風邪で出た痰が緑色!原因はこんなサインです!
<監修医師 WASHIO>
風邪を引いて、ゴホッと咳としたら緑色の痰が!見るからに毒々しい塊ですよね。一体何の病気なのでしょうか、とても不安になりますよね。
ここでは、痰が緑色をしている原因とそれにまつわる危険な病気に関してわかりやすい解説をしていきます。
風邪を引くと痰が出る理由
ここで知っておいていただきたいことは、一般に「風邪」という病気はありません。
風邪とは「風邪症候群」という言葉の略で、この症候群はウイルスや細菌への感染をしている状態のことを指します。
よく、市販薬のテレビCMなどで喉からくるタイプ、鼻からくるタイプ、熱からくるタイプといっています。
これはそれぞれウイルスや細菌に感染して、どこに症状が現れるかというお話です。
風邪を引いたことによって痰が出る、ということは上記のタイプでいうところの喉からくるタイプです。
「急性上気道炎」という気道にあたる部分が炎症を起こしているので痰が出るのです。
風邪を引いたときに痰がでるのはこの気管に炎症を起こしているからです。
特に細菌性の風邪に感染したときはばい菌と戦った後の白血球の残骸が痰の中に含まれるために、白から黄色みがかった痰が出るのです。
夏風邪にかかると特に色の付いた痰がでやすくなります。
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そのため、咳をして出てきた痰は飲み込まずに吐き出してください。
緑色の痰が出た!その原因
緑色の痰、というとすごく病的な感じがしますよね。いわゆる真緑ではないけれど、黄色にややみどりががったような黄緑色をしていることがあります。それは何故でしょう。
実は細菌に感染していると痰に色がつきます。緑色は体内に取り込まれた細菌が作用して作り出されているのです。
「色のついた痰が出たら風邪が治りかけている証拠」という噂もあるようですが、実は全く関係がありません。
黄色や緑色といった色つきの痰は、どんな病気に身体が冒されているのかというサインになります。
次の項では何の病気でその緑色の痰が出てしまうのかという部分を解説します!
緑色の痰が続いたら危険な病気のサインです
普段の痰とは異なる、緑色の痰…一体何の病気なのか、心配になりますよね。体の中では到底生成できるとは思えない色ですので、より一層心配になります。
ここでは、緑色の痰が出る可能性のある病気をご紹介します。多くは抗生物質の処方などで改善できる病気なので、きちんと診察さえ受ければ治ります。
これを読んで病院に行くきっかけになって頂けると幸いです。
細菌性肺炎
緑色の痰が出る原因として、細菌性肺炎という病気があげられます。この病気は口から入った細菌が肺にまで到達してしまうことで発症します。
この原因菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌に多く、黄色ブドウ球菌などがあります。
健康な人でも肺炎球菌はかかることがあります。現在では研究が進み、肺炎球菌に対するワクチンも開発されています。
高齢者になると抵抗力も若いころに比べて低下してきますので、こういったワクチン接種を受けることで予防ができます。
どのような方に発症しやすいのかというと、煙草喫煙歴が長い方や肺に慢性的な疾患がある方は、口から侵入してきた細菌を除去する機能が低下しているために発症しやすい傾向にあります。
発熱や、咳、膿性の痰が主な症状になります。
また、これに加えて重症化すると胸痛が生じ、胸膜とよばれる肺を包む膜にまで炎症が拡大してしまうこともあるのです。
違和感のある痰がらみの咳に加えて発熱があるようであればなるべく早めに内科に受診をしましょう。
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肺結核
肺結核とは結核菌とよばれる菌への感染のことです。この結菌は空気感染をするのですが、全員が発症するわけではありません。
感染した人の中で10~20%の方が発症するといわれています。この肺結核でも緑色の痰が出る可能性はあります。
発熱や咳、疲労感や寝汗などのいわゆる風邪のような症状から始まり、1か月近く放置すると血痰や体重の減少など目に見える体の変化が出てくることもあります。
最初の風邪のような症状で受診をし、内服で様子をみて2週間以上症状が続けばこの肺結核が疑われます。
痰がらみの咳をただの風邪だと思っていると、このように肺結核という愛する家族をも巻き込む病気になっている可能性があります。
あまりにも長く痰がらみの咳が続く場合は受診をおすすめします。
緑膿菌肺炎
緑膿菌肺炎とは緑膿菌というグラム陰性桿菌が肺に感染することによっておこる肺炎です。緑膿菌という名の由来は、この細菌が分泌する色素によって痰や膿が緑色になることにあります。
緑膿菌自体は常在菌といって病原性が低い菌です。しかし、高齢者や抵抗力が低い方には感染することがあり、様々な悪さをします。
呼吸器系、尿路系など様々な部分に作用しますが、ここでは緑の痰が出る緑膿菌肺炎について解説します。実はこの緑膿菌は口の中にもいます。
健康な人の5%~12%ですが、長期療養目的で入院されている患者さんの口の中では50%に増えます。緑膿菌肺炎の感染経路は、口に付着している菌が気管支、肺に入ることです。
菌への抵抗力が低くなっているときに感染するのがこの緑膿菌です。症状としては、38℃以上の発熱にくわえ、呼吸困難、多量の緑色の痰がみられます。
この緑色の痰からは悪臭がするといわれています。ある日突然口臭に悩むようになり、身体の違和感がある場合は緑膿菌が原因かもしれません。
これらの症状があった場合には重症化する前にできるだけ早めに受診するようにしましょう。
その他用心したい病気
命に関わるほどではないですが、早めに診察を受けておきたい緑色の痰が出る病気がいくつかあります。まずは副鼻腔炎(ふくびくうえん)です。
慢性化すると蓄膿症という病気に変わるため、症状が出た最初の段階で治療を開始するのが一番です。
さらに妊婦はホルモンバランスの崩れから副鼻腔炎を発症しやすく、薬がなかなか使用できないために注意が必要です。
痰が出る以外にも、鼻づまりや喉の痛みといった症状が現れ花粉症と併発することもあります。
また鼻水の色も緑色になります。緑色の痰や鼻水が出るようになったら、一度耳鼻科を受診することをお勧めします。
次に逆流性食道炎という病気の可能性があります。
これはその名の通り、一度胃の中に入った物体が食道に逆流する症状で、炎症を引き起こします。
ストレスや食べ過ぎなど様々な原因がありますが、慢性化すると体調不良からくる様々な病気の原因となるので早めに改善しておく必要があります。
そして気管支喘息(きかんしぜんそく)も緑色の痰が出ます。喘息はアレルゲンや運動、ストレスにより気道に炎症を生じる病気で、ハッキリした原因はまだ特定されていません。
発作を起こさないようにする治療自体は確立されているので、早めに治療を開始することが重要になります。
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