イサロン錠100mgの効果効能 !【この副作用に注意しよう】
<監修薬剤師 cinnamon>
イサロン錠はアルジオキサを有効成分として、荒れた胃や十二指腸の粘膜を保護、修復する働きがある薬です。医療用医薬品で、あすか製薬が製造、武田薬品工業が販売するジェネリック医薬品です。
処方薬なのでドラッグストアなどで見かける機会はありません。
病院などで、慢性胃炎や胃潰瘍の治療に単独で使われたり、鎮痛剤などの作用が強い薬から胃腸を保護するため、補助的に出されることもあります。錠剤のほか顆粒の25%、50%もあります。
ヨーロッパで傷や潰瘍の治療に使われていた、ヒレハリ草という植物の成分がアラントインです。これとアルミニウムが結合したものが有効成分アルジオキサです。
消化管内部の修復、粘膜の保護・強化、胃酸の抑制など、主に防御作用を発揮する薬です。薬としての特性から、消化性潰瘍用剤、胃・十二指腸に対する防御因子増強薬などと呼ばれることもあります。
イサロン錠100mgの効果効能
粘膜を修復する
胃、十二指腸潰瘍は粘膜に対する攻撃と防御のバランスが崩れることで起こります。
胃酸、ペプシン(消化液)、ピロリ菌、タバコなどの攻撃に粘膜の防御作用が耐え切れず、損傷を受けて胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍ができてしまいます。
イサロンの成分アルジオキサは、粘膜修復作用のあるアラントインと収斂(しゅうれん=引き締める)作用のあるアルミニウムを結合させたものです。
アルジオキサは胃炎や胃・十二指腸潰瘍の病変部に直接働きかけます。正常な肉芽組織を増やし、粘膜上皮を再生、粘膜内の微小血管を新生するのを促します。
そして制酸作用を働かせ、胃・十二指腸の破壊された組織を修復します。
胃痛を感じた場合の原因についてはこちらをみて参考にして下さい。
【関連記事】
急な胃痛の5つの原因!この対処法を試してみて!
粘膜を保護する
イサロンの有効成分アルジオキサは、体内で合成されるプロスタグランジンの生成量を増やします。プロスタグランジンは胃粘膜の血流を良くします。それによって胃壁から分泌される粘液を増やして粘膜を保護します。
粘膜を攻撃する因子である胃酸やペプシン、ピロリ菌などが胃や十二指腸の粘膜を損傷するのを抑えるという、防御側の因子を強化する働きがあります。
胃酸・ペプシンの分泌を抑える
胃酸やペプシンの分泌を抑えるのは、これもイサロンによって増やされるプロスタグランジンの作用です。
ピロリ菌やタバコなど外的要因で傷ついた粘膜は、自ら分泌した胃酸、ペプシンなどの消化液によって自己消化され、さらに損傷が激しくなります。
胃酸やペプシンの分泌が抑えられると、新しく損傷が増えて潰瘍化することが防げます。すでにただれたり潰瘍化した部分が治るのも促され、胃・十二指腸潰瘍や胃炎の症状を改善します。
イサロン錠100mgの副作用
一般的な副作用
医薬品としては副作用は少ない方と言えます。特に重大な副作用などはありません。薬剤に対するごく一般的な可能性がある症状として、発疹、喉の渇き、吐き気、嘔吐、胃の不快感などがあります。
便秘
まれに起こる副作用としては便秘があります。しかしひどい症状ではなく、便秘がちになるといった程度で治まることが多いようです。
起こる頻度は、調査した3,120例の使用実績で5例(0.16%)という低い水準でした。なお、起こった副作用はこの便秘5例だけでした。
使用するときの注意点
✅ 腎臓に障害がある人…長期に使うとアルミニウム脳症、アルミニウム骨症が起こることがあります。定期的に血液検査をしながら使用してください。
※腎障害で透析療法を受けている人には使ってはいけません。他のアルミニウム含有製剤の例でアルミニウム脳症、アルミニウム骨症が起こったとの報告があります。
人工透析についてはこちらを見て参考にして下さい。
【関連記事】
人工透析の4つの原因!【食事療法はココを注意して】
✅ 高齢者…生理機能が低下しているので、代謝が遅く副作用や体調不良が起こりやすくなっています。体調に注意しながら慎重に使用します。
✅ 妊娠中、授乳中の人…妊娠中の人に対する安全性は確認されていません。また母乳への成分の移行も未確認です。妊娠中、授乳中の人が使う場合は必ず医師に相談してください。
✅ アレルギーの経験がある人…以前に何かの薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある人は、必ず医師、薬剤師に相談してください。
イサロン錠100mgの飲み合わせ
テトラサイクリン系抗生物質
イサロンと一緒に飲むと、成分が結合して抗生物質の吸収を妨げます。同時に飲むのは避けて、飲み方に付いては医師・薬剤師に相談してください。飲む間隔を空ければ使えることもあります。
この系統の抗生物質にはテトラサイクリン、ドキシサイクリン塩酸塩水和物などで、商品名ではミノマイシン、アクロマイシン、ビブラマイシンなどがあります。
【関連記事】
ミノマイシン50がめまいを引き起こす【効果や副作用を詳しく解説】
ニューキノロン系抗菌剤
この抗菌剤もテトラサイクリンと同様抗菌剤の吸収が悪くなります。
塩酸シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン等の成分名で、商品名では性病・細菌感染症薬のレボタス、オフロックス、オフロシイ、レボマックなど多数あります。
まとめ
イサロンは処方薬であるがために、また胃を荒らす薬のカバー薬としてサブ的に使われるために、一般人にはあまりなじみのない薬です。でも、気づかないだけで、医院から処方された薬袋の中に入っているかもしれません。
また成分の一部として、制酸薬や総合胃腸薬にもよく使われています。効き目が穏やかで副作用の心配もなく使いやすいので、案外幅広く活躍しています。
今度イサロンに出会うことがあれば、この記事を思い出して、しっかりした効果をたしかめてください。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。