目の奥が痛い!片目だけなのはコノ病気かもしれない!
<監修医師 ゆまこ>
目の奥が痛い!
片目だけ?なぜ?
痛みが酷かったり、それが長時間、毎日だったりすると仕事や家事や勉強など色々な事が億劫になってしまいませんか?
日常生活に支障をきたす恐れがある辛い目の奥の痛みにはどうすればよいのでしょうか。
今回は片目の奥が痛くなる原因、関連する病気、対処法などをご紹介します。
片目だけ目の奥が痛い!その原因
群発頭痛
片目だけの痛み、目を抉られるような激しい痛み、痛みが1~2時間出現している、1~2か月の間、毎日痛みがあるなどの症状があるなら群発頭痛を疑います。
はっきりとした原因は不明ですが、目の後ろには内頸動脈が走っています。
その内頸動脈が拡張する事により目の奥の痛みが出現するのではないかと言われています。
血管が拡張した時に右目であったり、左目であったりとどちらかが強く痛みます。
集中して痛みが続く時期を群発期といい、目を抉られるような痛みの為、かなりの苦痛を伴います。
夜間、特に明け方に痛みが出やすいとされています。
自律神経失調症
目の奥が痛い原因には自律神経の乱れが起こしている可能性があります。
自律神経とは交感神経と副交感神経の二つの事を指します。
交感神経は主にストレスに対処する神経で、これが活発な時はアドレナリンが分泌されています。
このアドレナリンの作用により血管が収縮し筋肉も緊張状態になります。
心臓が緊張してドキドキしている時は、心臓が活発に活動し交感神経が活発な証拠です。
副交感神経はリラックスしている時に活発となります。
副交感神経が優位だと、血管が拡張して内臓に血液を巡らせます。
身体にはこの二つのバランスが大切なのですが、ストレスの多い社会生活では、どうしても交感神経が優位になりがちです。
常に緊張状態で血管が狭いままだと、血流が滞ります。
また血管が収縮したままだと、血管や筋肉は硬くなりがちとなり、急に副交感神経が働き血管が拡張すると血管が炎症を起こします。
炎症時に痛みを引き起こす成分プロスタグランジンが発生し、結果目の奥の痛みが生じていると考えられます。
群発頭痛で明け方に目の奥が痛くなるのは、夜間睡眠中に副交感神経が優位となり血管が拡張したためとも考えられます。
【参考記事】
自律神経失調症の治療と薬について!病院では何科を受診する?
ストレス、生活リズムの乱れ
上記でも述べた自律神経ですが、そのサイクルを乱すのが生活リズムの乱れと言えます。
仕事などで緊張していたり、残業が多かったりなどストレスフルな生活を続けている場合にも痛みが起こりやすい原因と言えます。
また人間関係などのストレスを溜めこんでいたりすると、体は常に緊張状態に置かれています。
身体が常に興奮している状態だと筋肉も固まり、血行も悪くなり、疲労物質が体内に溜まりやすくなります。
慢性的にそれが続くと普通にしていてもリラックスしにくい身体になってしまい、痛みも発生しやすくなります。
【参考記事】
ストレスが原因の病気一覧!心臓や脳にも悪影響を及ぼします!
過度の喫煙、飲酒をしている
飲酒は適度に飲めば血行を促進する事もありますが、一度の飲酒量が多かったり、その習慣が長期にわたると逆に血圧を上げる原因になります。
お酒を飲むとポカポカしますよね。
ですが、飲みすぎると逆に血管が拡張するよりも、収縮してしまいます。
結果、血行は悪くなります。
喫煙もニコチンにより血管を収縮させてしまうので、血流を悪くしてしまいます。
血流が滞っているところへ、一気に血管が拡張するような事が起こると強い痛みを引き起こしてしまう原因となります。
目の奥が痛いのは危険な病気の可能性もあります
脳腫瘍
まず、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が見られます。
脳腫瘍の部位によって目の奥が痛む場合があります。
頭痛などは上記の群発頭痛にも似通って、「明け方に酷く」なります。
しかし、脳腫瘍の場合、日に日にその痛みの程度が悪化していきます。
また、吐き気、嘔吐に続き言葉を上手く話せなくなったり、意識障害、手足の麻痺症状が出たりなどの重篤な障害が出始めるのが特徴です。
おかしいな?と感じたら速やかに脳神経外科などの診察を受けるようにしましょう。
クモ膜下出血
一番の症状として、バットで殴られた様な激しい頭痛に襲われます。
しかし、痛みが全く無い場合もあります。
その場合、くも膜下出血では目の異常から早期発見する事が出来る場合があります。
片目だけ瞼が開かない、目の奥に痛みがある、物が二重に見えるなどです。
言葉のろれつがまわらなくなったり、吐き気、嘔吐、進行すれば意識障害、呼吸障害などの症状が現れます。
脳腫瘍と同じく、命に関わる重篤な疾患ですのでおかしい!と思ったら速やかに脳神経外科などの診察を受けるようにしましょう。
【参考記事】
くも膜下出血の前兆をチェック!目に異常が出たら危険!
緑内障
緑内障は放置すると失明する恐れのある恐ろしい疾患です。
必ずしも目が痛くなるとは限りませんが、急性の緑内障では急激な目の痛みに襲われる事があります。
症状としては急激な視力の低下と共に、激しい頭痛、吐き気にも襲われる事があります。
症状が現れたら迅速に診察を受ける必要があります。
慢性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎は蓄膿症とも呼ばれます。鼻汁がたまり、さまざまな症状が引き起こされます。
その中に頭重感、頭痛、頬の痛み、目の奥の痛みなどが挙げられます。
現在慢性的な鼻づまりで生活に支障をきたしているなら、慢性副鼻腔炎を疑うといいでしょう。
鼻づまりで呼吸苦だけでなく、仕事や物事に集中出来ないなど様々な弊害があります。
また、悪化すると咳や喘息のような症状も見られますので風邪だと思いこまずに内科、耳鼻咽喉科などの診察を受けると良いでしょう。
【参考記事】
蓄膿症の頭痛が治らない。緩和する3つの方法!
目の奥の痛みを和らげる対処法
目の奥の痛みは、強い痛みから引き起こされる頭痛や吐き気、更に目まいといった不快な症状が連続して引き起こされてしまう大変辛い症状と言えます。
放置しても良くなる事はまず無く、何度もぶり返したりする事が多いでしょう。
ですので、不快な目の奥の痛みを軽減する方法をいくつかご紹介します。
パソコンやスマートフォンの使用を控える
パソコンやスマートフォンの長時間の使用は血流を低下させる原因となります。
血流が悪くなると頭痛や肩こりになりやすくなるのです。
スマートフォンでは見ている時うつむきがちで同じ姿勢で目を酷使してしまいがちです。
パソコンも目を酷使し、キーをタッチする為に腕をキーパッドに置く姿勢で自然に首や肩に力が入り、結果肩こり、目の疲れ等が出現します。
仕事中でも家でも画面を見ずにリラックスする時間を作り、目や凝り固まった肩や首を休ませると良いでしょう。
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マッサージや簡単なストレッチをする
自宅でもマッサージオイルなどを用いて首筋や肩、その他凝りがある部分をほぐしてあげると良いでしょう。
費用はかかりますが、お店でプロのマッサージの方にほぐしてもらうのも良いでしょう。
交感神経がたかぶって緊張気味な体にはリラックスする時間が必要です。
手軽な方法では勢いよく出したシャワーを顔や肩、首に当ててあげるだけでも血行が良くなったりします。
また、簡単なストレッチを朝と寝る前に行うだけでも凝った筋肉が伸びて血行が良くなります。
15分湯船につかる
冷えたり、ストレスで血行が悪くなった末梢の血管の血流を良くする方法です。
血管が拡がる事で自然とリラックスモードになります。
冷えて凝り固まった身体で寝てしまうと明け方に痛みを引き起こす原因になります。
なるべくなら寝る前に39~40℃のぬるめのお湯に15分はつかるようにしましょう。
徐々に血管が拡がり、疲労物質などの排出も促してくれるでしょう。
禁煙、禁酒をする
仕事などの付き合いでなかなか禁酒をする事は難しいかもしれません。
一杯だけにとどめるなど、徐々に飲酒量を減らしていきましょう。
また禁煙もいきなり辞めるのは至難の業でもあります。
禁煙外来などもありますので、少しずつタバコの本数を減らす取り組みをしていきましょう。
嗜好品なので楽しみの一つでもありますが、血行を阻害し、痛みを起す原因でもありますので注意しましょう。
我慢せずに鎮痛薬を飲む
痛み止めは良くないからといって、薬を飲まずにいると痛みが酷くなり、結果痛みによるストレスで血圧が上がったり、さらに痛みも更に悪化し、吐き気、嘔吐、めまいなどの症状も出てきてしまったりします。
上記で述べた群発頭痛では命に危険はありませんが、痛みを我慢しすぎることによって日常生活に支障が出てくる場合もあるでしょう。
群発頭痛では市販薬の痛み止めは効きが良くない場合があります。
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我慢しすぎるのは良くありません。
頭痛を専門とした頭痛外来や脳神経外科、神経内科などがありますので、強い痛みが数日続いている、痛み止めを数時間おきに飲み続けている場合は迷わずに受診しましょう。
痛み止めは消化器の炎症を起こす副作用があります。飲みすぎは良くありませんので注意しましょう。
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