間欠性跛行とは?2つの原因も分かりやすく解説!
<監修柔道整復師 田中惇郎>
「休まないと歩けない。。」
中高年になりますと、長く歩けないとか休み休みしないと歩けないとか足がしびれるいったことがあります。
それは、「間欠性跛行」という年齢からくる症状であり老化を実感する症状です。
間欠性跛行の原因と症状、具体的な対処法を記載しましたのでぜひ参考にしてください。
気になる所から確認してみよう
「長く歩けない」のはどうして?
腰痛や足の痛みからくる場合
加齢による典型的な症状としていくつもあげられますが、もっともポピュラーな原因としては腰痛や足のしびれが原因で起きます。
動脈硬化が原因で起きる場合
動脈硬化は色々な原因、おもに高血圧症や高脂血症、
閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈硬化がすすみ、血管が細くなったり、つまったりして、血液の流れが悪くなることで、スムーズに歩けなくなります。
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歩行困難の原因となる病気
✅腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅかんきょうさくしょう)が原因で間欠性跛行がおこる場合があります。
✅老化による末梢性動脈硬化症が原因で同様な症状がでる場合があります。
脊柱管狭窄症との区別が必要になり、その対処法も当然変ってきます。
間欠性跛行の症状
数百m歩くと腰や足、特に下肢(かし)が痛くなったりしびれたりして歩けなくなり、しばらく休むとまた歩き出すことができるといった症状です。
ただ、その原因によって少し出方が違うようです。
腰部脊柱管狭窄症による場合
この場合は、連続して歩くと腰痛や足のしびれ痛みが生じ歩けなくなりますが、
一定の期間休憩をとりますと歩けるようになります。
特にしゃがんだり腰をかけるなど腰を前にかがめて休憩をとることによって、腰痛や足の痛みが軽減し再び歩けるようになります。
動脈硬化症など末梢の血管の流れが悪くなって起る場合
やはり一定の距離を歩くと腰や足が痛くなりますが、立ち止まって休憩をとるだけで痛みが軽減するような場合です。
腰を前にかがめたりしなくても再度歩けるようになります。
間欠性跛行の原因
腰部脊柱管狭窄症が原因の場合
この病気は加齢により腰椎や椎間板(ついかんばん)といった組織の変形が原因です。
脊柱管(脊髄の中を走っている管)が狭くなりその周りの神経を圧迫することによって起こります。
腰椎椎間板ヘルニアと混同されますが、この場合、間欠性跛行の症状は出現しません。
末梢性動脈硬化症が原因の場合
年をかさねることで血管内が脂質により狭くなり血液が流れにくくなります。
これは数多くの原因がかさなって起きるものですが、主に高脂血症、高血圧、糖尿病・肥満等によって引き起こされます。
末梢の血管が詰まり気味になり、血液が流れにくくなることにより神経を圧迫、腰や足に痛みやしびれが生じ歩きにくくなってくるのです。
間欠性跛行の治療科は何科?
脊柱管狭窄症による場合
この疾患が原因の場合、受診する科は「整形外科」になります。
ここでは、立位体前屈やMRIなどの画像診断や、
仰向けに寝て足を上げることができるかどうかをみる検査(ラセーグテスト)をしたりして診断を確定します。
末梢性動脈硬化症の場合
この場合は整形外科で脊柱管狭窄所による間欠性跛行ではないと診断された場合です。
主に血管外科などにまわされ、更にそこで血清脂質や血糖といった生化学検査やCT検査、MRI検査および超音波診断法による血管の狭窄を調べます。
間欠性跛行の治療法
この治療は、薬物による治療と理学療法や手術療法による治療に分けられます。
脊柱管狭窄症が原因の治療法
薬物による治療は、痛みに対しては、非ステロイド系鎮痛剤(NSAIDs)が用いられますが、胃などに障害をもたらしますので出来るだけ控えます。
また、しびれなどにはプロスタグランディン製剤といって免疫関係のお薬を合わせて服用します。
さらに神経線維の修復にビタミンB12製剤、筋肉の緊張をほぐすための筋弛緩剤などを併用します。
理学療法としては患部を温めたり腰をけん引したりします。
また、症状によって神経を注射によってブロックする治療もあり手術も考慮されることもあります。
末梢性動脈硬化症の場合の治療法
原因として考えられる動脈硬化を取り除く事が重要です。
日常生活の改善や運動療法を行い、同時に高脂血症や高血圧症、糖尿病、肥満の人は食事療法が指導されます。
その上に薬物療法として血液をサラサラにする抗血小板剤や血液を固まりにくくするお薬、脂質改善剤などを服用し症状の改善を図ります。
薬物治療が困難になった場合は、外科的治療として血管の再生手術やバイパス手術等が検討されます。
間欠性跛行の症状らしきものが出始めましたら、すぐに受診し適切なアドバイスと治療を受けることをお勧めします。
ながく付き合う事になる疾患ですので焦らず気長に治療することが、快適な老後の生活を送るうえで大切といえるでしょう。
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