ゲッ!?足の裏が黄色い!原因は肝臓にある?
<監修医師 田中 恵文>
子供に靴下をはかせていて、足の裏が何だか黄色いのに気が付きました。
どうしたんだろう。病院へ行ったほうがいいんでしょうか。足の裏が黄色いと肝臓の病気をすぐに思いつき、不安になります。
足の裏が黄色くなる原因と適切な対処法についてまとめました。
気になる所から確認してみよう
足の裏が黄色い9つの原因
子供・乳幼児の場合 新生児黄疸
新生児のほとんどに見られる黄疸様の症状で、足の裏などが黄色くなります。
赤血球の代謝機能が未完成なため、未処理の色素が滞留して黄色く見えます。
通常一週間程度で収まります。
母乳中のホルモンの作用で症状が二週間程度長びくこともあります。
自然に収まりますので心配いりません。
子供・乳幼児の場合 先天性胆道閉鎖・拡張症
肝臓で作られる胆汁が腸に送られる通路を胆道と言います。
これが詰まっていたり広がって炎症を起こす病気で、症状として黄疸が現れます。
生後、二週間以上たっても新生児黄疸が治まらない場合、この病気が疑われます。
子供・乳幼児の場合 母子感染によるB型肝炎
分娩時に母親の血液や体液から感染します。黄疸症状を伴いますが発症率は1~2%です。
血液の抗体検査で診断は容易です。
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柑皮症 (以下は子供、大人共通です)
みかん類や黄色野菜、野菜ジュースなどを沢山摂取すると、多量に取り込んだカロチンが一時的に滞留して、皮膚が黄色く見えます。
みかんの黄色い汁が皮膚に着いたようにも見えますが洗っても落ちません。
子供に特有ではありませんが、子供は皮膚が薄いため、色がよく目立ちます。また同量の摂取量でも体の小さい子供の方が滞留しやすくなります。
高カロチン血症とも呼ばれますが、病気とはとらえられていません。黄疸との見分け方は、目も黄色いかどうかです。柑皮症で黄色いのは手足だけです。
角質硬化
足の裏の角質は、日々繰り返される歩行、運動、皮膚の再生機能の低下などで硬くなったり分厚くなったり、乾燥したりします。
その結果としてカサカサしたりカチカチになったりとともに、色が黄色味を帯びることがあります。
体質
色素の元となるビリルビンの代謝能力が弱い体質だと、色素が溜まって黄疸様の症状で皮膚が黄色くなります。
症状の原因となる病気は存在しないので、特に治療はしません。主に思春期以降に発症します。
腎盂(じんう)腎炎
膀胱や尿管から逆流した細菌が腎臓内の腎盂に到達して炎症を起こした病気です。
高熱がでて、黄疸が現れ黄色くなります。膀胱炎など尿路の炎症からはじまる事が多くなります。
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溶血性貧血
赤血球の膜に対する自己免疫で、赤血球が破壊され、赤い色素であるヘモグロビンがビリルビンに変わってしまいます。
増えたビリルビンによる黄疸とともに赤血球不足の貧血症状を伴います。
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足の裏の汗・異汗性湿疹
足の裏などに沢山汗をかき、その汗の成分の刺激で湿疹ができると異汗性湿疹と呼びます。
汗腺のうちのアポクリン腺(足の裏には多く分布します)から出る汗には、黄色い色素が含まれている事が多いのです。
足の裏に沢山汗をかく人は、色素のため靴下の足の裏や靴底が黄色くなったりすることがあります。
アポクリン腺の汗が原因のわきがと同じく、細菌がこの汗の成分に作用して、足の強いにおいの原因にもなります。
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この湿疹の症状は水虫とよく似ています。
判断ポイントは、この湿疹では両手両足同時に発症することが多くなりますが、水虫では足から手へ移る、または足のみの症状です。
水虫の炎症から、黄色い汁(うみなど)が滲むことがあります。
足の裏が黄色い時の対処法
柑皮症の時の対処法
特に病気ではありませんので、原因になった食べ物をやめてしばらくすれば治ります。
体質、角質硬化、足の汗が原因の時の対処法
<体質>
黄疸の症状だけで他に何の症状もない場合は体質かもしれません。先天的にビリルビンの代謝力が弱いだけです。
特に病変はありません。かゆみや倦怠感が出ることもありますが、診察診断を受けたうえで経過観察になります。
ただ、少数ですが後になって意識障害や痙攣を起こすクリグラー・ナジャール症候群の可能性もありますので、一度は検査診断の必要があります。
担当は小児科です。
<角質硬化への対処法>
足裏の皮膚が分厚くなると黄色見を帯びますので、治すには日々のケアが必要です。
金属の皮膚用ヤスリや軽石で削る、クリームで柔らかくするなどの方法があります。傷をつけると水虫の感染場所になるので注意してください。
<足の汗の対処法>
わきがと同じ対処になります。
まめに洗って清潔・乾燥を心がける、水虫対策の指付きとか吸湿性のいい靴下をはく、汗止めを使う、靴の消毒殺菌をするなど、自己対処が主になります。
汗がひどくて湿疹ができたり、炎症で黄色い汁が出るなどになれば皮膚科を受診します。
<新生児黄疸、先天性胆道閉鎖・拡張症への対処法>
新生児黄疸は生理的な現象なので、特に対処することはありません。
黄疸が強い時や二週間を目安に症状が治まらないときは、胆道閉鎖症などの可能性があるので検査、治療をすることになります。
退院後であれば小児科を受診します。
<肝臓の病気への対処法>
足の裏が黄色いだけでなく、目が黄色いのが黄疸の特徴です。
それに体のだるさ、全身のかゆみ、腹痛、発熱などが併発していたら肝臓、胆管、膵臓系統の病気が疑われます。
内科、消化器内科を至急受診しましょう。
<腎臓の病気への対処法>
下腹部痛、頻尿、血尿など膀胱炎、尿道炎の症状を併発していれば腎盂腎炎など腎臓に異常がある可能性が高いです。
泌尿器科を受診します。
<溶血性貧血への対処法>
さまざまな原因で赤血球が破壊され、黄疸症状が出る病気です。新生児から大人まで幅広く発症します。
主症状の黄疸により検査が行われて診断されそれぞれの原因に応じた治療をおこないます。
アレルギーが原因ならステロイドの内服、急性の場合は脾臓の摘出、胆石症を併発していれば胆嚢も摘出します。
担当科は原因により変わりますが、基本は血液内科です。
まとめ
足の裏が黄色い!ほっておけばいいものから深刻なものまで多種多様な原因と対策でした。
いずれにしても、これは何なのか という見極めが大変重要です。軽くあしらうのはあぶないですね。
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