あくびが止まらない原因!この病気が関係していた!
<監修医師 まっちゃん>
日常生活で「あくび」が止まらない、それはくしゃみや咳などと同じで生体の防衛反応による生理現象です。
しかし、あくびのなかには眠くもないし、疲れてもないのにでるあくびがあります。
生あくびと一般的によばれていますが、このあくびの場合病気の前兆であったりしますので注意が必要です。
止まらないあくびの原因と病気が原因の可能性について紹介します。
気になる所から確認してみよう
あくびはナゼ出るのか?
あくびは眠い時や疲れた時、退屈したときにでる普通の現象です。
口を大きく開けて空気を吸い込み体や脳に酸素を供給し活性化するためや、二酸化炭素交換のためと一般的に考えられていますが、その原因やメカニズムは解明されていない部分もあります。
生あくびが止まらない原因
あくびが頻発して止まらない場合があります。
その原因はいくつか考えられますので原因を解説します。
眠い時、退屈なとき
眠い時や退屈な時にあくびがでますが、これは脳の働きが低下してきた証拠です。
大きく口を開け体に刺激を与え新鮮な空気を取り込むことによって脳を活性化する訳です。
ストレスなどで緊張したとき
体にはすみずみまで色々な神経が走っています。
その神経の中で循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するものを自律神経といいます。
自律神経には交感神経と副交感神経がありお互い拮抗する働きをしており、ストレスなどで緊張しますとこの交感神経が活発になりますので副交感神経がバランスをとるため拮抗することであくびがでます。
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脳が疲労したとき
集中が続いたりして脳内エネルギーを消耗して脳が疲労したとき、働きが鈍った脳を活性化しようと酸素を取り込もうとするためにあくびがでます。
他の人からうつったったとき
部屋等に他の方と一緒にいるとき、他の方があくびをすると自分にうつってあくびをすることがありますが、
これはその場所、部屋などの二酸化炭素濃度が高くなっていてその交換のためあくびが出る場合がその状態です。
また、あくびをした人が知っている人である場合などよけいに感覚的に反応しあくびがうつるといったことがあります。
寝起きのとき
寝起きの時もあくびが出ます。これは体や脳が活動を開始するときに酸素を必要としてあくびによって補うと考えられています。
食事の後
食事が終った後あくびが出ることがありますが、これは食後、胃などの消化器官に血液が集中的に集まり脳内に酸素が不足しますので血液中の酸素を補おうとしてあくびが出ます。
脳の温度調節
最近唱えられている説としては、脳の活動により脳内温度が高くなっとき、あくびをすることにより酸素を取り込み脳内温度を下げることがあると言われています。
あくびが止まらないのは病気の可能性もあり
では、眠くもないのに、疲れてもいないのにといった状況であくびが出ることがありますが、この場合はその原因としてある「病気」が潜んでいるかもしれません。
考えられる病気について説明します。
片頭痛
頭痛の中でも機能性頭痛とよばれるものに片頭痛があります。
これは頭蓋内の血管や硬膜(3層からなる脳の髄膜の一番外の層)に炎症や拡張、圧迫といった機能的な要因で起こる頭痛です。
この頭痛が出る前兆としてあくびが出ることが多いです。あくび以外に頭痛や吐き気などが随伴症状として現れます。
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貧血
貧血とは体内における鉄の供給が需要に追いつかなくなり、体内の鉄成分が欠乏し血中のヘモグロビン(Hb)濃度が低下する病気です。
最も頻度が高い貧血は鉄欠乏性貧血で日本人女性の約19%に認められます。
その貧血の場合ヘモグロビン減少により血中の酸素が不足するため、酸素を補おうとするためにあくびがでます。
他の症状としては個人差がありますが、めまいや立ちくらみ、易疲労感、動機息切れ、顔面蒼白などがあります。
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脳梗塞(のうこうそく)
脳虚血による虚血性脳血管障害で脳組織が壊死(えし)に至る場合が脳梗塞です。
脳梗塞には一過性脳虚血発作(TIA)、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原生脳塞栓症などがありますが、いずれも脳の血流が血栓でつまったり、脳血管が閉塞して起きます。
その結果脳血管に酸素が不足してあくびがでます。
これらの病気には他に吐き気や頭痛があり特に発症しますと迅速な検査や診断治療が必要ですのでたかがあくびと侮るなかれ、要注意です。
心筋梗塞
心筋梗塞は心臓の太い血管(冠状動脈)がつまったり、血流の流れが悪くなるために起きます。その結果血液中の酸素が不足しますので酸素を補おうとしてあくびが出ます。
急性の心疾患で激しい胸や背中の痛みを伴いショックに至る事もありますので、この疾患を持っている人は注意が必要です。
また、おなじ虚血性心疾患で狭心症の場合発作の前兆として冷や汗とともにあくびがでます。
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睡眠障害
入眠や睡眠に何らかの異常がある状態を睡眠障害といいますが、これによって昼間に脳の働きが低下したときに脳内への酸素の取り込みを行うためにあくびが頻発します。
不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの睡眠異常や不安障害やうつ病を伴う不眠なども考えられます。
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糖尿病
糖尿病(DM)はインスリンの作用不足による慢性の高血糖状態をいいます。
小児に多いⅠ型糖尿病や、成人に多いⅡ型糖尿病、その他妊娠糖尿病などがあります。
糖尿病患者はインスリンが不足していますのでインスリン注射によりその量を調節する必要がありますが、インスリンの量が多くなり低血糖状態になったときにその症状のひとつにあくびが出ます。
あくびが止まらず何回も出たり、日中眠気に襲われたり急激にやせたり、尿が泡だったりする徴候があれば糖尿病が疑われます。
また。糖尿病治療中であくびが何回も出るようでしたら低血糖を起こしている場合があります。
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自律神経失調症
自律神経には交感神経と副交感神経がお互いを補って働いています。
そのバランスが崩れることによって表れる症状として血行不良や血液循環の乱れがありそれを補おうとしてあくびが出ることがあります。
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更年期障害
主に女性に起きますが、閉経前後の40代後半から50代前半の期間に起き卵巣機能の低下で女性ホルモンが減少することにより様々な障害・疾患が生じます。
その一つに異常な疲労感を覚え、その結果あくびが止まらないことがあります。
低酸素血症
動脈中の酸素が不足することによる予兆としてあくびが出ることがあります。
高山病や一酸化炭素中毒や慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺疾患にともなう呼吸障害でもあくびがでます。
あくびが止まらない病気の対処法
寝不足や、疲れなどであくびが止まらない場合は、睡眠を十分とったり休憩を取るなどでその解消を図れます。
しかし、あくびの原因に病気が考えられる場合があれば、やはり病院を受診することがすすめられます。
特に脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病などが疑われる場合は、前兆としてのあくびを見逃さないようにして一刻も早く受診する必要があります。
特に緊急性を伴う場合は命の危険もあり一刻も猶予がありません。
生命予後にも影響しますので本人のみならず周囲の方も注意、観察が必要です。
また、片頭痛、貧血、睡眠障害、自律神経失調症、更年期障害、低酸素血症などの場合は、緊急性はないものの必ず病院を受診しその基礎疾患の治療に取りかかるべきです。
現在は薬物治療や心身のセラピーなどがありますので積極的に受診するのが望ましいと言えます。
病院は何科を受診すべき?
あくびがよく出る場合病気が原因と考えられるときは、とりあえず内科を受診し、必要に応じて精神科や循環器専門の科や脳外科などを受診することになります。
緊急性がある場合は、脳外科や心臓外科などを受診しその症状にあった処置や手術を受けることになります。
たかが「あくび」と軽んじることなく、随伴してあらわれている身体の徴候や症状を注意深く観察し対処することが重要です。
なおかつ早めの対応が命をも救う事になるかもしれません。
実際迅速な処置で命が救われたという事例も多くありますので、侮ることなく対応することが大事です。
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