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涙もろい人の性格や特徴とは【病気の可能性も疑って】

<監修医師 豊田早苗>

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同じ映画を見ていても、涙をぽろぽろ流す人もいれば平気な人もいます。平気な人から見ると「こんなことで?」と、いまいち理解されにくいのが涙もろい人の悩みです。

 

今回は涙もろい人の特徴や原因、病気の可能性なども見ていきましょう。

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涙はなぜ流れるのか

 

「涙もろい人」について考える前に、まず、なぜ涙が流れるのかについて詳しく見ていきましょう。

 

涙が流れる場面を想像してみてください。すぐに思いつく場面として、悲しい時や辛い時などがあります。他にも玉ねぎを切っている時や、目にゴミが入った時などに涙は流れます。

 

これらの場面で流れる涙は一見同じように見えますが、実は涙を流す原因によって3つに分ける事ができます。

 

一つ目が「情動性分泌」による涙です。これは喜怒哀楽の感情が揺さぶられた時に流す涙になります。悲しい時や辛い時、とても嬉しい事が起きた時に自然と溢れてくる涙になります。

 

次に玉ねぎを切った時や、目にゴミが入った時に流れる涙です。これは「刺激性分泌」と呼ばれます。刺激性分泌は、目に刺激を感じることで自然に流れてくる涙の事を言います。

 

最後に「基礎分泌」と呼ばれる涙です。これは目の角膜を、乾燥やホコリ、細菌などから保護するために常に少量分泌されている涙になります。

 

この3つの種類の中でも、情動性分泌による涙は人間にしか見られないと言われています。

 

なぜ人間だけ感情の昂ぶりで涙するのでしょうか?理由ははっきりわかっていませんが、一説によれば「体内に生じた喜怒哀楽によるストレスを、涙で軽減している」のだとされています。

 

事実として、とある研究において「情動性分泌」と「刺激性分泌」で出た涙の成分を調べてみると、「情動性分泌」によって集めた涙には、ストレス時に分泌されるホルモンが多数含まれている事がわかりました。

 

また、実際に涙を流した後に「スッキリした!」と感じる人は多いでしょう。

 

このことからもわかるように、涙には神経の昂ぶりを鎮静させ、心を安定させる効果があると考えられます。

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『涙もろい』の言葉の意味とは

 

涙について分かったところで、涙もろいとはどのような状態を指すのでしょうか。

 

一般的に涙もろいというのは「感受性が強く、ちょっとした事ですぐに涙がこぼれてしまう」状態を指します。

 

あまり涙を流さない人からすれば「え、こんなことで?」と思えるような事でも感情を動かされ、涙を浮かべてしまうのです。

 

涙もろいという言葉は、何も日本だけでなく海外においても使われています。

 

英語ではsentimentalやsensitiveと呼ばれており「感傷的で泣きやすい人」という意味合いで使われています。

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涙もろい人の性格には5つの特徴がある

 

涙もろい人に見られる、特徴について見ていきましょう。

 

共感性が高い

「涙もろい人」を想像した時に、子供よりも大人、大人の中でも20代の若い人より高齢の方を想像する人が多いのではないでしょうか。

 

実際に「年をとって涙もろくなってしまって…」というフレーズはよく耳にする言葉です。

 

年齢を重ねる事で涙もろくなってしまう原因には「年をとって感情を司る前頭葉が小さくなってしまったため感情を我慢することができない」とする意見もあるようですが、一方で「年齢を重ねて人生経験を積む事で、他者への共感性が増しているため」とも考えられています。

 

子供の頃には失恋や挫折、失敗の経験はほとんどないため、ドラマや映画を見てもいまいちピンときません。

 

しかし長い人生経験の中で、失敗や挫折を経験してきた大人にとっては、たとえフィクションとわかっていても自身の経験を思い出し、感情が大きく揺さぶられ涙してしまうのです。

 

妊娠、女性ホルモンによるもの

妊娠中に涙もろくなったという人は多いのではないでしょうか。これはプロラクチンというホルモンによるものです。

 

妊娠中は妊娠を維持し、乳腺を発達させる効果のあるプロラクチンというホルモンが脳から分泌されます。

 

実はこのホルモンは、涙の分泌にも関係しており、プロラクチンが増えると涙の量も増えることがわかっています。

 

さらにプロラクチンは脳だけでなく涙腺の細胞にも含まれているため、妊娠中は特に涙もろくなりやすいというわけです。

 

さらに妊娠中でなくても生理直後から分泌されるエストロゲンには、感情を司る脳を刺激する効果があるため、男性に比べて女性は涙もろい傾向があります。

 

性格によるもの

涙もろい人というと、本人の性格によるものも関係してきます。

 

涙もろい性格には

✅ 素直で純粋な性格

素直で何事も疑う事をしない性格の人は、相手に感情移入しやすく共感性が高くなる傾向にあります。

 

このため映画やドラマの登場人物と同じ様な心境になりやすく、登場人物と一緒になって喜怒哀楽を感じやすいのです。

 

さらに、素直な性格のため、自身が感じた感情を表現することにためらいがありません。悲しくなれば涙を流し、嬉しい時は満面の笑みで相手に伝えます。

 

✅ 情にもろい

情にもろい人は、他人に感情移入しやすく共感性が高い人です。また、自身の感情を抑えて冷静に振る舞うことが難しいため、喜怒哀楽がわかりやすいとも言えます。

 

このため他人の辛い経験や悲しい思い出などを聞いた時に、自身も追体験しやすく、話している本人より先に涙を流すこともあります。

 

涙もろい性格の人は、基本的に優しい人が多く、他人の心の機敏を敏感に察することができる人です。また、根っからの真面目で、人から頼られると断りにくいという人もいるでしょう。

 

一見長所ばかりのように見えますが、反面、人のウソを見破りにくく騙されやすいとも言えます。他人の話す内容を頭から信じ込むのでなく、あまりにできすぎた話には疑いの目を向けてみるようにしましょう。

 

ストレス状態

毎日の生活で過剰なストレスを受けている人も涙もろくなる傾向があります。

 

涙を流す場面というのは、基本的に心を強く揺さぶられた時です。心を揺さぶられると私達の体の中では自律神経が活発になり、ストレスを感じるようになります。

 

これは感動的な場面であっても、辛く逃げ出したいような場面であっても同じ様にストレスを感じています。このストレスが最高潮に達すると、自律神経のバランスを整えようとして涙を分泌するようになるのです。

 

ストレスの許容量は人によって違いますが、日頃からストレスを抱えている人は、新しいストレスを感じた時に、すぐに容量オーバーになってしまうでしょう。このためストレス状態にある人は涙を流しやすいと言えるのです。

 

競争心が強い

涙もろいというと「他人の悲哀を共感して涙が出る」というイメージが強くあります。しかし反対に、他人との競争心や闘争心が強すぎるあまり、感情を抑えきれずに泣いてしまうケースもあるようです。

 

この場合は、自己評価が低い、他人と自分を比較しがち、嫉妬心が強いなどの性格を持つ人に多いようです。特に性別差では、男性より女性に多い傾向があります。

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涙もろい男の人が急増中!女子の本音とは

 

一昔前では、男性は人前で涙を見せるものじゃない、と言われた事もありましたが、現在では男性スポーツ選手が感極まって涙する姿や、テレビの男性コメンテーターが映像に感激し涙を浮かべる姿は珍しいものではありません。

 

そしてそのような男性の姿に「男らしくない」「女々しい」という厳しい意見ももちろんありますが、一方で「優しそう」「可愛い」という好意的な意見があることを忘れてはいけません。

 

このように前者と後者では正反対ともいえる評価がされているのはどうしてでしょうか。これには時代の流れと共に、女性が男性に求める理想像の変化が関係しているのではないかと考えられます。

 

昔のように、男女によって明確な役割が決定されていた時代では「男は強くたくましく」という姿が理想でした。

 

しかし、現代になって少しずつ男女の役割に変化が見られると、強くたくましい男性よりも、温和で柔軟性のある優しい男性に人気が集まるようになってきました。

 

これらの変化によって、女性が男性に求める姿にも変化が生じてきたと考えられます。男性の涙もろさに対する評価もその一つと考えられます。

 

男性の涙に対する女性の好意的な意見を集めてみると

✅ 感受性が豊かの証拠

✅ 優しそう

✅ 辛い時は我慢するべきでない

✅ 悔し涙や感動した時の涙は良い

 

などの意見が聞かれます。時と場合によっては、呆れるどころか逆に好感度が高くなる事もあるようです。

 

しかし、好意的な印象を持っていても、度を過ぎた涙は女性を引かせてしまう事もあるので注意が必要です。

 

例えば

✅ 感動物の映画などで号泣する

✅ よく泣く

✅ 子供の様な理由での涙、泣き虫

✅ 酒の席で泣き上戸

 

などでは、女性だけに関わらず周囲の人に嫌な印象を与えます。時代の変化と共に男性の涙への意識は変化してきましたが、やはり泣きすぎや場を考えた行動は大切ということです。

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涙もろさの原因が体調の場合は要注意

 

性格や生理的な理由からくる涙もろさは問題ありません。

 

しかし、最近になって突然涙もろくなった、家族の性格が突然変わった気がする、やる気がでない、頭がうまくまとまらないなどの症状を同時に感じたら、それは病気のサインかもしれません。

 

ここでは、病気や体調変化からくる涙もろさについて見ていきましょう。

 

妊娠初期、着床など

女性は妊娠中に涙もろくなりやすいとは前述しましたが、妊娠したかはっきりわからない時期からでも「涙が止まらなかった」「わけもわからず泣いていた」などの症状が出る人がいるようです。

 

これはホルモンバランスの変化によるものですが、早い人では着床する3週目あたりから上記の症状を感じたという人もいます。

 

思い当たる節があり、突然涙もろくなったという人は妊娠の可能性を考えても良いかもしれません。

 

逆にホルモンバランスの乱れからも情動の変化が現れやすいと言われています。閉経後の女性だけに関わらず、理由のわからない情緒不安定などの症状を感じたら病院を受診するようにしましょう。

 

脳の病気

脳の中で感情をコントロールする部分は、額に位置する前頭葉が司っています。この部分に何らかの原因によって障害が起こると、感情を抑える事ができずに涙もろくなったり、怒りっぽくなったりすることが知られています。

 

例えば脳溢血などによって前頭葉に障害が起こると、治療後に性格が大きく変化している事があります。また、認知症などでも前頭葉が委縮することでも同様に性格変化が見られるようになります。

 

この場合、本人は自分の変化に気づいていない事がほとんどです。家族の中で、突然性格が変わったように感じる人がいたら、病院を受診することをお勧めします。

 

心身のストレス状態

忙しい時ほど、自分にどれほどストレスがかかっているか自覚がないものです。もし突然涙もろくなったり、感情を我慢できなくなったりするようなことがあれば、それはストレスが限界に近い証拠かもしれません。

 

心身に受けたストレスは、知らず知らずの内に脳に蓄積していきます。それは外からはわかるものではありませんが、過剰にストレスが蓄積されることで、脳の働きに誤作動が生じるようになります。

 

例えば、小さな刺激であっても大きな刺激として誤認したり、身体は疲れているのに全く休めなくなってしまうというものです。

 

こうなってくると、感情がうまくコントロールできなくなり、小さなことで激怒してしまう、些細な事で涙が止まらない、情緒不安定などといった変化が出始めます。

 

もしこれらの症状を感じたら、心身に過度のストレスが溜まっている状態です。休息をとるようにしましょう。

 

うつ病

うつ病の初期症状の一つに、涙もろさがあります。

 

他にも、

✅ 不眠

✅ やる気が出ない

✅ 気分の落ち込み

✅ 悲観的な思考

✅ 動くのが億劫

などの症状が伴うようならば、うつ病の初期症状の恐れがあります。

 

うつ病は早期に治療を開始すれば、短期間で治療を終えることが病気です。逆に放置すれば完治は難しく、数年単位での治療・通院が必要になってきます。

 

自己判断せず、心療内科を受診するようにしましょう。

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涙もろさを治したい時は4つの方法を試してみて

 

涙もろさは悪い事ことではないとわかっていても、やはり人前で涙を出すことは恥ずかしいものです。ここからは涙が出そうになってしまったときに、すぐに涙を止める方法について紹介します。

 

空を見上げる

少し涙ぐんでしまった、という時には目を大きく開けて空を見上げましょう。少量の涙であれば瞬く間に蒸発し、目から零れ落ちなくなります。

 

この時に涙ぐんでしまった話しの内容は忘れて、雲の形や景色に集中するようにしましょう。

 

口を開ける

口を開けると涙が引っ込みます。大きく開けなくても構いません。

 

理由は、開口している間は思考が止まるからのようです。確かに口をポカンと開けた状態では考えに集中できなくなります。

 

会話中にすると失礼にあたるので、マスクなどをつけてその下で口を開けると良いかもしれません。

 

舌を刺激する

舌を刺激することで思考が中断され、涙を止める効果があります。刺激するものは何でもよく、炭酸飲料や飴、ガム、軽く歯で噛むなどでも有効です。

 

ストレッチや軽い運動

涙を流している時は交感神経がたくさん働いています。ストレッチや軽い運動をすると、交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にする働きがあるため、高ぶっている神経を抑えて涙を止める効果が期待できます。

 

運動することが難しい時は、深呼吸をするだけでも効果があります。

 

涙もろさと特徴、考えられる病気についてみていきました。

 

涙を流す事は、ストレス解消にもなる有益な行為になります。あまり知られていませんが、意図的に涙を流そうとする「涙活」という言葉もあるようです。

 

ストレス社会と言われる現代社会で、自身のストレスとうまく付き合っていくために「涙活」を始めてみてはいかがでしょうか?

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