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指を切断した時の処置方法【注意すべき2つのポイント】

<監修医師  WASHIO>
手 

機械や包丁などで指を切断されてしまうことはそんなに珍しいことではありません。

 

想像すると背筋が凍ってしまいますが、万が一の時に備えて応急処置方法を知識としてもっておくことによって最悪の結果を回避できるかもしれません。

ここでは指の切断に対しての処置、処置ポイントも含めてご紹介します。

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指の切断の処置方法

 

大きな機械を扱う仕事中やエスカレーターやエレベーターなど、指切断をせざるを得ない事例は様々な場所で発生しています。

 

小さい子供の場合には扇風機に指を挟んだ等、よくニュースで目にしますよね。

ここではもし事故に遭い、指を切断してしまった場合の処置方法をご紹介します。応急処置と同時に119番に通報するようにしてくださいね。

 

切断部分を圧迫止血

切断された部分に清潔なガーゼをあてがい、その上から包帯をきつく巻いて圧迫止血を行います。

特に根元はきつく巻き、ひもで縛って包帯がずれることがないように固定します。

 

この時、救助者は血液感染の危険性もあるのでできる限りビニール手袋など血液に直接手が触れることのないように気を付けましょう。

また、圧迫止血を行った後は切断部位を心臓より高くおいて出血が少なくなってくることを待ちましょう。

止血方法についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
血が止まらない4つの病気【正しい止血法をご存知ですか?】

 

切断されたパーツの保護と保存

切断されたパーツは時間が経過すればするほど組織の壊死、再接着が出来ない可能性が高くなってしまいます。

 

そのため、正しい知識を持ち、正確な処置ができるようにしたいものです。

昔は切断した指は牛乳に漬けて運ぶなど都市伝説がありました。大きな誤りです。

 

正しくは、切断されたパーツをガーゼで包み、ビニール袋に密閉することが最初の一歩です。

そうした処置をした上でパーツの入ったビニール袋を氷水に入れて傷病者とともに医療機関に受診します。

 

「切断されたパーツを直接氷水に浸さない」、「切断パーツを冷やしすぎない」この2つが再接着をスムーズに進めるキーワードになります。

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指の切断の応急処置で注意すべきポイント

 

切断事故が起きた場合には気が動転してしまい、正確な判断が出来なくなってしまうことが多々あります。その時のためにここではポイントを絞り、ご紹介します。

 

パーツそのものを氷水に浸さないこと

仕事中の指の切断事故や足の指の切断事故の場合、切断されたパーツの汚れが気になる場合があります。しかし、その場で洗うことは最低限で構いません。

 

運ばれた医療機関で改めて生理食塩水で切断部位を洗浄するのでまずは止血と切断パーツの保護に注目するようにしましょう。

 

しっかりとガーゼに包み、ビニール袋に入れた上で氷水に浸すようにしましょう。

直接水に触れてしまうと細胞が膨らみ破壊され、再接着が出来なくなってしまいます。

 

氷を大量に入れすぎないこと

またここでもポイントです。冷やせばよい、というわけではないことを覚えておいてください。

 

再接着が可能なのは切断事故発生から8時間以内、先項で説明した処置方法をした上で約4℃の状態に保存されていることが条件となっています。

 

氷を入れすぎてしまうと切断パーツの組織の損傷が起きてしまいます。

冬場なら水に氷を2~4個、夏場なら水に氷を5~7個くらいに留め、冷やしすぎないように気を付けましょう。

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指を切断したが再接着できる場合

 

刃物や機械などよる鋭利な切断の場合には再接着が容易であるとされています。

動脈や静脈、神経や腱などの確認がしやすいため、縫合手術によって元の状態へ修復することが可能であるとされています。

また、切断されたパーツが紹介した方法で正しく行えていた場合にも有効です。

 

指の切断で再接着できない場合

 

エレベーターやベルトコンベアーなどでの事故で神経や骨、血管が挫滅している状態の場合には再接着は極めて困難であるとされています。

 

また、引き抜き損傷といって例えば指輪が何かに引っかかりそのまま指が引き抜かれるという場合にも神経や血管の損傷が激しいため、再接着が難しいとされています。

 

また、処置を行ってから8時間以上経過しているもの、常温での保護など条件が悪い場合には筋自体が壊死状態になっているため元の状態へ完全に復帰するということは難しいかもしれません。

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病院での処理・手術方法

 

近年、医療の発達に伴い、再生医療という分野が拡大してきています。

再生医療の可能性についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
iPS細胞の問題点とは?簡単に分かりやすく解説!

 

切断部位に振りかけるだけで組織が再生してくる魔法の粉など近頃の技術の発展はすさまじいものです。

 

再生医療という言葉が拡大してきて、手術自体を積極的に行う病院も増えてきました。ここではその再生手術についてご紹介していきます。

 

再接着手術と断端形成

指が切断された時、その断端同士をただ縫合しただけではただの一枚の皮で繋がっている組織です。

そのため、再び血を通わせ組織を再生させていくために再接着術が選択されます。

 

切れた血管や神経を繋ぎ、先の組織まで血液を送ることができるようにします。

手や足の指などの切断パーツが細い場合には後にご紹介するマイクロサージャリーという特殊技術を用いて行います。

 

再接着が難しい場合には断端形成といって、再接着は行わずに切断部位を皮膚で覆う手術が選択されます。

また、後日足の指を移植して指を作る再建術を選択することもあります。

 

マイクロサージャリー

手指や足の指の血管ともなるとその直径はとても細く、太いもので1mm、末端にいくにつれてもっと細くなります。

 

そのような細い血管を繋ぐには肉眼では到底無理に近いですよね。

そのため、マイクロサージャリーと呼ばれる顕微鏡で観察しながら縫合を行う特殊技術があります。

 

形成外科や整形外科など、外科的治療を専門とする先生がいる場所では多く使われている手法です。

ちなみに爪は血行があれば数か月で再生しますのでマイクロサージャリーを使って手術する等はありません。

 

手術費用と治療期間

手指や足指は末梢器官のため、血管が細く詰まりやすいといわれています。

そのため、術後一週間程度は血液を固まらせないような薬剤の点滴を行い、手の血管の拡張や腫れの状態を観察します。

 

手術費用は36万4千円、保険に入っていれば3割負担になりますので11万円程度をみましょう。

また、手術費用に加えて入院費、薬剤費なども加えられるので多めに用意しましょう。

 

仕事中の怪我であれば労災が降りる可能性が高いので労災金額を会社や保険会社に確認するようにしてください。

入院期間も経過次第で通院診療で様子をみる病院もあれば念のため入院を勧める病院もあるため、確認しましょう。

 

後遺症とリハビリ

術後は神経や組織の癒合を最優先に一か月程度は積極的なリハビリは行いません。

 

縫合した血管の血流が安定してきてから指の運動を開始していきます。

神経は縫合した部分から少しずつ回復してくるので、感覚が戻るには数か月から一年程度必要になります。

 

神経がきれいに縫合されていれば一日1ミリずつ伸び、指が動くようになりますので焦らずにリハビリを続けましょう。完治する方も多くいますが、後遺症を残す方もいます。

 

後遺症の多くは痺れや温熱、冷感が判らないなどの感覚低下や、その逆の痛みや冷たさを過剰に感じてしまう感覚過敏があります。

余談になりますが、指の切断後、仕事や生活のために車の運転などをする場合、住んでいる場所の運転免許試験場で適正相談を受けるようにしましょう。

 

指の切断があり、上手く機能していない状態で事故が起きたら過失責任を問われることにもなります。

 

また切断に限らず、指の骨折などさまざまなトラブルが起きる場合もあります。対処方法についてはこちらを見て参考にして下さい。

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