筋肉痛の治し方の裏ワザ!一瞬で治して楽になろう!
<監修柔道整復師 岡部大輔>
筋肉痛は、みなさん誰しも経験されていることでしょう。
普段よりちょっと余計に歩いただけで、翌日「あいたたた」となって、腕や肩のつらい痛みが数日続いたりします。
なってしまった筋肉痛の痛みから少しでも早く開放されて、積極的に体を動かす生活を送るためにも、
筋肉痛の素早い治し方をいろいろご紹介します。
筋肉痛の7つの治し方を紹介!
それでは、自分でできる筋肉痛の治し方をご紹介していきます。
あとで軽い運動を追加する
筋肉痛は運動中に乳酸が増えて筋肉内に溜まり、炎症を起こすことで発生するといわれている事から、この乳酸を早く追い出してしまおうというわけです。
特にマラソンや山登りなど、下半身を酷使した運動のあとはふくらはぎや足だけではなく、お尻まで筋肉痛になってしまいます。このお尻の筋肉痛も乳酸が原因です。
乳酸はもともと体内で自然に分解されて排出されているものですが、早く分解すれば早く乳酸が減って痛みもやわらぐ というわけです。
乳酸を分解(=酸化)するには酸素が必要。体により多くの酸素を取り込むには運動が最適です。
もちろん激しい運動したのでは乳酸がさらに溜まってしまうのでダメですね。
軽くゆっくりとしたランニングやウォーキングを10分ほど続けたり、ストレッチなどを数分やるだけでも十分効果が望めます。
クールダウンといって、運動選手なら習慣的に実行しているはずです。
筋肉痛になりそうだな と思ったら、面倒がらずにアフターケアをしっかりとやりましょう。明日が楽ですよ。
冷やして、温める
筋肉痛が起こってしまったら、まず冷湿布などで冷やして炎症をしずめます。
痛みが治まってきたら今度は温めて血行をよくし、筋肉内に溜まった乳酸の分解、排出を促します。
痛みの原因の一つとされる乳酸が減ることで、痛みが緩和されることが期待できます。
シップを選ぶ際、パッケージに「温める」タイプか「冷やす」タイプか明記してありますので、どちらのタイプか確認した上で購入しましょう。
またお風呂も効果的。温泉施設やスポーツジムのように水風呂があれば、温水浴、冷水浴を1分間隔で繰り返します。
家庭風呂だと浴槽から出て冷水をかぶることをゆっくり繰り返します。
両方とも10分間くらいが目安です。体に熱刺激を与えることで血流がよくなり、乳酸などの痛みの原因物質の排出を促します。
マッサージ
痛みのある部分を指でやわらかくマッサージします。あくまでやわらかく、です。さする、ふれる、といった感じです。
痛みを感じるほどだと炎症が起こっている場合にさらに悪化させてしまいます。
マッサージすると血液やリンパ液の働きで痛みの原因物質が体外へ出て行き、傷みの軽減につながります。
入浴時に行うとより効果的です。
特に妊婦やスマホなどの電子機器をよく操作する人は指の筋肉痛でもある「腱鞘炎」(けんしょうえん)にもかかりやすくなっています。
しっかり親指のつけ根もマッサージしておきましょう。
お酢をとる
酢に含まれるクエン酸は筋肉痛の原因とされる乳酸を分解する働きがあると言われています。
運動などのあとに飲んでおくと効果が期待できます。
酢と書きましたが、含まれているクエン酸が有効なので、これが多く含まれる梅干しやレモン果汁などでも効果は同じです。
飲みやすいという点ではレモンを1,2個絞って倍量の水で薄めるか、炭酸飲料などで薄めて飲むのがいいでしょう。
市販の果汁飲料だと、酸っぱくてもクエン酸でない酸味料を使っているものがあるので、できるだけ自分の手で作ったものの方が効果が確実になります。
また、黒酢は血行促進に効果があると言われているので、それが乳酸の分解排出にも役立ちます。
もちろん他の食酢にもクエン酸は十分含まれているので、醸造酢、果実酢、穀物酢などのいろんな分類にかかわりなく有効です。
ただ、酢は原液で飲んだり飲みすぎたりすると胃粘膜が荒れて、胃痛や胃炎になったりします。濃すぎたり、飲みすぎないように注意して、上手に利用しましょう。
クエン酸で乳酸分解
筋肉痛の原因の一つとして、使いすぎた筋肉繊維が疲労のために断裂し、それが傷みとして現れることがあげられます。
筋肉そのものが損傷しているわけなので、これを修復することが痛みの改善に直接つながってきます。
タンパク質をとる
傷ついた組織を直すのには筋肉の材料であるタンパク質がどうしても必要であり、これをできるだけ早く補給することが痛みの軽減につながります。
具体的にはまず、運動などの直後にタンパク質を多く含むものを摂ることです。脂肪が少なくて消化のいい肉や魚という事になります。
これらはまず胃腸で消化され、肝臓でアミノ酸に分解されてから傷んだ筋肉の修復に使われるという過程をとります。
このために、食べてから筋肉修復に利用され始めるまで、最短で2時間余りかかるとされますので、筋肉痛緩和のためにもっと早く利用しようと思えば、栄養摂取の食事改善よりもアミノ酸サプリの利用もおすすめです。
さまざまなアミノ酸サプリが市販されているのでお財布とも相談しながら選んでください。
運動などの前にあらかじめサプリメントを飲んでおくのもいいでしょう。
医師に相談する
いつもと違う激しい痛みを感じた場合はまず医師に診せた方がいいでしょう。
激しい痛みは大きな筋肉や腱(けん)が損傷していることがあるからです。
がまんしたり自分の判断でもんだり冷やしたりすると、状態が悪化して治療に手間どり、苦痛も大きくなったりするからです。
まず、いつもの筋肉痛かどうかを、ちょっと確かめましょう。
激しいトレーニングの後に腹筋などの痛みを感じる場合は、二日目のトレーニングは休むことも重要です。
筋肉や腱の損傷には安静にしておくことが最も効果的だからです。
また、特に運動していないのに筋肉痛がある場合も、やはり医師に診せましょう。骨や筋肉の病気かもしれません。
薬を服用する
鎮痛薬を使用して筋肉痛を抑える方法もあります。マッサージやストレッチでは解消できない筋肉痛におすすめの方法です。
具体的には風邪を引いた際の筋肉痛に効果があります。
咳や発熱などと共に、体中が筋肉痛になってしまったような痛みを伴う風邪を引く場合がありますよね。
これは風邪のウイルスを退治しようと身体の免疫システムが正常に作動している副作用になります。
この場合は鎮痛解熱効果のあるイブプロフェン配合の風邪薬を服用するといいでしょう。最近ではドラッグストアでも気軽に購入できるので、とても便利です。
すぐに効果が現れますが、筋肉痛は風邪と身体が戦っている証拠でもあるので、薬の服用は緊急時の手段としてとることをおすすめします。
筋肉痛の予防法を知っておこう
筋肉痛の治し方について述べてきましたが、「前もって予防できるもの」なら、それに越したことはないですね。
実は予防法もありますので、それも心得ておけば筋肉痛の痛みからも解放されるでしょう。
「筋肉痛の治し方の紹介」の中で取り上げたアミノ酸を摂ることですが、運動前に補給しておくと、損傷した筋肉組織の修復にすぐ役立ちます。
たんぱく質を含む食物を運動前に食べていれば、消化、分解されてできたアミノ酸がすでに体内に存在するので、
痛くなってから急いでサプリなどで補給するよりも素早く対処できます。痛みが軽くて済むはずです。
前項に同じく取り上げたクエン酸も同様、運動前に摂取して体内に十分存在する状態にしておけば、
筋肉痛の原因物質である乳酸が増え始めるとすぐ分解に取りかかれるため、筋肉痛も起こりにくくなります。
スポーツマンならご承知のはずですが、
運動前のウォームアップは、単に運動自体の能力を高めるためだけではなく、やるとやらないとでは筋肉痛の度合いが全然違います。
心拍数を100以上に上げ、軽く汗ばむ程度で十分なので、是非実行しましょう。
水分補給も大事です。運動中だけでなく事前に、運動に支障のない程度に補給してください。
水分が不足すると血液が栄養分や老廃物を運ぶ能力が落ちます。
クエン酸やアミノ酸が必要なところへ供給されにくくなり、筋肉痛になりやすくなります。
まとめ
日ごろの運動習慣も筋肉痛と密接な関係があります。
軽い運動を続けていると、老廃物や栄養分の運搬能力が高まり、少々のことでは筋肉痛が起こらなくなります。
また背中の筋肉痛や肩こりには、日頃の姿勢が響きます。
もしも姿勢の悪い生活を続けていると、筋肉や骨盤に余計な力がかかり、慢性的な筋肉痛を引き起こす原因となります。
姿勢は一日で簡単に解決できる問題ではないので、日々の積み重ねを大切にしましょう。
たまには日常生活をおくる自分の姿を鏡でチェックする習慣をつけておくと、筋肉痛の予防になります。
【参考記事】
ふくらはぎの筋肉痛が治らない!解消法はここを見て!
以上、筋肉痛の治し方と予防法について取り上げてきましたが、
これらのことを意識しながら筋肉痛のない運動を楽しみ、健康な生活を送っていただきたいと思います。
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