鎖骨の下が痛い原因!右側か左側かで原因が違う!?
<監修医師 ドクターTST>
突然、鎖骨の下が痛い!なんてことありませんか?心臓が近いだけに、とても心配になってしまいますよね。。
今回は鎖骨の下が痛いときはどんな病気が考えられるのか調べてみました。
右鎖骨の下が痛いと時の原因と対処法
そもそもどうして痛みを感じるんでしょう?動物が痛みを感じるとき。
それは体のいたるところに張り巡らされた神経が刺激を受けて、痛みとして脳に伝達しているからです。
右の鎖骨の下あたりがズキズキと痛み、次第に手がぴりぴりしているような、だるいような感覚の場合。
ひどいと咳をするだけでも「ズキッ」と痛む。その多くは外科的な原因であるものがほとんどです。
このような痛みの代表的な疾患は「胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」と呼ばれるもの。
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鎖骨の下には、鎖骨下動脈(さこつかどうみゃく)と腕神経叢(わんしんけいそう)が通っておりその周囲に筋肉があります。
鎖骨下動脈は血液の流れる動脈、血管のことですね。
腕神経叢とは、脊髄神経から頭、首、上肢(腕を含む、お腹から首までの部分)のうち、鎖骨、腕、手へとつながる神経の叢=たばのことです。
胸郭出口症候群とは、それら2つが首から伸びる筋肉によって圧迫されて痛みを感じる、というものです。
この疾患は、筋肉がむくみなどによって肥大し神経を圧迫するため、女性に多い疾患です。
しかし生まれつき筋肉のつき方がそうなっている方もいるため、男性の患者さんもいらっしゃいます。
対処法としては、首、肩周りを温めての血流を良くしたり、かるくストレッチすることで改善されることがあります。
ほかには肩こりの延長からくる頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきんしょうこうぐん)によって鎖骨が痛むこともあるそうです。
この場合息苦しいような症状も現れ、肺の病気を疑ってしまいますが、内臓の疾患が原因の病気ではないのでご注意下さい。
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また稀に骨粗しょう症の方で、痛みがずっと続くようなのであれば鎖骨や肋骨が折れている場合も。
事故に遭ったわけでもないのに、知らない間に骨折しているかも知れません。
そのため、外科、とくに整形外科で受診した際はレントゲンで骨折の有無を確認し、アドソンテストと呼ばれる脈の消失テストを行い診断します。
他にも座位で行うライトテスト、ルーステストなどで診断する場合もあります。
左鎖骨の下が痛いときの原因と対処法
また左鎖骨の下が痛いときはどうなんでしょう?
左鎖骨の下が痛い場合でも胸郭出口症候群である可能性はありますが、この場合については内科的な疾患が疑われる場合があります。
人間の体は外見では左右対称ですが、内側はそうではありません。
左側には心臓があり、真ん中より少し下には胃があり、右側には肝臓があり・・・。
それら内臓を守るようにして骨が組まれ、筋肉が関節につながった形で骨の周りをおおっています。
左胸に痛みが走ったとき、心臓の病気かな?と思いますよね。
胸の奥が痛い、胸がしめつけられる・押さえつけられる、胸が焼けつくような感じがするといった症状のある狭心症。
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強い胸の痛み、呼吸困難、吐き気や冷や汗がでてくる心筋梗塞。
どちらも虚血性心疾患に分類され、心臓の筋肉(心筋)に血液(酸素と栄養)を運んでいる冠動脈という血管が、動脈硬化(血管が固まってしまう病気)などにより狭くなったり詰まった結果、心筋の血液が不足しておこる病気です。
この虚血性心疾患は生活習慣病の一つであり、現代では食の欧米化が進み増加傾向となっています。
また、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙などの危険因子が重なると、それぞれが軽度であっても虚血性心疾患を発症しやすくなります。
そのため、始めはたまにちょっと痛む程度だったのに急に激痛が走った、といった突然の変化が現れることがあります。
そういった経験のある方はできるだけ早めに病院へ受診しましょう。
内科と外科の違い
もし、内科でなにも異常が見つからなかったら?このような場合、内科では心臓神経症と診断されます。
心臓神経症とは、心臓の病気を全く持っていない人が動悸、息切れ、胸痛を訴えたときにつく疾患名で、これといった原因はありません。
そのため心臓疾患には含まれておらず、胸の痛みは気のせいです、といった医師の診断となります。
また、胸痛の原因の多くは心臓や肺ではなく、背骨(頚椎や胸椎)によるものです。
とくに左胸の上あたり、鎖骨の下といった場所は頚性胸痛(けいせいきょうつう)といって頚椎、首の部分が悪いときの症状です。
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頚椎は7つの骨でできており、7つの骨は椎間関節でつながっています。
椎間関節というのは背骨にある関節のことで、まっすぐ立っている状態で前かがみになったりしたとき背骨は曲がりますよね?
そのときに作用している関節のことで、同じものが首にもあります。
首の上部の椎間関節が傷むと頭痛、中央部なら首や肩に痛みが響きます。下部であれば上胸部や、背中の肩甲骨の周りに痛みが響きます。
このように、痛みの感じ方や場所によって原因が内科と外科で別れる場合があります。
これをみなさんの痛みの訴えだけで判断することは難しいため、内科的なものだと思って受診したが何も変わらなかった、ということがまれにあります。
もしご自身が、なんらかの生活習慣病を持たれていたり、ご家族でそういった心臓疾患を持っている方がいる場合は内科の先生も相談へ行きましょう。
その多くはホルター心電図(日常生活を送りながら、心臓の動きを長時間診る検査)をすることでわかりますので、検査を希望するのもいいかもしれません。
ご自身やご家族でそういった疾患がなかった場合は外科の先生に相談へ行くと原因判明がスムーズにできるのではないでしょうか。
その他の病気の可能性
これまで紹介してきた鎖骨の下が痛む原因以外にも、鎖骨の下が痛む可能性のある病気があります。
それは「がん」です。鎖骨はちょうど首筋リンパ節と乳房の中間あたりに位置します。そのため乳がんを発症した場合、リンパ節が腫れ鎖骨が痛むような錯覚に陥るのです。
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がんの場合は鎖骨が痛むだけではなく、リンパ節が腫れたり乳房にしこりを感じたり他の症状も必ず現れます。
ただしリンパの腫れ=がんと直結するわけではありません。風邪を引いてもリンパは腫れますし、そのせいで鎖骨が痛む場合もあります。
きちんと自分の症状を観察することが重要です。
治療について
また、病院にて内科的な診断をされた場合の多くは、緊急を要するとき以外は、生活習慣を改めるところから治療が開始されます。
食習慣や私生活の改善であったり、それらが難しい人については投薬なども提案されます。
なぜそこから治療が始まるのか。それは自分の体が持つ力を強くしないと根本的な解決に至らないためです。
どんな病気にでも、本来動物の体とは体内で異常が起きたとき何らかのサインや変化が起こります。
それは自分の体がその原因となるものを解決しようと頑張っている印です。その機能を充分に発揮させられる体とは、自分にとっての理想の体とどう違うのでしょうか。
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可能であれば投薬などの外的作用を使って対処するのではなく、人間が持つ免疫力をフルにつかえる健康な身体を維持していくことが一番良い治療法ではないかと考えます。
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