ミノマイシン50がめまいを引き起こす【効果や副作用を詳しく解説】
<監修医師 サリー>
ミノマイシン50はアメリカで開発された抗生物質です。様々な菌に有効性があるため、多岐に渡る疾患で選択されます。
優れた効果があるミノマイシンですが、他の薬との飲み合わせや長期服用においては無視できない副作用があることも事実です。
ここではミノマイシン50の作用と副作用、適応される疾患についてみていきましょう。
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ミノマイシン50とは?
ミノマイシン50の作用は、細菌のタンパク合成を阻害する形で増殖を抑制し、高濃度では殺菌作用も示す抗生物質です。
病原性を示す微生物にはウィルス、真菌、細菌がありますが、その中でも特に細菌に対して大きな効果を発揮します。
ミノマイシン50が主に使われる疾患には、皮膚感染症、マイコプラズマ肺炎、クラミジア症、慢性気管支炎、にきび治療などがあります。また細菌以外のマラリア原虫にも有効です。
後発のジェネリック薬品として、塩酸ミノサイクリン錠、ミノサイクリン塩酸塩錠がありますが、名称は違いますが効果はほぼ同じになります。
ミノマイシン50が効果を発揮する症状はコレ
ミノマイシン50が有効とされる症状には以下のようなものがあります。ここでは原因菌も見ていきましょう。
皮膚や粘膜の炎症
私たちの身の回りには、皮膚や空気中などに常在している菌が多数います。通常であれば感染することはほとんどありませんが、体調不良や不摂生が続き免疫力が低下すると、感染を起こす事があります。
皮膚や粘膜に常在する菌にブドウ球菌、レンサ球菌、緑膿菌があります。これらの菌が創部に感染することで皮膚感染症を引き起こします。
感染すると創部の発赤、熱感が出現し痛みを伴います。
特にブドウ球菌や緑膿菌が皮膚の創部に感染した場合は、化膿し黄色や緑色の膿を排出することがあります。
またレンサ球菌は主に口腔内の粘膜に常在しているため、血豆や口内炎の原因菌であることもあります。
肺炎
特に免疫の低下した高齢者は感染しやすい傾向にあるようです。
また働き盛りの20~40代でも不摂生や体調不良時には感染してしまうこともあります。
原因菌には肺炎球菌や黄色ブドウ球菌、クレブシエラ菌、エンテロバクター菌、炭疽菌、マイコプラズマ肺炎などがあります。
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食中毒
食中毒の原因菌には、ブドウ球菌、ボツリヌス菌、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、エルシニア、チフス菌、腸炎ビブリオ、リケッチアなどがあり、何らかの方法で腸管に感染してしまうことで食中毒が起こります。
これらの菌は食物を介して感染する場合と、元々皮膚表面にいた菌が消化管に感染を起こした場合、また感染者の便や吐瀉物を介して感染することがあります。
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性感染症
不特定多数との性行為などで感染するのが性感染症です。クラミジア菌、梅毒トレポネーマ菌、淋菌、などが原因菌になります。
中には無症状で経過し、不妊につながる場合もあるため注意が必要です。
また性感染症の場合にはパートナーにも感染している事がほとんどのため、同時に治療を開始しなければなりません。
その他の感染症
通常であれば感染しにくい菌も、免疫力が低下することで感染、重篤化することがあります。
この感染は日和見感染と呼ばれ、不摂生が続き免疫力が低下している人や高齢者に多い感染症です。
原因菌にはセラチア菌、緑膿菌、耐性緑膿菌などがあります。
ミノマイシン50は19種類の菌に効き目あり
ミノマイシン50は以下の菌種に効果があるとされています。
これらの菌はほとんどが常在菌であり、感染した部位と症状によって疾患名が異なってきます。以下の「適応となる疾患」を参照してください。
有効な菌種
ミノサイクリン感性のあるブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌、梅毒トレポネーマ、リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)、クラミジア属、肺炎マイコプラズマ
適応となる疾患
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎、リンパ節炎、慢性膿皮症、骨髄炎、咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変、涙のう炎、麦粒腫、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、感染性口内炎、猩紅熱、炭疽、つつが虫病、オウム病
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リウマチ、神経変性疾患への適応
ミノマイシン50は細菌感染症のみ適応されますが、例外としてリウマチやパーキンソン病などへも適応されることもあります。
これには、ミノマイシン50がもつ免疫抑制作用がリウマチなどの疾患に有効だと考えられているためです。
しかし例外的な使い方ではあるため、用法用量には注意して使用することが望まれます。
時にはめまいも?副作用に注意して
感染症に対して有効なミノマイシン50ですが、一方で副作用を忘れてはいけません。軽度のものから重度のものまであるため、服用して異常を感じたらすぐに医師に相談するようにしましょう。
初期から長期までの副作用
✅ 胃部不快感、嘔気
✅ 腹痛、下痢
✅ 頭痛、めまい
✅ 発疹、蕁麻疹、光線過敏症
これらの症状は内服初期から出現することもあります。運転前や作業前に内服することはできる限り避けたほうがよいでしょう。
また高所作業などをしている人は、特に注意が必要です。少しでも異常を感じたら、我慢せず医師に相談するようにしましょう。
✅ (長期服用時)皮膚、粘膜、爪での色素沈着
✅ (長期服用時)菌交代症、ビタミンK欠乏症
✅ (小児)歯が黄色くなる
長期服用時には上記のような症状が出現します。
重篤な副作用
以下の副作用には特に注意し、疑わしい症状が出現したら服用を直ちに中断し病院に連絡しましょう。
✅ アナフィラキシーショック
全身の発赤や腫脹が起こり、呼吸が苦しくなってきます。血圧が下がると意識障害を起こすこともあります。 ✅ SLE症状 体の節々が赤く腫れてくる症状です。腫脹を伴わない斑点が体中にできることがあります。 ✅ 血管炎 全身の血管が炎症を起こし、だるさ、しびれ、節々の痛み、発熱などの症状を起こします。 ✅ 急性の肝・腎障害 だるさ、むくみ、尿の混濁、尿量の異常、吐き気、頭痛、発熱がおきます。 ✅ 間質性肺炎 呼吸が苦しく、少し動くと息切れを起こします。 ✅ 膵炎 上腹部~背中にかけての激しい痛みが特徴です。嘔吐や下痢を起こします。 ✅ 痙攣と意識障害 通常の寒い時に起こる筋肉の震えとは違う、止まらない痙攣が起こります。重症化すると痙攣をおこしながら意識障害を起こすこともあります。 ✅ 大腸炎 激しい腹痛と下痢、下血などを起こします。 |
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ミノマイシン50の正しい用法用量を知ろう
ミノマイシン50は経口摂取のお薬です。種類には錠剤、カプセル、顆粒タイプがあります。用法用量は症状により変わってくるため医師の指示を必ず守るようにしてください。
一般的な用法には
錠剤、カプセルタイプ
✅ 成人 初回100~200mgを内服後、12~24時間空けて100mg内服
基本的に妊娠中や授乳中の人には処方されませんが、ミノマイシンの薬効が必要な時、期間を設けて処方されることもあります。
このため妊娠の恐れがある人や乳児がいる人は医師に伝えるようにしましょう。
顆粒タイプ
✅ 小児 2~4mg/日/kg量を12~24時間空けて内服
顆粒の内服が困難な時は、水で溶かしシロップ状にして内服させてもかまいません。
また、乳製品や牛乳と一緒に内服すると吸収効率が落ちることがわかっています。そのためこれらの製品を摂取したら2時間以上空けてから内服するようにしてください。
他の薬との飲み合わせは必ず医師に相談を!
効果が弱まる飲み合わせ
ミノマイシン50は、カルシウム製剤、鉄剤、制酸作用の胃腸薬、高リン血症治療薬と一緒に飲むと効果が減弱することがわかっています。
内服する時間帯を変えるか、十分に時間を空けて内服するようにしましょう。
薬の副作用を増強
抗凝固薬、強心薬、リウマチ薬、血糖降下薬などの副作用を増強することがあります。
これらの薬を内服している場合には、医師・薬剤師に必ず相談してから内服を開始するようにしてください。
その他の副作用
ビタミンAとその類似薬との飲み合わせは頭蓋内圧亢進を起こすことがあります。また経口避妊薬の効果が弱まることもあります。
様々な疾患に対応でき、汎用性が優れているミノマイシンですが、飲み合わせや副作用によっては重篤な疾患を起こす危険性も持っています。
安易な自己判断は危険です。必ず医師や薬剤師に相談してから内服するようにしましょう。
参考URL
おくすり110番-「ミノサイクリン塩酸塩」,<http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se61/se6152005.html>(参照2017年2月13日)
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