お腹が鳴る意外な原因と考えられる病気【未然に防ぐ方法も伝授】
<監修医師 田中 恵文>
お腹が鳴ると、“お腹空いた~”とか、“食べた物を消化しているのかな?”とか思いますよね。
でも、長く続くようであればそれはもしかしたら病気かもしれません!?お腹が鳴る意外な原因や病気、それを未然に防ぐ方法を伝授いたします!
気になる所から確認してみよう
お腹が鳴る原因
腹鳴(ふくめい)
お腹が鳴ることを腹鳴と言い、空腹時の消化器官の収縮運動によって起こるものです。腹鳴という現象自体は健康な人にも起こり得る現象です。
空腹期収縮
食べ物が腸に送られ、胃が空っぽになると十二指腸からモチリンというホルモンが分泌され、胃壁がリングのような状態になり収縮し、入り口から出口に向かって大きく波打つ動きによって空気が移動し音が鳴ります。
空腹期収縮は、一般的に食事をしてから約4~7時間後に起こると言われています。
腹部膨満感
腹部膨満感は、満腹感とは違ってお腹が張ったように感じたり、圧迫されて苦しく感じたりすることを言い、下記のような症状があります。
✅ 実際サイズが増えてなくても、圧迫感でお腹が膨らんだような感じがする
✅ お腹が張ったような感じがして苦しい
✅ 少ししか食べてないのに、すぐお腹いっぱいになる
✅ 空腹感がなく、お腹が張ったように感じる
✅ お腹にガスが溜まっている感じがする
✅ ゲップをすると少し楽になる
✅ お腹がゴロゴロと鳴る
原因
■ 満腹状態
食べた物が消化されて腸に入る時、ガスが発生してお腹が鳴ります。よく腸が動いている音と表現されているのがこれです。
■ 早食い
食事をかき込み急いで食べて、食べ物と一緒に空気を飲み込んでしまい、それが胃腸に留まると、腹部膨満になります。
■ 食べた物
熱すぎる・冷たすぎる・辛すぎるなどの食べ物は、胃腸に対しての刺激が強く負担になっているために、胃腸の働きが活発になってしまい音が発生します。
■ 暴飲暴食
胃の消化機能を上回る飲食物の過剰摂取は消化に時間がかかる為、胃の中に食物が長く留まり、むかつきやもたれなど、膨満感の原因になります。
■ ストレス
ストレスにより自律神経が乱れて、胃の消化機能が低下したり腸のぜん動運動が弱まったりして胃の膨満感や便秘による腹部の膨満感が起こることになります。
■ 服装・ファッション
ウエスト部分を強く締め付ける服装をしていると、胃腸を圧迫して働きを妨げることになって、お腹が鳴る原因になります。
■ 食事中のおしゃべり
会話に夢中になり過ぎて、早食いと同じように食べ物と一緒に空気を沢山飲み込んでしまい胃腸に空気が溜まってしまいます。
■ 便秘
便秘が続くと、腸内に溜まったガスが排泄されずに腸に溜め込まれることで腹部膨満感の原因になります。
■ ガスを発生させる食品の過剰摂取
米・パン・イモ類などのでんぷん質食品、ゴボウなどのアクの強い食品、豚肉、甘いお菓子、炭酸飲料、ラーメンなどはガスを発生しやすいと言われていますので、過剰摂取には注意しましょう。
■ 病気
上記の原因がどれも当てはまらず、お腹が頻繁に鳴るようであれば胃腸が炎症を起こしたり病気の可能性があります。
お腹の張りについてはこちらも参考にして下さい。
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※ なぜこのような症状が起こるのかを理解し、自分自身の生活スタイルを見直しましょう!そして、病気が気になる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
考えられる病気の可能性
普通に生活していても、頻繁にお腹が鳴ったり、少ししか食べてなくても毎回音が発生する場合は病気の可能性もあるので、症状を確認して当てはまるような場合は病院へ行きましょう。
過敏性腸症候群
大腸や小腸などの消化管が過敏になっていることから、お腹が鳴る場合があり、その他の症状として腹痛、便秘や下痢が繰り返し続く、頭痛、食欲不振などがあります。
検査をしても消化管には異常がないのに、おなかあたりに不快を感じて前兆もなく症状が出ます。ストレスがかかわっているための症状と考えられるため、適度なストレス解消をしながらの治療になります。
治療についてはこちらも参考にして下さい。
【関連記事】
過敏性腸症候群の食事療法を紹介!【原因を知って治療しよう!】
胃炎
胃が炎症を起こすことを総称して胃炎と言います。
症状は様々ですが、主に腹部の痛み、吐き気、不快感などがあり、“ゴロゴロ”という音がするようです。お酒の飲み過ぎや暴飲暴食など胃が刺激を受けすぎた時に炎症を起こすことが原因です。
逆流性食道炎
胃酸や十二指腸液が口元へ逆流し、食道が炎症を起こすことを言います。
症状として、胸やけ、吐き気、喉のイガイガなどがあり、“ギュルルル”というような大きめの音が鳴ります。過度なストレス、暴飲暴食、喫煙などが原因になります。
治療方法についてはこちらも参考にして下さい。
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逆流性食道炎に効く7つの市販薬【これを参考にしてみて!】
呑気症
空気を無意識に多く吸い込んでしまうことで、お腹に空気が溜まってしまうという病気です。別名「空気嚥下症」という場合もあります。
症状として、お腹の張り、ゲップやおならの多発、胸やけ、痛みなどがあり、空気が多く溜まっているのでお腹が鳴ることが多くなります。原因としては、ストレスや早食いで発症することがあります。
大腸ポリープ・大腸がん
大腸にできるおできやガンでも、症状としてお腹が鳴ったり、お腹が張ることがあります。
漢方的な未病
漢方では病気の一歩手前のことを“未病”と言い、病気ではないけれど、放っておけば病気になる可能性が高いものです。
漢方的には痰濁などの毒素からお腹が鳴り、痰濁はストレスや消化の悪いものから発生すると考えられています。お腹が鳴る以外は特に何もないけれど、なんとなく心配・・・という時には、未病の可能性もあります。
未然に防ぐ方法
お腹が鳴る原因が病気とわかって治療や服薬をしてもすぐには治りません。実際に音が出てほしくない場面になった場合などの音を止める方法をご紹介します!
姿勢を正す
長時間のデスクワークや会議中などはついつい背中が丸まってきますが、この時背筋をピンと伸ばしてみましょう。背筋が伸びると腹腔が狭くなり空気圧で一時的に胃腸の動きを止めることが出来ます。
お腹を膨らませる
腹式呼吸の要領で、息を吸ってお腹を膨らませると空気圧で胃腸の働きが一時的に止まります。背筋を伸ばす方法と同時に組み合わせるととても効果的です。
腹式呼吸の方法についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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背中を叩く
胃の真後ろくらいの位置の背中をトントン叩くことで、胃に溜まった空気を腸に送る手助けをする事が出来ます。あまり大きな動きが取れない時に良い方法です。
又、背筋を伸ばす方法、お腹を膨らませる方法と一緒に行うのもお勧めです。
食生活を正す
毎日の食事の回数が違ったり、食べる時間が不規則だとお腹が鳴りやすくなります。
1日3食を出来れば決まった時間に決まった量をバランスよく食べると、胃腸も規則正しい動きをします。早食いを避けて、ゆっくり、よくかんで食べましょう。
水分を過剰に取らない
食事の時のお水やお茶はなるべく少なくしましょう。水分を摂り過ぎることで胃酸が薄くなって消化機能が弱くなってしまい、食べかすが残りやすくなることでガスが発生しやすくなってお腹が鳴る原因になります。
少しずつ喉の渇きを摂ることを意識して水を飲み、消化が終わってから水分を摂るようにすると、食べかすが残りにくくなります。
※ お腹が鳴るのには個人差があります。
お腹が鳴って恥ずかしい・・・と思っていても、実は病気やストレスが原因の場合もあります。原因になるような動作や行動は極力避けて、お腹が鳴るのをなるべく少なくしましょう。
そして、もしも病気の可能性があると感じたら、早めに病院で受診しましょう!
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