アデノウイルスの下痢はいつまで?潜伏期間や検査方法を解説!
<監修医師 吉野 聖奈>
アデノウイルスは子どもが感染する事が多いウイルスです。かかったウイルスの種類によって、その症状は様々ですが中には胃腸炎のような腹痛、吐き気、下痢などの症状を引き起こす事もあります。
今回はアデノウイルスに感染した場合には潜伏期間や胃腸炎の下痢などの症状はいつまで続くのか?ということについてお話しします。
気になる所から確認してみよう
アデノウイルスの潜伏期間!下痢はいつまで続く?
アデノウイルスによる胃腸炎の下痢などの症状はアデノウイルス40型、41型というウイルスの種類で発症します。
感染してからの潜伏期間が3~10日程あり、感染しても無症状の場合もあります。
乳児などの感染の場合には重篤化する事もありますので注意が必要です。下痢の続く期間は約1週間程度です。同時に発熱や嘔吐の症状が見られる事もあります。
アデノウイルスの検査方法
アデノウイルスという診断を受ける際には二つの方法があります。
鼻の粘膜をぬぐう方法
インフルエンザの検査の様に鼻の中に綿棒を入れて、粘膜を摂取して検査する方法です。
涙からの検査方法
アデノウイルスによる結膜炎の症状が出た場合には、涙を採取して検査します。
二つの方法は約15分程度で診断が出ますが、初期の段階だとウイルスが反応しない場合もありますので、症状が続く場合には半日空けて再度検査する事もあります。
子どもがかかった場合には検査するのも大変ですが、注意したいのはアデノウイルスは最近では大人も感染する事があります。
大人の感染の場合には結膜炎、喉の痛み、高熱の症状が主になります。
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子供だけの病気と思わずに、大人も身近に感染者がいる場合には注意が必要です。
アデノウイルスの治療方法
高熱や様々な身体症状の出るアデノウイルスですが、治療の際にはどのような方法があるのでしょうか?
アデノウイルスに対する薬
実はアデノウイルスに直接効く抗ウイルス薬などのお薬はありません。
一番は「休息」を取るということ、そしてウイルスを他の人に感染させないようにする為に良く手を洗う、アルコール消毒をするなどの予防を怠らない事が大切です。
対処療法について
ウイルスに直接効く薬はありませんが、アデノウイルスに感染した際の高熱や結膜炎の症状、腹痛などの身体症状をそのままにしておくのは辛いですよね。
その際には対処法として「対処療法」といって、その症状に対してのお薬や治療法を検討します。
例えば発熱に関しては解熱剤を服用したり、結膜炎の症状に関しては点眼液の処方、喉の痛みには鎮痛剤の服用やトローチをなめるといった症状に合った治療を行います。
そして発熱の際には脱水症状を避ける為に水分を良く摂るようにしましょう。
アデノウイルスの治療に関しては潜伏期間から発症までを含めて2週間程度の割と長い時間を要します。
子どもが感染した場合には治療期間が長丁場になる可能性もありますが、その間に看病する大人も感染しないように気を付ける事が大切です。
また症状が治まって2週間程度経過しても、アデノウイルスに感染していた人の便の中には比較的の感染力の高いウイルスが一か月程度混じっている事がほとんどですので、油断は禁物です。
アデノウイルスの出席停止期間について
アデノウイルスに感染した場合に感染症になりますので、子どもの保育園や幼稚園への登園はどのようにしたら良いのか、子どもを持つお母さんは気になるところですね。
アデノウイルスに感染した場合には潜伏期間が3~10日と長めになりますので、医師から診断を受けたら速やかに保育園や幼稚園には報告し、二次感染を防ぐ必要があります。
ちなみに文部科学省の定めている学校伝染病に「咽頭結膜熱(プール熱)」は記載があり、伝染病に指定されています。
感染した場合には主要な症状(発熱、喉の痛みなど)が治まった後2日間は登園・登校が禁止されています。
また子どもが感染した後は一か月程度はプールへの参加は二次感染の恐れがある為出来ませんので、夏場のプールやスイミングスクールへ通っているお子さんは気を付けるようにしましょう。
また大人がアデノウイルスに感染した場合ですが、仕事を「休まなければならない」というはっきりとした規定はないと考えられますが、あくまでも感染症です。
感染した場合には速やかに職場に報告し、仕事への出勤は二次感染を防ぐ意味でも控えた方が良いです。
まとめ
アデノウイルスは子どもも大人も感染する可能性があり、治らない事はありませんが、ウイルスがいる間にはぶり返す可能性も高い感染症です。
またプール熱という程ですので、夏にかかる病気と思われがちですが、近年フィットネスジムなどの温水プールの普及により、冬でも感染する可能性のある病気です。
発症した際の症状が重篤な場合には入院治療が必要になる事もありますので、一番は感染しないように普段から手洗いなどでしっかりと予防する事、感染した場合には二次感染させない事が大切になります。
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