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ラシックス錠20㎎の効果まとめ【働きと副作用についても紹介】

<監修薬剤師 藤沢 淳司>

薬

ラシックスは病院や診療所で心不全でむくみ(浮腫)が生じている人の治療や高血圧症の人の血圧低下を目的として処方される薬です。

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ラシックス錠20㎎とは

 

ラシックスは主成分にフロセミドを含んでおり、注射タイプと錠剤、粉薬が飲み薬として販売されています。また薬価の安いジェネリック医薬品も販売されています。

 

高血圧の薬は様々な種類がありますが、ラシックスは利尿剤と呼ばれる尿を出しやすくして浮腫などで溜まっている体の余計な水分を排出する働きがあります。

 

利尿剤は様々な種類があります。

ラシックスはその中でもループ利尿薬と呼ばれ、他の利尿剤と比べて利尿作用が強く特に体内の塩分を排出しやすい利尿薬となっています。

ループ利尿薬についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
ループ利尿薬の副作用に注意!血中カリウムを下げる理由も解説!

 

ラシックス錠20㎎の働き

 

ラシックスは腎臓の尿細管に働くことでその利尿作用を示します。

 

腎臓には血液から老廃物をこしとる糸球体があり、そこから生成された原尿は尿細管と呼ばれる尿の通り道で水分や塩分の素であるナトリウム、カリウム、糖質などが再吸収や分泌されたりして濃縮されてゆき、集合管→尿管→膀胱に溜められます。

 

尿の量に関わる水分は尿細管の外のナトリウム濃度が密接に関係しています。

 

尿細管の外のナトリウム濃度が濃いほどそれを薄めようと尿細管の中から尿細管の外へ水分が移動し再吸収されます。

 

ナトリウムは尿細管から尿細管の外へ再吸収される機構があるのですが、ラシックスはそれを抑制し尿細管の外へのナトリウム再吸収を抑制し、尿細管での水分の再吸収を防いで尿量を増加させます。

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ラシックス錠20㎎が治療に効果的な4つの病気

 

心臓からくる浮腫に有効

全身に血液を送り出しているポンプ機能をはたしている心臓が心筋梗塞や心筋症などにより低下することによりポンプ機能が低下している状態が心不全です。

 

全身に血液が巡らず腎臓にも十分に血液が行き届かない為に腎臓で尿が作られずに体にナトリウムと水分が溜まってしまい、浮腫が生じます。これを心性浮腫とよびます。

 

ラシックスは尿として水分とナトリウムを排出する為に浮腫を軽減させ、心臓への負担も軽くしてくれます。

 

腎臓からくる浮腫に有効

腎臓がネフローゼ症候群や腎不全などで機能しなくなることにより、尿が十分に生成できなくなり、心性浮腫と同様に水分やナトリウムが溜まってしまいます。この様な状態を腎性浮腫とよびます。

 

腎性浮腫も心性浮腫と同様にラシックスの利尿作用が効果があります。

ネフローゼ症候群についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
ネフローゼ症候群の2つの原因!【食事による治療法の注意点!】

 

高血圧症に有効

血圧は心拍出量×末梢血管抵抗の式で表され血管壁にどれ位負荷がかかっているかを示す値です。

 

血液に含まれる水分や塩分が多いとその分、末梢血管抵抗が高くなる為に血圧は高くなってしまいます。

 

ラシックスは高血圧の原因である余計な水分や塩分を排出するので血圧を低下させる降圧剤としての作用をもっています。

 

また急激に血圧が上昇し最悪の場合、脳や心臓などの臓器に障害をもたらす悪性高血圧の治療についても他の降圧剤と組み合わせることで有効です。

 

尿路結石にも有効

尿路結石ができた場合、尿から排出しなければ激痛が走ることもあります。

 

ラシックスは尿の量を増やす為、尿路結石を排出する目的として処方されることもあります。

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ラシックス錠20㎎はいつ飲むのがいいの?

 

ラシックスは基本的に午前中の朝食後などに投与される事が多いです。

 

ラシックスは直接血管内に静注すると5分で利尿効果が現れます。

 

経口投与では腸から吸収されてから血管へ入り腎臓に到達するのに時間がかかるので静注とは違い30~60分以内に効果が現れます。

 

その後、最大でも100分(約3時間)で体から半分の量がなくなります、基本的に400分~500(約6時間~9時間)で体から無くなります。

その為、午前中に投与しておいた方が日中でしっかり尿を出すことができるのです。

 

夕食後などに投与すると夜寝ている時にトイレにいきたくなるなど夜間頻尿の原因となり十分な睡眠時間が取れないなど不便な事になります。

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ラシックス錠20㎎の4つの副作用

 

ラシックスに対するアレルギー反応

ラシックスの成分であるフロセミドラシックスの錠剤に含まれている添加物でアレルギーを引き起こすことがあります。

 

特に重症の場合、ショックなどのアナフィラキシーと呼ばれる反応を引き起こします。

 

こういったアレルギーの初期症状としては口内の異常感、かゆみ、紅潮・熱感、悪心、嘔吐、喘息などがあります。こういったアレルギー反応はラシックスだけでなく、他の薬でも起こりえます。

 

電解質が必要以上に流出してしまう、電解質失調症

ラシックスは体に必要な電解質であるナトリウム、カリウム、カルシウムの体内での濃度を必要以上に下げてしまい、電解質失調症を起こすことがあります。

 

低ナトリウム血症は血液中のナトリウムが低下することで脱力起立性低血圧、さらには意識障害を症状とする疾患です。

 

ラシックスによってナトリウムは尿から体内へ再吸収されにくくなります。

加えてフロセミドによって血液中の水分が少なくなる為、それを補おうと尿から水の再吸収が行われ、結果としてナトリウム濃度の薄い血液となる為、低ナトリウム血症を引き起こします。

 

低カリウム血症は血液中のカリウムが低下することで吐き気や食欲不振、不整脈、脱力や四肢の麻痺などを症状とする疾患です。

 

ラシックスによって尿細管の中のナトリウムが増えると尿細管の外のカリウムとの交換が積極的に起こりその結果、尿細管の外の体内にあるカリウムがどんどん尿中へ流出してしまい、低カリウム血症になってしまいます。

 

低カルシウム血症は血液中のカルシウムが低下することで強い痙攣やテタニーと呼ばれる痺れを症状とする疾患です。

 

これはラシックスのナトリウムの再吸収の抑制によって本来再吸収されるはずであったカルシウムの再吸収も抑制される為に起こります。

 

尿酸値を上げてしまう

ラシックスは痛風の原因となる尿酸の血液濃度を上げてしまうことがあります。普通であれば尿酸は尿中に出され、体外へ排出されます。

 

しかし、ラシックスによって尿酸が体内へ再吸収されやすくなる為に血中の尿酸値は上昇してしまいます。

 

痛風についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
プリン体の多い食べ物に注意して【噂のヨーグルト効果も紹介!】

 

血糖値を上げてしまう

ラシックスによって低カリウム血症が引き起こされると血糖値を下げる役割をしているインスリンが出にくくなる為に血糖値が下がらず、糖尿病の悪化などが起こることがあります。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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