口角炎になる原因はコレ!【口角が切れる時の市販薬を紹介!】
<監修医師 春田 萌>
口角炎は唇の両端が炎症を起こす病気で、非常に強い痛みを伴います。口角が切れる事もよく見られる症状の1つで、なかなか治りにくいのも特徴的です。
口角炎になる原因にもいくつかの原因がありますが、どれも身近な原因が多いのです。また辛い口角炎に効果的な市販薬はどのようなものがあるのかもご紹介いたします。
今回は口角炎の症状や原因をしっかりと解説いたします。
口角炎の症状
口角炎は、唇の両端部分に炎症が起きてしまう皮膚疾患です。どの症状も辛い症状ですが、ひどくなる前に早めに対処出来るようにしましょう。
ヘルペスとも間違えられやすい疾患ですが、原因となる菌が違う事や、患部の場所も違いますので、ヘルペスとは別の病気です。
それでは口角炎の症状を詳しくご説明いたします。
痛み
まず大きな症状として口を開いた時の強い痛みがあげられます。人間は食事をする時も、飲み物を飲む時も、お話をする時にも口を開けなければなりません。
ですが、唇の口角部分の皮膚は口を横に裂けるように広がる為、口を開く度に痛みを感じます。
炎症がひどくなればなる程、痛みもひどくなりますので、早めの対処を心掛けましょう。
口角が腫れる
口角の腫れの症状も見られます。ヘルペス等の疾患でも腫れ等の似たような症状がみられる事もありますが、口角炎の場合には痛みを伴うのが特徴的です。
口角の腫れについてはこちらを参考にして下さい。
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口角が裂けて出血する
ひどくなると口角が裂けて出血を伴います。口角が裂けるようになると痛みもさらにひどい痛みとなり、食事をするのも大変になってしまいます。
早めに病院にかかる事をお勧めします。
かさぶた
出血部分はかさぶたになります。また炎症部分は白っぽい粒が点在する事もあります。
かさぶたが出来た時にどうしても剥がしてしまいがちですが、剥がしてはいけません。かさぶたを剥がしてしまうとまた炎症が起きてしまうのです。
炎症が起きてまた痛みがひどくなり、どんどん治りにくくなってしまいます。かさぶたは剥がさないように注意しましょう。
口角炎になる原因
続いて口角炎の原因についてご説明いたします。特別な原因ではなく身近な原因がとても多いです。
なかなか治りにくい疾患でありますが、原因にあった対処法により改善出来ます。原因をしっかりと理解してきちんと治療をしていきましょう。
ビタミン不足
口角炎の原因として、最も多い原因がビタミン不足によるものです。
特に皮膚を健康に保つビタミンB2、皮膚の炎症等を抑える働きのあるビタミンB6が不足する事で口角炎を発症しやすくなります。
口角炎にならない為に食生活の見直しも必要になります。
免疫力の低下
ストレスや疲労、生活習慣の乱れ、寝不足等により、免疫力の低下を招きます。口角炎の原因となる菌は主にカンジダと呼ばれる真菌類や、皮膚常在菌等の細菌です。
免疫力が低下する事によって、以前は感染しなかった細菌にも感染しやすくなってしまいます。また免疫力が低下している事によって菌が増殖してしまうので、侮れないのです。
乾燥
口角や唇、乾燥しやすい体質の方や、アトピー性皮膚炎の方も注意が必要です。また冬場等の乾燥しやすい時期もリップクリーム等で乾燥を防ぎましょう。
乾燥をしている事によって、皮が剥けたり、切れたりしてしまい、そこから感染をしてしまうのです。
また感染以外にも乾燥が原因となり、口角炎の症状である痛みや腫れ、口角が切れるといった症状も現れますので、乾燥させないように気を付けましょう。
唾液の分泌が多い
口角部の皮膚には溝があります。唾液の分泌が多い事によって、この溝に唾液が溜まります。
そして唾液から感染をして口角炎を引き起こします。
胃の調子が悪い
消化器の不調も口角炎を引き起こします。
胃と口角の関係は非常に深い関係性があり、胃の調子が悪い時には口角炎になりやすく、また逆に口角炎から胃にも支障をきたす事があるのです。
胃の調子が悪い時に口角炎になってしまった場合には、原因は胃である事が考えられます。
また胃だけでなく下痢等で腸の調子が悪い時にも口角炎を招きます。胃に優しい食べ物を食べて、胃腸の調子が悪い時には休ませる事が1番です。
口腔内の不衛生
唇の周りを舐める癖のある方は特に要注意です。口腔内の不衛生により、細菌が唇や口角にまで感染してしまいます。
また口腔内の不衛生は菌の増殖も招きますので、清潔を心掛けましょう。口角炎はうつるのかも気になりますよね。
ウイルス性のものの場合にはうつります。子供への食べ物の口移しでさえも感染しますので、控えましょう。
口角炎の治療方法
次に口角炎の治療方法についてご説明いたします。強い痛みが現れる口角炎、早く治したいですよね。
原因によっても治療方法は異なりますが、繰り返しやすい病気でもあります。病院で何科にかかるのかといいますと、まずは皮膚科を受診してください。
初期の場合の治療方法
症状が軽い場合には患部を清潔に保ち、ワセリン等の保湿剤を塗ります。またビタミン不足による口角炎の場合にはビタミン剤の処方もされます。
炎症を起こしている場合にはステロイド剤の軟膏が処方される事もあります。早めにしっかりと治療を行うようにしましょう。
原因が菌による場合の治療法
菌による感染で口角炎を発症した場合には、菌に対する治療が必要です。細菌が原因で発症した場合には、抗生物質の軟膏やビタミン剤の内服を行います。
またカンジダ等の真菌による感染の場合には抗真菌剤の塗り薬での治療になります。原因によって処方薬も異なりますので、医師によくご相談ください。
市販の抗生物質についてはこちらを参考にして下さい。
【関連記事】
抗生物質の市販薬はある?【飲み薬と塗り薬別に解説】
口角が切れる時の市販薬や軟膏を紹介
最後に口角炎の時の市販薬をご紹介いたします。原因によって治し方も異なりますので、改善が見られない場合には病院に行きましょう。
また妊娠中や授乳中に使用してはいけないものもありますので、医師または薬剤師にご相談ください。
ワセリン(プロペト)
医師に処方される事も多いお薬であり、市販薬でも販売されています。ワセリンには抗炎症作用はありませんが、安全性の高いお薬ですので、子供にも安心して使う事が出来ます。
患部の乾燥を防ぎ保湿をする事、また細菌や真菌のこれ以上の侵入を防ぐ事も出来ます。
感染しないように蓋をする事で早く治す事も出来ますし、保湿する事で痛みを軽減する事も出来ます。
デスパ
口角炎を治すには切れている部分を塞いで治す事が大事です。デスパには炎症を抑える作用、粘膜組織を修復する作用、殺菌作用があり、とても効果的とされています。
オロナイン
オロナインはとても古くからあるお薬であらゆる皮膚症状に効果があります。オロナインに含まれているワセリンにより、保湿をして止血をする事が出来ます。
殺菌消毒の効果はそれほど強くはありませんが、一時的に症状を緩和する事は出来ます。ただカンジダ等の真菌には効果はありません。
ステロイド薬
ロコイド軟膏や、リンデロン軟膏はステロイド薬が含まれています。ステロイド薬には炎症を抑えたり、免疫を抑える効果があります。
ステロイドは本来副腎皮質ホルモンという、体で作られている成分ですが、お薬として多量に使うと害になる事もあります。
口角炎の場合にも悪化させる危険性もありますので、慎重に使わなければなりません。
ステロイド薬は効き目が強い薬の為、すぐに治る事も多いですが、やめるとまた口角炎が再発するという悪循環が起こる場合も多いです。
繰り返す場合には1度医師にご相談ください。
ゲンタシン
ゲンタシンは抗生物質が含まれています。細菌の増殖を防ぎ、局所的な感染症を治します。
ステロイドを使用する事に抵抗がある場合にはゲンタシンがお勧めです。
様々な市販薬をご紹介しましたが、口角炎は原因によって治療の仕方が異なります。
原因に合わない市販薬を使う事で場合によっては悪化を招く事もあります。
ひどくなる前に病院に行き、原因をしっかりと把握しましょう。早めの治療をして、再発させないようにしましょう。
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