ウイルス性イボが出来る5つの原因【治療法も徹底解説します】
<監修医師 WASHIO>
ウイルス性なんて聞くと、なんだか怖い病気に思えてしまいますが、これはいわゆる普通のイボのこと。治りづらく、お悩みの方も多いイボですが、あれはウイルス感染によるものだったのですね。
どうしてウイルスに感染してしまうのでしょうか。今日は、ウイルス性イボの原因や、気になる治療法について解説していきたいと思います。
ウイルス性イボとは?
ウイルス性イボは、正式には「尋常性疣贅(ゆうぜい)」または「ウイルス性疣贅」と呼ばれます。
このウイルス性イボとは、私たちが普段「イボ」と呼ぶもののこと。ヒトパピローマウイルスというウイルスに感染することが原因です。
ちなみに、ミズイボは同じくウイルス感染によるものですが、原因が違うため、全くの別物と思ってください。
ミズイボの原因となるのは、伝染性軟属腫ウイルスというもの。これは毛に感染するものなので、一般的なイボのように手や足の裏に出来ることはほとんどありません。
水いぼについてくわしくはこちらを参考にして下さい。
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イボは皮膚のできもの。皮膚から少し盛り上がっており、特に子供の手や足に出来やすくなっています。もちろん、大人でも出来ますし、加齢が原因の老人性イボの場合は、手足だけでなく全身どこにでもできます。
イボ自体には痛みなどの症状がないことが多く、自分で治すことも可能だと思われがちですが、中にはイボではなく悪性腫瘍だったというケースもあるため、甘く見ることはできません。
ウイルス性イボが出来る原因
ヒトパピローマウイルス
ウイルス性イボの原因となるのは、ヒトパピローマウイルス。このウイルスは100種類以上あり、感染した型によって、発症する病気が変わってきます。
有名なものだと、子宮頸がんの原因になることがある16型や18型。ウイルス性イボの場合は、この型とは違ったものに感染することによるものなので、感染したからと言って、がんに進行するということはありません。
感染経路
原因がウイルスのため、どこからか体内に侵入する必要がありますよね。
私たちの皮膚は、表皮、真皮、皮下組織など、何層もの構造で出来ています。それに身体が持つ免疫力も加えることで、外部刺激や細菌などから守っています。
しかし、この皮膚に傷が付いたり、体調不良などにより免疫力が低下したりすると、ウイルスの皮膚内への侵入を許してしまいます。皮膚内に侵入したウイルスは、基底細胞という部分に感染して、潜伏期間1~6か月を経てイボとして表面に出てくるのです。
これは皮膚だけでなく、粘膜でも全く同じことが言えます。
イボが出来る5つの原因
ウイルス性イボは、さらに5種類に分けることができ、それぞれ原因というものがあります。
✅ 尋常性疣贅:子供の手足に出来るイボ。皮膚の傷からウイルスが侵入することによるもので、アトピー性皮膚炎でひっかきがちな子供は特に注意が必要です。
✅ 扁平疣贅:若い人の顔や腕、手の甲に出来るイボ。髭剃りやスクラブ石鹸による過度な皮膚刺激が原因です。
✅ 爪周囲疣贅:爪の周りにカリフラワー状のイボが出来ます。爪を噛む癖のある人は要注意。
✅ 糸状疣贅:首や瞼、唇などに細長いイボが出来ます。首に出来る場合、ネックレスや襟による摩擦刺激が原因です。
✅ 尖圭コンジローマ:性器に出来るイボ。性交渉による外陰部の傷が原因です。
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ウイルス性イボの治療法
まずは皮膚科へ
イボの薬は市販でも色々あるため、酷くなければ自宅で治せる気もしますが、再発させないためには正しい治療が必要。必ず一度は皮膚科を受診するようにしてください。
ただのイボと思っていても、実は他の皮膚病が隠れているという可能性も考えられます。
原因ウイルスは、皮膚の奥にまで入り込んでいます。治療では表皮の下、真皮まで取り除く必要があるのですが、素人が無理に削ったりすると、その下の血管を傷つけて出血を起こしてしまうこともあります。また、きちんと真皮まで取り除けていなくて再発を繰り返すということも。
皮膚科では、視診でイボの診断をすることが多くなっていますが、もし他の病気が疑われる場合は、生体検査で細胞を調べることもあります。
治療法
もっともオーソドックスなのは、液体窒素を使うもの。冷凍凝固療法というもので、-196度にもなる液体窒素を綿棒などに付け、患部に押し当てます。
超低温により一気に凍らせることで、ウイルス組織を壊死させることができるほか、患部に炎症を起こさせることで、ウイルスにダメージを与えることも期待できます。
通常は3回ほど通って治療することで完治が望めますが、皮膚の厚いところだと10回以上の施術が必要になる場合もあります。
また、レーザーや電流を流すことによる、電気焼灼法というものもあります。こちらは1回で完治することもありますが、強い痛みや、傷が残るといったデメリットも考慮しなくてはいけません。
ほかには、抗がん剤を局所注射するというものも。抗がん剤の作用で、ウイルスの増殖を止める効果が期待できるそう。症状が酷い時には、外科手術でイボを切除するという処置を取ることもあります。
貼り薬では、スピール膏というものの使用が一般的。
これはサリチル酸という、角質を柔らかくする成分を含んだ貼り薬を患部に貼るもの。5日ほどすると白くふやけてくるため、病院で削り取る処置を行います。
飲み薬では、ヨクイニンという内服薬を使用します。漢方のハトムギエキスを配合したもので、免疫力を上げることでイボを落としていきます。
このように、イボの治療法にはたくさんの種類があります。病院でよく相談して、メリット・デメリットを理解した上で、自分の症状に合ったものを選ぶようにしましょう。
自宅で治療はできるの?
基本的には病院で、再発を防ぐためにもイボの根元まで取り除く治療を受けることが必要です。しかし、皮膚科を受診し、医師と相談した上でなら市販薬を使用して治療することも良いでしょう。
自宅での治療で使用するものにも様々な選択肢があります。有名なものだと、イボコロリがありますね。これはスピール膏と同じ、サリチル酸を配合しているもので、イボの下の皮膚の再生を早めることでイボをコロリと落とします。
よく効果があると言われているものには、イソジン軟膏があります。うがい薬でお馴染みのイソジンを軟膏にしたもので、毎日塗っただけで完治したという意見もあります。
木酢液は、木炭を作る時に出来る液で、アルコールを含むため殺菌力が期待できます。しかし、原料となる木材によっては発がん性物質が混ざっていることもあるため、成分にはよく注意する必要があります。
病院で使っているスピール膏は市販薬でもあるので探してみてください。
ウイルス性イボを予防しよう
イボはなかなか治らないし、治療は意外と大掛かり。イボが出来ないよう、予防するに越したことはありません。
原因がウイルス感染なので、まずは感染を防ぎましょう。感染が考えられる一番の原因は、お風呂などでのタオルやマットの共有です。
ウイルスの侵入を許してしまうような皮膚環境を作らないことも大切。傷はつくらないように、手荒れや乾燥でも肌バリアは弱まってしまうので、保湿などのケアは重要です。
また、肌のターンオーバーにも注意したいですね。肌の生まれ変わる周期は28日。しかし、不規則な生活を続けていると、その周期が乱れてしまい、肌が弱ってしまいます。
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食生活を整えたり、睡眠時間を十分に確保したり、ストレスを溜めないなど。どの病気予防にも共通することですが、生活習慣の改善が一番重要になってくると言えるでしょう。
睡眠は質も重要です。くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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