療薬を服用している場合には、ヘモナーゼ配合錠との併用に注意が必要です。
ヘモナーゼ配合錠は、ブロメラインによる蛋白質溶解作用、トコフェロール酢酸エステルによる血流促進をする働きがあります。
ですので、出血傾向の高い方や、ワルファリン等の血液を固まりにくくするお薬を服用されている方は主治医とよくご相談ください。
発症率は低いが副作用もチェック
ここまでヘモナーゼ配合錠の効能や作用機序について解説してきました。
比較的安全性も高く、副作用の発症率も低いヘモナーゼ配合錠ですが、もちろん副作用にも個人差があります。
そこでここではヘモナーゼ配合錠の副作用について、解説いたします。
吐き気・食欲不振・下痢・便秘・嘔吐・胃部不快感
吐き気・食欲不振・下痢・便秘・嘔吐・胃部不快感等の胃腸の症状が現れる事があります。
いずれの症状も服用を中止する事で改善します。辛い場合や心配な場合は主治医にご相談ください。
発疹・発赤
発疹・発赤等、ヘモナーゼ配合錠を服用した事によるお薬のアレルギー症状が現れる場合があります。
これらの症状が現れた場合にはすぐに病院を受診してください。
痔の治療には生活習慣の改善が一番大切
最後に痔の治療の際に大切な生活習慣の改善についてです。つらい痔を繰り返さない為には、生活習慣の改善が一番大切になります。
日頃の生活習慣の見直しや食生活の見直し等を行い、痔にならないようにしましょう。
座る時間を減らす
高齢者や仕事上、座りっぱなしの方は座る時間を減らしましょう。
長時間同じ姿勢を続ける事で、肛門部の筋肉が緊張しっぱなしの状態になり、血流が悪くなってしまいます。
ドライバー等のお仕事をされている方は、お仕事上なかなか難しいかもしれませんが、適度な休憩を入れて意識的に少し運動を取り入れるようにしましょう。
食事バランスを整える
食事バランスを整える事はとても大切な事です。痔になる主な原因に便秘と下痢があり、これらは食生活との関係が非常に大きいです。
便秘や下痢を解消する事、また予防する事で、痔の改善・予防になります。
ポイントとして食生活の内容、また食事の回数を1日3回しっかり食べる事が大切です。
ダイエットをしている女性には朝食を抜いたり、無理な食事制限をしたりしている方もあると思います。
しかし、朝食後は最も腸が動きやすく、便意が起きやすい時間帯である為、朝食をきちんと摂る事が重要です。
朝食をきちんと摂るだけで、便秘の予防・改善につながります。
また水分が足りない場合には、便が硬くなり、排便時に肛門部に傷をつけてしまいます。
水分補給をしっかり行う事も、便秘の予防・改善になりますので、こまめな水分補給を行うようにしましょう。
また、食事内容に関しても注意が必要です。最近では食生活の欧米化が問題視されており、偏った食事や野菜不足等の方が多い傾向です。
特に食物繊維が不足する事で、腸内環境の悪化、便秘を引き起こしやすくなります。
食物繊維が豊富に含まれている野菜や海藻類、きのこ類、豆類等の食べ物を積極的に摂るようにしましょう。
規則正しく、バランスの良い食生活を心掛けましょう。
飲酒を控える
お酒の飲み過ぎは、下痢や肛門部のうっ血状態を引き起こしやすくなり、痔の悪化へとつながりえます。
アルコールは控えるようにしましょう。
喫煙を控える
また喫煙も痔に悪い影響を及ぼします。たばこには血管を収縮させるニコチンや一酸化炭素が含まれています。
血管が収縮する事により、肛門周辺の血流が悪くなり、うっ血状態を引き起こします。
痔の悪化につながりえますので、たばこは控えましょう。
睡眠をしっかりとる
一見関係のないように思える睡眠ですが、実は痔には睡眠も大きく関係しています。
睡眠をきちんととれていない場合には、免疫力が低下します。そして免疫力が低下する事により、病気と闘う力や自然治癒力が低下します。
痔の場合には、雑菌に対する免疫力の低下によってなりやすく、また治りも悪くなってしまいます。
睡眠時間を十分にとって、痔の予防・改善を心掛けましょう。
刺激物の摂取を控える
香辛料が多く含まれた食事等を摂る事によって、下痢を起こしやすくなります。
また排便時にも肛門部を刺激してしまい、悪化につながります。刺激物の摂取は控えるようにしましょう。
正しい排便習慣を身につける
便秘で長くトイレに座って無理にいきむ事で痔を発症したり、悪化したりします。
また、水分が不足していたり、便意を我慢したりすると便が硬くなってしまい、結果として便秘になったり、硬い便で排便時に肛門部に傷をつけてしまいます。
便秘にならないように食生活の改善や規則正しい生活リズムを心掛けましょう。
また排便後はウォシュレットを使用する等、肛門部を清潔に保つようにしましょう。
ストレスを溜めないようにする
ストレス社会と言われる程、ストレスを抱えている方の多い現代社会。ストレスを溜める事で身体にも様々な悪影響を及ぼします。
またストレスが溜まる事で免疫力の低下を招き、便秘や下痢等を引き起こします。
便秘や下痢によって、痔の発症や悪化へとつながりますので、ストレスは溜めないように自己管理しましょう。
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