顔に湿疹が出る5つの原因!【この病気に注意して!】
<監修医師 Dr.masa>
「最近、顔の湿疹が酷くてメイクができない」「かゆみが我慢できなくて、つい掻き毟ってしまう」
そんな原因不明の湿疹の症状にお悩みの方はいらっしゃいませんか?
皮膚科にかかるのが面倒だとか、少しだけ様子を見てみようなどの理由で処置を先延ばしにしてしまうと治るものも治らないばかりか、症状をさらに悪化させてしまいます。
まずは湿疹の種類と原因を知ることが、適切な治療への第一歩です。
気になる所から確認してみよう
顔に湿疹が出る原因
顔に湿疹ができる原因としては大きく分けて「外的環境」と「内的環境」の2つが挙げられます。
外的環境
皮膚表面に接触する刺激物や体外からの刺激のことです。
刺激物の具体的な例としては貴金属、漆や銀杏などの植物、化粧品や石鹸や目薬などに含まれる化学物質、汗や紫外線などが挙げられます。
体外からの刺激としては皮膚を引っ掻く、衣類などによる摩擦や締め付けが挙げられます。
内的環境
身体の内部の要因のことです。
具体的な例としてはアレルギー体質やストレス、免疫機能の低下や自律神経の乱れなどがあげられます。
自律神経についてはこちらを見て参考にして下さい。
【関連記事】
自律神経失調症の症状チェック!5つの原因も解説!
また顔の中でもある特定の部位にだけ湿疹ができるのは内臓や精神の不調のサインなので下記の部位を参考に注意してください。
✅ 生え際…肝臓の不調
✅ 眉間…心の不調
✅ 頬や鼻周り…肺の不調
✅ 口周り…脾臓の不調
✅ あごや首…腎臓の不調
この病気に注意して!
接触性皮膚炎
原因物質が直接皮膚に触れることによって起こる皮膚炎で、一般的には「かぶれ」とも呼ばれます。
主な症状としては原因物質が触れた部分に紅斑(こうはん:赤いぶつぶつ)や水疱(すいほう:いわゆる水ぶくれ)を生じ、かゆみや痛みをともなう場合もあります。
接触性皮膚炎はさらに「一次刺激性」と「二次刺激性(アレルギー性)」に分類することができます。
一次刺激性接触性皮膚炎とは洗剤やパーマ液など原因物質自体に強い刺激性がある場合に起こる皮膚炎で誰にでも起こる可能性があります。
一方、二次接触性(アレルギー性)接触性皮膚炎とは金属や化粧品など、特定の物質に対して個人の持つ体質(アレルギー)によって起こる皮膚炎のことで、同じ物質をつけても「かゆい」と感じる人とかゆくないという人が存在します。
両者を見分ける簡単な方法としては原因物質を取り除いた際、一次刺激性であれば症状は一過性で比較的早く治りますが、二次刺激性の場合は比較的長く症状が残るなどの違いがあります。
脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌が多い頭皮や顔(特に鼻の周辺など)に起こりやすく、生後3ヶ月までの赤ちゃんと思春期以降の成人に見られることが多い皮膚炎です。
主な症状はかゆみや赤みでニキビと間違えられることが多いです。また皮膚がカサついて剥がれてくることもあり放っておくと皮脂が酸化して加齢臭のようなニオイを放つようにもなります。
原因は赤ちゃんと成人で異なり、赤ちゃんの場合は皮脂の分泌が盛んなことと毛穴が未発達なため、皮脂が毛穴に詰まりやすいことが挙げられます。
一方成人の場合はいくつかの原因が挙げられますが、主なのはマラセチアという真菌(カビ)の異常増殖によるものです。
マラセチア自体は普段からヒトの皮膚に存在する常在菌ですが、皮脂や汗の多い環境を好むため、皮脂の過剰分泌によって異常増殖すると、その代謝物が肌に炎症を引き起こすのではないかと考えられています。
その他にもストレスやビタミンBの不足。洗顔時のすすぎ不足や洗顔のやり過ぎなども原因とされています。
アトピー性皮膚炎
寛解(かんかい:症状が良くなること)と増悪(ぞうあく:症状が悪化すること)を繰り返す、かゆみのある湿疹を特徴とする皮膚炎です。
かつては乳幼児を中心とする子供特有の病気とされていましたが、実際には成人しても治らない場合や一度治っても成人後に再発するケースもあります。
原因としてはアトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)や皮膚のバリア機能低下などの体質的要因とダニやほこりなどのアレルギー原因物質や薬剤や摩擦などの刺激という環境要因が重なって起こる「多因子性」が挙げられます。
通常、ヒトの皮膚は表面の皮脂膜や角質細胞間脂質がバリアのように外部からの物質の侵入や水分の蒸発による皮膚の乾燥を防いでいますが、アトピー性皮膚炎の患者はこのバリア機能が低下しているため、
外からの物質が皮膚の中まで入り込みやすい状態になっています。
そのためちょっとした刺激でも用意に炎症が起こりやすく、またかゆいからと皮膚を掻くことで表皮が剥がれ、よりバリア機能が低下する結果となり症状が長期的かつ悪化しやすい要因となっています。
アトピー性皮膚炎についてはこちらも参考にして下さい。
【関連記事】
アトピー性皮膚炎はうつるの?【出てくる汁が心配…】
顔の湿疹の治療法
湿疹に気がついたら早めに皮膚科の病院を受診し、原因の特定と適切な治療を受けることが大事です。病院での治療は主に炎症を止めるためのステロイド剤や抗生物質、かゆみを止める抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を用います。
金属アレルギーについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
【関連記事】
金属アレルギーの市販薬一覧【このステロイド軟膏がおすすめ】
また自宅でできるヘルスケアとしては生活習慣の改善が挙げられます。
具体的には「脂肪の多い食事を避ける」「ビタミンB郡やビタミンCを積極的に摂る」「紫外線を避ける」などで、これらは皮脂の過剰な分泌を防ぐ効果があり、湿疹予防の観点からもおすすめです。
最近では資生堂からノンステロイドの顔湿疹用治療薬「イハダ」も市販されていて、肌に染みない優しい使い心地で自宅でも簡単に顔湿疹のケアができると評判です。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。