メラノーマの初期症状はコレ【4つの種類をご存知ですか?】
<監修医師 WASHIO>
皆さんの身体のどこかに必ず「ほくろ」が見られるかと思います。
ほくろなのであまり気にした事はないかもしれませんが、そのほくろが実は私たちの身体に重大な影響を及ぼすものだったとしたら・・・。
今回は「メラノーマ」という病気について解説していきます。
メラノーマとは?
メラノーマとは「悪性黒色腫」という皮膚がんの一種で、特に進行速度の速いがんと言われています。
一般的にはほくろの癌と考えられていますが、メラニン色素を作る「メラノサイト」という細胞が悪性化したものを言います。
メラノーマの初期症状!4つの種類
ほくろに似ているメラノーマですが、その色や形によって様々なタイプに分けられます。その4つの種類についてご紹介します。
末端黒子型黒色腫(まったんくろこがたこくしょくしゅ)
日本人が一番発症しているのがこのタイプのメラノーマです。主に手のひら、足の裏や足の爪の身体の末端部分に発生します。
「血豆」にも似ているので、知らないうちにぶつけたのかな?と勘違いされる方も多くいるようです。
初期には褐色~黒褐色の色素班が出来、爪に出来た場合には黒褐色の筋が広がっていくような形になります。
メラノーマの中でも比較的、進行速度が緩やかなので治る確率も高いといわれています。
表在拡大型黒色腫(ひょうざいかくだいがたこくしょくしゅ)
母斑細胞(ほくろの細胞)から発生するもので、子供から老人まで年齢に関係なく出来る可能性のあるメラノーマです。
身体のどの部分にも出来る事が報告されています。
初期症状は少し盛り上がりのある色素班が出来、その後進行していくと色がまだらになり、縁の部分がいびつな形になってきます。
発症例としては少ないタイプでしたが、近年増加傾向にあります。
結節型黒色腫(けっせつがたこくしょくしゅ)
進行速度が速く、転移の可能性のある、悪性の強いメラノーマです。40代から50代に多いと言われており、全身どこにでも発症します。
初期症状としては皮膚の盛り上がりがあり、黒っぽいものから白っぽいものまで様々です。
進行が速いので、最初から表面だけでなく深部に到達している可能性があり、症状が見つけにくい事から発見時には手遅れになっていることもある病気です。
悪性黒子型黒色腫(あくせいくろこがたこくしょくしゅ)
発症例が一番少ないタイプのメラノーマです。60代以上の高齢者によく見られるもので、顔(唇などにも)や頭部、首や手の甲など、人が良く直射日光を浴びやすい部分にできるのが特徴です。
ケースによっては太ももなどにも出来る事が報告されています。
初期症状は黒っぽいあざのようなものが出来、だんだんと進行速度が増すと色が濃くなっていきます。
メラノーマの中では比較的進行速度の遅いものになりますので、治療後に完治する確率も高いです。
メラノーマの早期発見のポイント
メラノーマの早期発見のポイントには4つの事が挙げられます。
年を取ってから、ほくろやシミが出来た
30代以降にしみやほくろが出来た場合には、注意が必要です。「こんなところにあったかな?」と思った場合には気を付けて見ておくようにしましょう。
背中などに出来る場合もありますので、自分で見えにくい場合には家族に確かめてもらうようにすると良いです。
また、美容皮膚科などでシミを除去するレーザー治療などもありますが、そのシミ治療の際にメラノーマが発見される事もあります。
シミだと言って油断せずに、まずは気になるようでしたら皮膚科医の診察を受ける事が重要です。
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大きさが7mm以上ある
子どもの頃から大きなほくろがある部分には経過観察でよいかと思いますが、大人になってから出来たほくろが大きくなった場合には注意が必要です。
その目安が7mm程度と言われていますが、急速にほくろが大きくなり、かゆみがあったり、その部分の皮膚が破れたりする場合には特に注意が必要です。
7mmだとかなりほくろの中でも大きめだと思いますので、気が付いたら早めに病院を受診しましょう。
濃さと形に注意
メラノーマは濃い黒っぽい色のところもあれば、薄い茶色っぽい色の部分もあったりと、色にばらつきがあります。
また通常のほくろのように丸い形ではなく、いびつな形をしている事が多いですので、色や形が通常のほくろよりも「ちょっと変だな」と感じたら、要注意です。
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爪の変化
特にぶつけた覚えがないのに「爪の半分に黒い線がある」「爪が急に割れた」という場合には注意が必要です。
血豆と見分けがつきにくい場合もありますが、爪のメラノーマの可能性もありますので、早めに病院を受診するようにしましょう。
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メラノーマは悪化すると危険です
メラノーマは早期発見する事で、手術でほぼ100%完治することが出来、生存率も100%の治療可能なガンです。
メラノーマを発見する際には皮膚科にてダーモスコープ検査というメラノーマであるかどうかを見る医療用の拡大鏡にて診断します。
この検査によってメラノーマの疑いが出た場合にはセンチネルリンパ節生検という検査で、リンパ節を調べる事で転移などがないかを確認します。
後にCTやレントゲンなど総合的に検査をする事で、メラノーマの進行状況を確認します。
メラノーマと診断された場合にはメラノーマに関しては抗がん剤などが効かないと言われているため、ほとんどメラノーマである腫瘍を手術によって切除する治療法が効果的と言われています。
しかしながら、転移が認められた場合には化学療法で治療しますが、完治する事はまずないと言われ、治療するがん患者の5%がメラノーマの患者で、その死亡率も8割に上るといわれています。
それだけ進行の早いガンである事が伺えますね。メラノーマの原因ははっきりしたことはまだ解明されていませんが、紫外線を吸収しやすい白い肌の方、いわゆる白人に多い事も報告されています。
子どもの頃から長い期間、日光に当たる事はなるべく避けるようにする事も一つの予防法だと言われています。
メラノーマは早期発見、早期治療が重要な病気です。
普段気にならなかったほくろが急に大きくなった場合などには、注意が必要であり、病院を受診する事をお勧めします。
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