喉仏が痛い!【9つの原因や考えられる病気を徹底解説!】
<監修医師 吉野 聖奈>
喉仏というと男のもの、と思っていませんか?甲状突起または甲状隆起といって女にもあります。目立たないだけです。
さて、喉仏が痛い、といえばあなたは風邪の他に何を思い浮かべますか? 喉仏が痛い、怖い病気もあるかもしれませんよ。
気になる所から確認してみよう
喉仏が痛い9つの原因と対処法
喉仏の周囲には、甲状腺を始め気管や食道、声帯、リンパ節などがあります。
喉仏が痛いのなら、この辺に何かが起こっているのかもしれません。
具体的にはどんな原因があるのでしょうか。そしてその対処法についてお伝えします。
風邪
風邪と一口にいってもいろいろな症状があります。喉仏のあたりに違和感があったり痛いのは、外から入ってきた病原体に体が反応して、侵入させないように戦っているためです。
体には戦うときに細菌やウィルスだけを攻撃する賢さはなく、のどの粘膜まで傷つけてしまうために痛みや熱、腫れが起こります。
症状が軽ければ喉をうがいなどで洗い流したあと、安静にして休んでいれば治まります。痛みが強ければトローチやのど飴などでやわらげます。
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スプレー剤や、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、ウィルスや細菌を消毒・殺菌する成分を含む市販薬も有効です。
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1~2日休んでもよくならず、悪化するようなら我慢せず受診します。
喉の症状だけなら耳鼻咽喉科、高熱、頭痛や胸が苦しいなど他にも症状があれば内科がいいでしょう。
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扁桃腺(へんとうせん)炎
風邪が悪化すると扁桃腺に炎症が起こります。喉仏の横のあたりで、左右どちらかの片側、または両側が強く痛みます。
唾を飲み込むと痛かったり、38度を超える高熱や寒気もあります。
喉の奥には扁桃腺の腫れがあり、そこに白い膿が見えることもあります。
耳鼻咽喉科か内科を受診したほうがよいのですが、すぐ行けない場合は殺菌消毒成分を含むうがい薬や、炎症を抑える成分のトラネキサム酸、カンゾウエキスなどを含む内服薬が有効です。
病院では細菌感染に効果的な抗生物質が使われます。原因がウィルスの場合抗菌剤は効果がなく、対応が変わります。
私たちには細菌かウィルスかの判断は無理なので、市販薬が効かないようなら早急に耳鼻咽喉科を受診してください。
きちんと治療しないと、喉の痛みや異物感が繰り返しおこる慢性になる恐れがあります。
喉以外に関節、腎臓、皮膚などに別の症状を引き起こす原因になります。
抗生物質が効きにくくなり、ステロイド剤を使ったり扁桃の摘出手術が行われます。
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インフルエンザ
喉の痛み、違和感など初期には風邪とよく似た症状です。あわせて高熱、関節・筋肉痛、息苦しさなども現われるので、早めに判断して内科を受診してください。
検査するとすぐ診断でき、対処も風邪とは違って、ウィルスへの対応になります。
◎急性喉頭蓋(こうとうがい)炎
B型インフルエンザが原因の80%といわれる症状で、炎症が喉仏の裏、声帯の上にある喉頭蓋まで広がって痛みや腫れを起こします。
腫れのため気道が狭くなり、呼吸困難をおこすことがあります。症状が急激に進むので、インフルエンザになったら注意が必要です。
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甲状腺炎
甲状腺は喉仏のすぐ下側にあります。ここに炎症が起こって腫れるため、痛み、発熱が起こります。
普通左右どちらかがしこりのように硬くなり、押すと痛いとか喉仏を動かすと痛い症状があります。
また全体が腫れたり、逆の方向へ移動することもあります。原因ははっきりしていませんが、風邪など感染症の影響とされています。
場所的にバセドウ病と間違えて心配されますが、病院で検査すれば簡単にわかります。
受診は内科か、あれば内分泌科、甲状腺科がいいでしょう。薬がよく効き、慢性化や再発もあまりありません。
甲状腺にはがんや良性腫瘍、バセドウ病も発生しますが、多くはしこり、腫れが主な症状で痛みはないことが多いようです。
がんであっても経過は良好です。ただ、痛み、発熱、しこりが急速に大きくなるなどの場合は、まれですが悪性のがんの恐れがあります。
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ヒステリー球
症状としては、喉に異物があるような違和感、飲み込みにくさ、吐き気、息苦しさ、首への圧迫感、喉が痛いなどがあります。
器質的な異常はありません。ストレスなど何らかの影響で自律神経のバランスが崩れ、刺激が喉の周囲に伝わり緊張して症状が現われます。
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この症状が出る状態だと、他にも寝不足や疲労感、抑うつなどのストレス症状が出ているかもしれません。
喉の症状が長びくようなら、心療内科で診察を受けたうえで原因のストレス解消につとめます。
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喉頭がん
喉頭がんは声のかすれ、異物感とともに痛みが代表的な症状です。風邪に似たイガイガ感のある痛みです。
喉の薬を飲んでも効かず、痛みが1ヵ月も続くようならがんが疑われるので、耳鼻咽喉科を受診してください。
この部分で似た症状のがんとしては、咽頭がん、食道がんの可能性があります。
がんの他には感染症による慢性的な炎症、胃食道逆流症などがあり、これらはがんの原因ともなり得るので、喉の痛みが長びく時は耳鼻咽喉科で診断をうけてください。
リンパ節炎
リンパ節はリンパ腺とも呼ばれ、全身に広がるリンパ液のパイプラインであるリンパ管の結節部で、濾過(ろか=こし取る)機能があり細菌や異物を処理します。
首やわきの下、足の付け根に多く集まります。
◎細菌性
風邪の細菌がリンパ節の中で白血球と戦う時に起こる炎症が細菌性リンパ節炎です。痛みや発熱、腫れが起こります。主に抗生剤で治療します。
◎ウィルス性
ウィルス性リンパ節炎は、細菌性に比べると痛みや腫れは軽くなりますが、複数のリンパ節が腫れてきます。抗生剤は効かないので抗ウィルス剤での対応になります。
原因はどちらでも、風邪で起こった扁桃腺炎や咽頭炎を治療すればリンパ節炎も治まります。受診は耳鼻科、内科のどちらでも大丈夫です。
結核性リンパ節炎
結核菌の感染でリンパ節が腫れます。喉の上のリンパ節が腫れて痛みがあります。
外見でも赤く腫れているのがわかります。診断は内科か呼吸器科になります。
組織の一部を取ったり、分泌物を調べたりして結核菌の存在をを確認し、抗結核薬で治療します。
正中頸嚢胞(せいちゅうけいのうほう)
正中頸嚢胞は、首の中央部、喉仏のあたりに腫瘤ができる症状です。
先天的なものですが、生まれてすぐ気づくことはめったにありません。
成長する過程で球状のふくらみが出るようになってわかります。細菌感染などをおこすと腫れたり痛みが起こります。
一般的には経過観察し、悪性化する可能性があるので時機を見て手術で摘出します。初めて受診する場合は耳鼻咽喉科になります。
まとめ
喉仏の痛みの原因と対処法でした。単に喉が痛いといっても原因・病気が複雑に絡みあい、対処もそれぞれ分かれます。
間違えると悪化するばかりです。この情報を参考にして、慎重に対処してください。
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