喉に圧迫感がある!【息苦しいし吐き気もあるのはストレスのせい?】
<監修医師 吉野 聖奈>
喉に圧迫感を感じたことはありませんか?圧迫感の他にも、息苦しさや吐き気も感じていたら?
その症状の裏には、大変な病気が隠されているかもしれません。その謎を解決しましょう。
喉に圧迫感がある5つの原因
喉は呼吸器だけでなく消化器にも関係があり、原因は多様にありました。種類別に主な原因を5つご紹介します。
感染症によるもの
喉の違和感などはこの原因が一番多いのではないでしょうか?感染症には風邪やインフルエンザが有名です。
その他にも、溶連菌の感染によって引き起こされる咽頭炎や扁桃炎や、カンジダ属菌が感染することによっておこる皮膚カンジダ症も可能性があります。
注意したいのが扁桃周囲炎、急性咽喉頭炎、急性喉頭蓋炎の3つの病気
扁桃周囲炎は、扁桃炎が悪化し膿が溜まる病気です。口を開けるのもつらいほどの痛みを伴います。
扁桃腺の異常についてはこちらを参考にして下さい。
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急性咽喉頭炎(きゅうせいいんこうとうえん)とは、口のつきあたりの付近で起こる炎症です。いわゆる“のどの風邪”と言われています。
一番注意が必要なのが、急性喉頭蓋炎です。
喉頭蓋(こうとうがい)とは、喉の奥にある気管と食道の分岐にある器官です。食べ物を飲み込むとき、気管支に食べ物が入らないよう、気管の蓋をする役割があります。
喉の圧迫感の他、声が出にくくなります。また、誤嚥(ごえん)を起こしやすく、高齢者では誤嚥性肺炎を引き起こし、最悪の場合死亡する病気にもなる、危険な病気です。
ちなみに、急性喉頭蓋炎の80%はB型インフルエンザが原因だそうです。B型インフルエンザにかかったときは、急性喉頭蓋炎にも注意しましょう。
甲状腺の病気によるもの
甲状腺機能とは、喉ぼとけにある蝶の形をした器官。ここは、ホルモンに関わる大切な器官です。この甲状腺機能が何らかの原因で病気を引き起こすと、喉の違和感が出てきます。
甲状腺の疾患にあたるのは、下記の病気です。甲状腺機能低下症、バセドウ病、甲状腺炎など。
くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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また、単純性びまん性甲状腺腫は思春期の子どもに見られます。しかしこれは病気ではなく、甲状腺が全体的に大きくなることによって喉の圧迫感等が感じられるそうです。
腫瘍によるもの
実は喉はしこりがよくあらわれる部位でもあります。しかし、しこりは良性なのか悪性の腫瘍なのかはしっかり検査をしないとわからないですよね。
このように区別がはっきりしていない場合、それを腫瘤(しゅりゅう)と呼びます。良性の甲状腺腫瘤の場合、多くは自覚症状がありません。
また、舌咽神経痛という病気でも起こります。これは、腫瘍などが原因で舌咽神経を刺激し、舌の付け根に痛みや違和感を引き起こします。
原因は明確にはなっていませんが、違和感の他に飲み込みづらい、味覚障害なども現れます。
腫瘍の場合は、早期発見・治療が大切です。早めに受診しましょう。
喉のしこりについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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消化器の病気によるもの
喉の痛みは呼吸器官だけが問題ではありません。消化器の問題でも起こります。
その病気は逆流性食道炎で起こる、胃酸過多が主な原因です。これは、胃酸や消化前の食べ物が食道に上がってくる症状。
これらが食道を荒らし、胸やけやのどの違和感があります。
逆流性食道炎への対処方法についてはこちらを参考にして下さい。
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呼吸器官の病気によるもの
慢性副鼻腔炎が原因の可能性があります。副鼻腔炎を引き起こした細菌が鼻汁で鼻から喉へ流れ落ちることがあります。
これにより、喉が刺激され違和感や咳を伴うからです。
くわしくはこちらを参考にして下さい。
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ストレスによるもの
過度なストレスによっても、喉の圧迫感や違和感は起こります。ストレスが主な原因として挙げられるのが、自律神経失調症や心因性嘔吐症です。
これらが原因の場合は、精神科への治療が必要になります。
異常は無いのに息苦しいし吐き気もあるのはなぜ?
喉の圧迫感に加え、息苦しさや吐き気もある場合は別の理由も考えられます。
咽喉頭異常感症
これは、なんらかの喉の異常感があっても、訴えに見合う病変が咽頭などに認められない病態のことを総称した病気です。別名ヒステリー球とも呼ばれています。
咽喉頭異常感症は受験など過度なストレスがかかるときに多く見られますが、そのストレスが排除されれば、自然と治る病気です。
30~50代の女性に多く現れます。
かぜ症候群
ウィルス感染が原因で喉の痛みや咳など幅広い症状が起こることをかぜ症候群と呼んでいます。
季節の変わり目や疲労が溜まっているときに感染しやすくなります。
自律神経失調症
ストレスなどの原因によって、交感神経と副交感神経の働きが乱れ自律神経失調症が起こります。
自律神経失調症による吐き気は頻繁に起こることが特徴です。
また、吐き気の他にも幅広い症状が起こります。喉の違和感や圧迫感だけではなく、げっぷや咳、喉の痛みなどのどの症状。また、動悸やめまい、頭痛や
下痢などの症状。憂鬱感など精神的な症状も現れます。
自律神経失調症の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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自律神経失調症の症状チェック!5つの原因も解説!
心因性嘔吐症
別名神経性嘔吐症ともいいます。これも過度なストレスから起こる病気で、嘔吐の原因となる問題が身体になく精神面が原因で嘔吐する病気です。この疾患は子どもに多いことが特徴です。
子どもの脳は未発達であるため、ストレスに対して十分に対処できず、嘔吐してしまうそうです。また、30歳未満の若年者でも起こります。
ポイント1 のどの圧迫感や違和感は、何科に受診するのか
のどの圧迫感や違和感は、原因が沢山あり、何科に受診すればいいのか困ります。
このような場合、受診する診療科を紹介します。
ステップ1 まずは耳鼻咽喉科へ
喉や鼻に異常がないか検査してもらいましょう。
ステップ2 胃痛もちなら消化器科へ
よく胃が痛い、もたれるなどといった症状がよく起こる場合は、消化器科へ受診しましょう。
ステップ3 最後に精神科・心療内科へ
耳鼻咽喉科・消化器科ではっきりとした原因が分からなかった場合、心因性による影響が考えられます。
そのような場合は精神科へ行きましょう。
喉に圧迫感がある時の対処法
なんとかしたい喉の圧迫感。このとき、どのような対処法があるのでしょうか?
肩や首の筋肉をほぐす
長時間のデスクワークやスマートフォンの使い過ぎなど、現代の生活は肩こりになりやすい環境でもあります。肩と首の筋肉は体の一番重たい部位、脳を支えています。
しかし、肩こりなどによって柔軟性が失われていくと、それが全体に波及しのどの圧迫感にも影響を及ぼしています。
喉のつまり感や圧迫感は実際に喉の食道の両側の筋肉が硬直して食道を圧迫している可能性があります。
肩こりの症状がある人は、筋肉を温め、ストレッチをするなどしてほぐしましょう。
その他の解消方法についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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まとめ
のどの圧迫感は我慢すれば日常生活に支障が出にくく、放置しやすい症状の一つかもしれません。
しかし、その圧迫感の裏には思わぬ病気が隠されているかもしれません。
放置せずに、まずは耳鼻咽喉科へ。そこで原因がわからなくても、精神科や心療内科へ受診しましょう。早期発見・治療が大切ですよ。
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