ウテメリンの副作用と効果は?胎児への副作用は要注意!?
<監修薬剤師 日髙宗明>
妊娠37~41週までの間に生まれるのが正常な出産ですが、中には予定よりも早く生まれてしまうケースがあり、それを早産と言います。
妊娠22~36週での間の出産は早産で、早産よりも早く生まれてしまう場合は流産と呼ばれ、早産と流産の区別があります。そして、流産や早産になりかかっている状態のことを、切迫流産や切迫早産と言います。
ウテメリンとは切迫流産や切迫早産になった時に使用するお薬です。
まず、ウテメリンには錠剤と点滴の2種類があります。今回は錠剤のウテメリンについてご紹介していこうと思います。
気になる所から確認してみよう
ウテメリンの効果と持続時間
早産や流産になりかかっているのを、切迫早産、切迫流産といい、これらの症状を改善して、元の正常な状態に戻すために多く使われるのがウテメリンです。
子宮収縮により、切迫早産や切迫流産を引き起こす事が考えられ、子宮収縮を抑える為のお薬です。
効果
子宮を収縮させるのは平滑筋という筋肉です。
この筋肉にある交換神経のβ受容体を刺激することで子宮に存在する筋肉に働きかける作用を持ち、異常収縮を抑え、下腹部の張りや痛みなどを改善します。緊急な治療を要する場合は点滴を投与する場合もあります。
通常は切迫流産・早産やお腹が張りやすい方に用いられるお薬です。また症状により服用方法が代わってきます。
持病やアレルギー、特に心臓病、高血圧、甲状腺機能亢進症などの症状によっては使用できません。服用することによって悪化する恐れがあります。
それ以外にも異常を感じられる場合は、些細な事でも医師や薬剤師に相談してください。自分の判断で飲むのを止めないよう注意しましょう。
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持続時間は何時間?
持続時間は4~6時間程度です。1日3回食後に服用することが多いのですが、症状によって増えたり減ったりします。
今の服用回数で、夜眠っている時やその他の時に、どうしてもお腹が張るようでしたら、医師に相談することをおすすめ致します。
ウテメリンの効果が出ないときの原因と対処法
ウテメリンは、妊婦中に処方されるお薬です。人によっては効果を感じられない場合もあります。
原因は、体質的にウテメリンが効きにくいと感じる場合があり、処方量が増えるケースや、点滴へと変わる場合もございます。その時は担当医師に相談をされてください。
また飲み合わせには十分注意しましょう。
飲み合わせには十分注意が必要なお薬となります。服用中の薬は、病院や薬局でもらった薬、市販薬や漢方を含めて全て医師に報告を怠らないようにしましょう。
ウテメリンの副作用について
妊娠中の妊婦さんに安全に処方されるお薬だと言われていますが、作用と副作用のバランスを考えて処方されている事を頭に入れておく方がいいと思います。
極めてまれなケースですが、長期大量使用の場合副作用には注意してください。
主に起こりうる副作用は動悸、吐気、手の震えなど。
血糖値の上昇による症状で、喉が渇きやすくなり、水分を摂取することにより排尿回数が増えることもあります。
身体にあざ(発疹)がでたり、発熱、ほてり、手指の痺れ、脱力感が現れたりする場合もあります。
その他にも、嘔吐やふらつき、腹痛、けいれん、痺れ、赤褐色の尿、歩行困難、鼻血に歯肉出血などの出血傾向もあります。
筋肉痛や脱力感を感じられるときは速やかに医師、薬剤師に相談をおすすめ致します。
また糖尿病、甲状腺機能亢進症、高血圧症の方は気を付けておく必要があります。
(喘息の薬(β刺激薬)等併用すると、動悸や頭痛などの副作用を引き起こす原因にもなります)
流産や早産などの可能性がある時は安静療法を行います。その場合はなるべく安静に横になりストレスを抱え込まないよう、ご家族に相談して精神面などのケアも行いましょう。
ウテメリンは胎児に副作用を及ぼすのか?
胎児への副作用があるのかどうか心配な方も多くいると思います。
主に心臓、腸などへの負担や低血糖がまれにあらわれるそうです。その為に妊娠16週以降の服用とされています。
胎児頻脈、不整脈など起こりうることがあります。状態に注意し、異常がみられたら医療機関へ連絡してください。
胎児に安全性が処方されないような薬は投薬されないと思いますが、胎児に影響がないかと考えるだけでストレスが溜まりますので、なるべくストレスをためず安静にして服用を守りましょう。
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早産が起こる方が胎児にとってとても大きな影響がありますので、その原因となる子宮の収縮を防止するために使うのがウテメリンです。
また納得がいくまで担当の医師ともキチンと話し合いを進めわずかな違和感でも相談をして、元気な赤ちゃんを出産されてください。
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