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パルデス軟膏の強さ【顔や陰部には使用できるの?】

<監修薬剤師 BlueP>
軟膏

パルデス軟膏というお薬を知っていますか?皮膚科で処方される外用薬ですが、ピンと来ない人もいますよね。では、ステロイドなら聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

パルデス軟膏はステロイドの一種なんです。ステロイドというと副作用のリスクが言われているお薬で、服用の際は少し心配ですよね。しかし、ステロイドにもいろんな種類があり、強さによって対象や用途が使い分けられているってご存知でしたか?

 

今回は、パルデス軟膏の強さについてまとめたいと思います。顔や陰部には使用できるのか、赤ちゃんにも使えるのか等も解説します。

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パルデス軟膏の作用

 

パルデス軟膏とはステロイドの一つ

パルデス軟膏は、白色〜微黄色をした半透明の油性軟膏で、強い抗炎症作用のあるステロイド剤に分類される外用薬です。ちなみに、キンダベート軟膏という先発品のジェネリック医薬品で、クロベタゾン酪酸エステルという成分のステロイドです。

 

ステロイドとは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、それを科学的に合成したものが合成副腎皮質ホルモン、つまりステロイドというわけです

皮膚の患部に直接塗り込み、角質層から浸透して炎症を抑える効果を発揮します。

キンダベート軟膏についてはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
キンダベート軟膏は陰部のかゆみにも使える?

 

パルデス軟膏の作用

炎症を起こすタンパク質の産生を抑えつつ、炎症を抑えるタンパク質を産生する働きがあります。つまり、抗炎症作用や抗アレルギー作用により皮膚炎症の症状を緩和することができます

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こんな症状にパルデス軟膏が効果的

 

アトピー性皮膚炎が代表的

パルデス軟膏の効能で代表的なのが、アトピー性皮膚炎です。

 

これは、皮膚疾患の中でも原因が特定しにくい疾患ですが、免疫システムの誤作動による皮膚炎ということは分かっており、免疫システムを抑えるステロイドで対処的に症状を緩和することが可能です。

 

しかし、アトピー性皮膚炎の人の肌はデリケートで、効き目も個人差があることから、薬の調整が大変難しいのです。アトピー性皮膚炎を引き起こしている環境や食習慣などの体質改善とともに治療を進めていかなくてはなりませんが、堪え難い痒さや乾燥などを改善してくれる効果のある軟膏はとても重要です。

アトピー性皮膚炎についてはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
アトピー性皮膚炎はうつるの?【出てくる汁が心配…】

 

赤ちゃんや子どもにも処方できる軟膏

パルデス軟膏は赤ちゃんや子どもに多くみられる乳幼児湿疹の処方薬としても知られています。

乳幼児湿疹は、炎症をそのままにしておくとアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などのアレルギー疾患を引き起こすことが近年わかってきました。そのため、痒みを伴う赤い湿疹でパルデス軟膏が処方された場合は、ステロイドだからと怖がらずにしっかり治しましょう

 

顔や陰部の皮膚炎への使用は慎重に

その他、全身にできた虫刺されやかぶれ、あせも、しもやけ、にきび、乾燥による炎症などにも使えますし、火傷への即効性が期待できるとされています。

また、顔面、頸部、腋窩など皮膚の薄い患部や、陰部などのデリケートゾーンの湿疹・皮膚炎にも使える薬です。

 

顔や陰部は皮膚が薄くステロイドの効果が効き過ぎてしまう可能性があるため、症状に応じて慎重に処方されます。

例えば、炎症や赤み、痒みが強く、日常生活に支障をきたしている場合や、非ステロイド系の外用薬では改善しない場合、他の皮膚疾患と併発している場合などです。

パルデス軟膏を処方された場合は、その効き目がどうか経過観察をすることが重要です

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パルデス軟膏の強さ!顔や陰部への使用は平気なのか

 

パルデス軟膏は弱めのステロイド

ステロイド外用剤は、体内への吸収率の違いによって5段階に分けられています。Ⅰ群は最も強く、皮膚の厚みのある部分に限定して処方されることがありますが、副作用のリスクがかなり高いため厳禁となっています

 

パルデス群軟膏はⅣ群に分類され、ステロイドの効き目は普通(Medium)とされ、赤ちゃんや、顔面や陰部など皮膚の薄くて吸収率の高い患部の治療にも塗布可能です。

ちなみに連続使用期間は、大人は2週間以内、子どもは1〜2週間以内とされています。安易に長期使用すると、皮膚局部だけではなく全身的な副作用のリスクもありますので注意が必要です。

 

塗布の仕方には注意が必要です

パルデス軟膏は、広域に塗布することができますが、塗布の仕方には注意が必要です。

使用方法として注意しなくてはいけないのは、長期使用の他、塗布部をテープなどで密封する密封法を用いると皮膚への吸収率が上がってしまうため副作用のリスクが高くなります

 

妊婦さん、授乳中のママ、子どもの長期使用は発育障害をきたす可能性があり、また赤ちゃんのオムツ内への塗布は密封法と同様の効果が出てしまうため要注意です。

 

使用してはいけないケースもあります。それは、ステロイドに対する過敏症、鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳炎、潰瘍や重い熱傷・凍傷の場合です。

凍傷の治療についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
凍傷の3つの治療方法【症状や応急処置も解説!】

 

この他、カンジタやヘルペス、口角炎など、細菌・真菌・ウィルスが原因の皮膚感染症にステロイドを用いると、効果がないどころか免疫抑制作用によって症状が悪化する可能性があります。

 

その他、パルデス軟膏がデリケートゾーンにも使用できるということから、注意点があります。軟膏に使用されている油脂成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損させる可能性があるため接触を避けるようにしてください。

 

また、目への塗布、化粧下、ひげそり後の使用は副作用を引き起こす可能性がありますので使用しないでください。

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副作用に注意しよう

 

長期使用・多量使用による副作用

長期使用、密封法などによってステロイド作用が効き過ぎてしまったときに起きる副作用があります。そのほとんどが顔に出ることが多いそうです。

 

紅斑、発疹、蕁麻疹、そう痒、皮膚灼熱感、接触性皮膚炎などがありますが、長期使用では多毛、黒くなったり白斑ができたり色素の変化、皮膚の萎縮、感染症の助長などの影響があります。

 

目への影響は失明の恐れあり

ごくまれに緑内障、眼圧亢進、後のう白内障など、目への副作用がでる場合があります。最悪、失明の恐れがあるため要注意です。誤って目の中に入ってしまったときは水で洗い流し、それでも異常があれば眼科受診の必要があります。

 

激しい眼痛、頭痛、急激な視力低下がある場合は緑内障の可能性があります。また、まぶしい、目のかすみ、目の乾き、眼痛などがある場合は眼圧が亢進している可能性があります。

 

この他、まぶしい、目のかすみ、視力低下がある場合は後のう白内障の可能性があります。これらの症状が現れたときは副作用の初期症状かもしれませんので、受診をおすすめします。

目の異常に関してはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
目がしょぼしょぼする6つの原因と対処法【涙も出てきて痛い】

 

ステロイドは使い方を間違えると大変な副作用がありますから、必ず医師の診断のもとで処方されるお薬です。慎重に使えば、様々な症状に効き目がありますし、堪え難い辛い痒みや湿疹を魔法みたいに消してくれる強力な薬でもあります。

 

ステロイドという名が付くからと毛嫌いせず、パルデス軟膏のように弱めの種類もあるということを知っておきましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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