突き指で腫れた時の応急処置【病院受診の6つの目安】
<監修医師 WASHIO>
みなさん一度は経験したことがある突き指。
スポーツをされる方はもちろん、日常生活においても珍しくない怪我の一つです。
でも、突き指ってわざわざ病院行くほどでもないって思ってたりしませんか?
放っておけばなるから、と思っていませんか?
もちろん、軽い突き指なら大した処置をしなくても治るものもあるかもしれません。
でも、中には、重大な怪我をしているのに気づいていないという場合もあるかもしれません。
そこで今回は、突き指で指が腫れてしまった場合の応急処置の方法と、病院を受診する5つの目安をお伝えいたします。
突き指をした時の応急処置
突き指をした時に自分でできる突き指の治し方をご紹介します。
そもそも突き指とは
そもそも突き指ってどういう怪我だがご存知ですか?
実は、突き指というのは特定の怪我の名前ではなく、指先に外力がかかることで起きる怪我の「総称」なのです。
突き指というのは医学用語ではなく、実際には様々な怪我が含まれています。
突き指には、打撲、捻挫などの軽傷なケースから、脱臼、靭帯損傷、軟骨損傷、腱損傷、骨折と言うケースまで様々なのです。
突き指を甘く見てはいけない理由がわかりますよね。
突き指をすると指が腫れますが、これは内出血を起こして、関節に血が溜まっているからです。
さて、突き指をしたらまずは応急処置です。
ここでの処置の方法が治療期間にも影響しますので、しっかりとお伝えしたいと思います。
アイシング
怪我で内出血や炎症が起きた時は、まずアイシング(冷却)です。
冷水や、氷を入れた水に手を入れたり、アイスバッグを患部にあてて、しっかり冷やしましょう。
時間にして約10〜15分ほどつけておいてください。
アイシングのポイントは、できるだけ冷やすこと、それからできるだけ早く冷却を開始することです。
時間が経つにつれ、指の腫れが進んでしまいます。
アイシングは、応急処置で怪我をしたらすぐに行っていただきたい方法ですが、もし日常生活で突き指が痛む、という方は湿布を貼っておくと痛みが和らぎますよ。
心臓より高い位置にあげる
先ほど、突き指の腫れは内出血のせいだとご説明しました。
心臓の位置より下に傷口があると、出血がどんどんおこり、指の関節の腫れが悪化してしまいます。
突き指をした手を心臓より高い位置に持っていくようにしましょう。
クッションや枕でサポートしてあげると楽かもしれません。
夜、寝る時も心臓より高い位置に手を置くようにすると、突き指が早く治ります。
ぜひ、意識してやってみてください。
テーピング
関節を固定するようにすると、突き指の治りが早くなります。
包帯でもいいですが、テーピングの方がしっかり固定できるので、できればテーピング用テープを手に入れてやってみてください。
手の指を例にして、テーピングの仕方をお伝えします。
手の指の場合は、細めの非伸縮テープ1/2インチを使ってください。
第1、第2関節の場合
第2関節の場合を例にご説明します。
まず、手を甲側からみてください。
関節の下側、指の根元側からテープを巻き始め、指先方向に斜め上に、第1関節と第2関節の間までテープを貼っていきます。
その次に、テープを、関節と関節の間を平行にするように、指に1回巻きつけてください。
次に今度はさっき斜めに巻いたテープに交差するように(関節の上でバッテンXになるように)斜め下にテープを貼っていきます。
この時に、指を少し曲げ流ようにしてください。
そして最後に、第2関節の下で関節と平行に一周巻いて、テープを切ってください。
第1関節の場合も、関節を一つ上にずらしてこれと同じように巻くことができます。
第3関節(指と掌の間の関節)の場合
第3関節の場合も、第2関節の場合の応用です。手の甲側から見た場合を説明します。
小指側の手首から始めて目的の関節の親指側まで斜めにテープを貼っていきます。
そこで、一周関節と関節の間を平行に巻きます。
最初の斜めのテープとクロスさせるように関節の小指側から、手首の親指側まで斜めにテープを貼っていきます。
この時、関節を少し曲げるようにするのを忘れないでください。
最後に、手首にテープを一周させて、テープを切って終わりです。
禁止事項
突き指の応急処置でやってはいけないことが2つあります。
一つは、指を引っ張ること。
昔は指を引っ張れば治ると考えられていたようですが、引っ張ると怪我を悪化させるだけです。
気をつけてください。
もう一つは、患部を温めること。
患部が腫れている時は、まず冷やしてください。
温めてしまうと、炎症が増し、痛みがひどくなってしまいます。
お風呂に入ると血行が良くなり、患部を温めてしまいます。
突き指して3日間くらいは、お風呂に入るのを避けて、シャワーなどを浴びるようにしてください。
シャワーからあがったら患部を冷やすようにすると、より安心です。
突き指は放置していても治るのか
さて、突き指は放置していても治る、という人もいますが、果たしてそうなのでしょうか。
先ほどもお伝えしたように、突き指には打撲、捻挫、脱臼、靭帯損傷、軟骨損傷、腱損傷、骨折など様々な要因が考えられます。
従って、突き指がそのまま治るかどうかは、怪我の程度に依ります。
打撲や捻挫など、突き指が軽い怪我の場合は、応急処置をして無理に動かしたりしなければ、1週間程度で腫れは引きます。同時に痛みも少なくなってくるでしょう。
病院に行かなくても治る可能性が高いです。
ところが、もしあなたの突き指が靭帯を断裂していたり、骨折するほどの重症であれば、放置していても直りません。
逆に、放置して適切な治療を行わないと、指が変形してしまうなどの後遺症が残ることも有りうるのです。
次にご紹介する、病院受診の目安を参考にしてみてください。
もし、ただの打撲や捻挫でなさそう、と思ったら、すぐに病院を受診するようにしてください。
突き指の病院受診の目安
さて、突き指をしてしまったら、まず応急処置をして、その後に指の様子を見ましょう。
もし、次の6つの目安に当てはまるようでしたら、病院を受診しましょう。
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突き指の具合がわからなくて、すぐに病院には行けない、という場合は、2日様子を見ましょう。
もし、怪我が軽ければ、その間に痛みや腫れも少しは引いてくるはずです。
ですが、2日冷やしたり安静にしたりしても症状が変わらない、または悪化する、という場合は、すぐに病院で診断を受けてください。
通常、突き指の腫れは1週間程度で引きます。
ですが冷やしたり対処をしているにもかかわらず、腫れが治らない場合も、病院で受診するようにしてください。
突き指と骨折の見分け方
軽い突き指(打撲や捻挫)と骨折の見分け方ですが、まず大きく違うのが骨折をすると「激痛がある」ということ。
骨折をすると「ポキっと音がする」ことがありますが、加えて、「すぐに患部が腫れる」場合は骨折の可能性が高いです。
さらに、打撲などでは指は変形しませんが、骨折をすると「指が変形する」ことがあります。
一つでも心当たりがあったら病院で診察を受けてください。
骨折の中でも、剥離骨折は治りにくく、また変に骨がついてしまうと指の動きに支障が出てしまう可能性があります。
少しでもおかしいなと思ったら病院に行くことをお勧めします。
整形外科で治療を
突き指の治療を受けるのに、何科を受診したらいいのか迷われる方もいると思います。
突き指の治療は、整形外科に行ってください。
整骨院や接骨院、内科、小児科ではきちんとした診断ができません。
整形外科で、レントゲンを撮影してもらい、指の状態をしっかり見てもらうようにしてくださいね。
それに、病院に行ってリハビリをして貰えば、指の可動範囲をしっかりと確保して、指の変形などの後遺症を防ぐことができます。
まとめ
今回は突き指についてお伝えしましたがいかがでしたか?
突き指が外圧による指の怪我の総称だと初めて知った方も多かったのではないでしょうか?
スポーツをされている方はよく突き指する、という方もいるかもしれません。
たかが突き指と侮らず、しっかりと応急処置をして、必要であれば病院で適切な治療を受けるようにしてください。
指が変形したりすると日常生活に支障が出てしまいます。
大事な指をしっかり守るようにしましょう!
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