羅漢果の2つの意外な副作用に注意【同時に効能も確認しておこう】
<監修薬剤師 seina akasa>
羅漢果(らかんか)は日本ではのど飴などで親しまれている果実です。近年はその果実の栄養価や効能について注目されることが増えています。
特に甘味料としてカロリーを気にせず摂れる上に、食物繊維が豊富なためダイエット効果も非常に高い食品です。
しかし昨今の研究により人工甘味料の危険性も示唆されており、羅漢果にも副作用があるのではといわれています。
そこで今回は羅漢果の驚くべき多様な効能と副作用について、羅漢果の果実の特徴と併せて以下に解説していきます。
そもそも羅漢果とは何?
羅漢果は、中国の清王朝時代にヤオ族の王が原因不明の咳が止まらず困っていたところに、羅漢という僧侶がある果実を煎じて飲ませたところ、たちまち咳が止まり、この果実を長寿の神果と名付けました。
人々はやがてこの僧侶の名にちなみ羅漢果と呼ぶようになったと言われています。しかしこの果実は国王が外部への持ち出しを永年禁じていたため、中国でもごく一部の特定地域でしか流通していなかったようです。
そして現在も、中国政府により国家保護植物に指定されており、生のままで国外に持ち出すことを固く禁じられています。
日本国内の店舗で目にするのは全て乾燥羅漢果で茶褐色をした直径5センチ前後のボール状のものです。生の果実は濃い緑色で表面は光沢があります。
羅漢果はウリ科の多年草つる性植物です。生育環境条件として、降雨量が多く日照時間が短いこと、昼夜の温度差が大きく水はけの良い土地であることを満たしてなければいけません。
中国の中でも、それらの条件が満たされる広西壮族自治区の桂林周辺でしか育たないとされ、さらにその地域は太古の時代に海が隆起してできた土地のため海水のミネラル成分が豊富なことから、羅漢果の薬効成分を高めているとされています。
ミネラルの効能についてはこちらを参考にして下さい。
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羅漢果にはこんな特徴がある
羅漢果は天然の生果実であれば光沢のある緑色をしており、一見キウイのような見た目をしています。羅漢果の果実は砂糖の300〜400倍の甘みを持つとされます。
甘み成分はテンペングルコシド配糖体というもので、水溶性の食物繊維であり体内では吸収されにくいため結果的に0キロカロリーです。また血糖値も上がらないといわれています。
これにより最近では砂糖に変わる代替甘味料として注目を集め、糖尿病の食事療法や妊娠糖尿病の予防、さらに生活習慣病予防にも期待されています。またビタミンやミネラルを豊富に含んでいるため、ダイエットにもオススメです。
羅漢果茶として摂取すると、カフェインを含まないため妊婦や子供でも安心です。
羅漢果の3つの効能を知ろう
抗酸化作用
羅漢果の生育環境から、活性酸素(フリーラジカル)が大量に発生することを防ぐ活性酸素消去能力が他の植物や果実に比べて非常に高い植物に進化していったとされます。
活性酸素が過剰になると老化の促進、がん、動脈硬化、アレルギーやアトピー炎症、心疾患、肝炎、パーキンソン病など数ある大病の原因ともいわれています。
羅漢果の抗酸化作用はこれらの防止効果に期待できます。しかし甘味料として果実から生成されてしまった場合はこの効果は期待できないようなので注意が必要です。
咳止め
咳を抑制することから咳止めに効果的といわれています。日本でものど飴などに添加され使用されています。
のど飴についてくわしくはこちらも参考にして下さい。
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整腸作用
食物繊維が豊富なため整腸作用がありますが、さらにテンペングルコシド配糖体は腸内でビフィズス菌の栄養となるため、より高い整腸作用効果が期待できます。これにより便秘にも効果的であるといえます。ダイエットにも嬉しい効果でしょう。
落とし穴?!羅漢果の2つの副作用に注意
低血糖症
羅漢果は成分が体内に蓄積されることがなく、余分な成分は体外に排出されるため副作用はほぼないといわれています。
純度100%の場合は血糖値の上昇はないですが、他の人工甘味料などを含む代替甘味料ではある程度の血糖値の上昇が起こる可能性があります。また一部の合成甘味料にはインスリンの分泌を促す働きがあると言われています。
分泌されたインシュリンに対して血糖値の上昇が少ないことで更に血糖値が下がり、空腹感から過食の原因になるという説があります。
そのためノンカロリーのはずが砂糖を摂っているのと同様にすい臓を疲弊させて糖尿病の原因を引き起こして、またインシュリンが分泌されて脂肪が蓄えられやすくなり肥満につながるというスパイラルが起こります。
低血糖の症状についてはこちらも参考にして下さい。
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依存性
甘いものを摂ることで大脳辺縁系でドーパミンが放出され、ドーパミンD2受容体を刺激し快楽を感じます。
甘いものを頻繁に摂取しドーパミンが分泌され続けると受容体に過剰な負荷がかかり受容体の減少が起こります。
すると今までの量では物足りなさを感じ、今まで以上により甘いものを欲するようになり依存性が生じます。過食も引き起こすとされます。
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